Yukoの日記

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2017-02-15 09:53:25 | 日記
ことり                    2017.2

著者   小川 洋子      1962年生まれ
       平成24年度  芸術選奨文部科学大臣賞(文部部門)受賞作品

 世の片隅で、小鳥のさえずりにじっと耳を澄ます兄弟の一生を描いた作品。
人間の言葉は話せないけれど、小鳥のさえずりを理解する兄と、兄の言葉を唯一わかる弟。
二人は支えあってひっそりと生きていく。やがて兄は亡くなり、弟は「小鳥の小父さん」と
人々に呼ばれて・・・。
慎み深い兄弟の一生を描く、優しい切ない、著者の会心作(解説より)

 小鳥はお兄さんの言葉を運んでくれているのだ、だからか弱い体でこんなに一生懸命歌うのだ、
と小父さんは思う。
すぐに別の一羽が新しい歌をうたい出す。続けて二羽、三羽と歌が重なってゆく。
うつむいたまま、いつまでも小父さんはじっとしている。(本文より)

 やはりこの兄は間違いなく、社会生活に適合することがとても困難な人、マージナルな人物で
ある。兄は生涯一度も働くことはなく、家で留守番をするだけである。長年にわたって週に一度
近所の薬局に通い、キャンディーを一本買い求め、集めた包み紙を貼り合わせては小鳥の形の
ブローチを作る。そして近所の鳥小屋を眺めに行く。
小父さんのほうは。近所にある金属加工会社のゲストハウスの管理人として働くのだが、この
二人の生活を見ていると、実は、弟であるおじさんも世の中からどこかしらズレたマージナルな
存在ではないかという印象が・・・。
 幸せであったのか? 心打たれる余韻の残る作品でした。


短篇五芒星               

著者   舞城 王太郎       1973年 福井県生まれ
芥川賞がザワついた圧倒的短篇! 無敵の舞城世界をかたちづくる物語のペンタグラム
五篇全部候補作!! 奇跡の短篇集を文庫化

 「美しい馬の地」「アユの嫁」「四点リレー怪談」「バーベル・ザ・バーバリアン」「あうだうだう」

赤ちゃん、怪談、神様みたいなもん、暴力、結婚、どの作品もハラハラドキドキと息苦しくなってくる。

もう読むのをやめようと思っても、指先がページをめくって・・・。

手に汗がじっとりと! 久し振りにミステリアスな小説でした。



幕末

著者   司馬遼太郎

 歴史はときに血を欲する。若い命をたぎらせて凶刃をふるった者も、それによって非業の死をとげた
者も、共に歴史的遺産といえるだろう。幕末に暗躍した暗殺者たちの列伝。

幕末動乱期の暗殺者を主人公にした十二篇の短篇群。江戸十九世紀中ばから後半にかけての、黒船による
外圧と幕府の無力という危機的状況の中で生まれた政治思想と権力抗争が、暗殺者という「奇形的産物」を
生じた。そう考えれば、暗殺者にも歴史的な存在理由はある。
彼ら「奇形的産物」を生んだ歴史的なさまざまな連関の総体を主人公と見立て、「幕末」と名づけたので
は・・・。(解説)

 司馬遼太郎の長編小説は戦国時代、幕末の作品が多く知名度が高く人気があります。
これからも少しずつ楽しめたらと思います。

★本も歌も普段の生活から切り離され、ほっと一息 カーブス(フィットネスクラブ)
での運動も間もなく1年、無理せず楽しみながら続けたいと思う。 さあ今年も頑張ろう~



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2 コメント

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様々な世界 (rokuemon)
2017-02-15 11:43:07
この世で毎日ありふれた生活をしながら
小説は、様々な世界に連れて行ってくれますね。
3つの全く異なる異次元世界は、楽しい旅だったでしょうか。

今私が関心あるのは、「ことり」かな?
小鳥が好きな人には小鳥の気持ちが、
ネコが好きな人にはネコの気持ちが、
イヌが好きな人にはイヌの気持ちが、
分かるのでしょう。
でも人の気持ちほど分かりにくいものはないように思います。
この旅も楽し! (yukomama)
2017-02-16 07:10:38
rokuemonさんへ
異次元の世界は良い経験にもなります

「ことり」は芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)
受賞作品(平成24年度) 
流石に良い作品でした。是非読んでください。

人の気持ちに触れた感覚が残っています。

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