サトー国際特許事務所 所長のブログ

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JASRAC問題への勝手な提言

2017-05-17 11:12:30 | 知財関連情報(その他)

音楽教室から著作権料を徴収するという問題は、とうとう法廷へ持ち込まれることとなりそうです。音楽教室側とJASRAC側とで主張が平行線なので、法律で処理することは仕方が無いのかもしれませんね。

専門家の意見では、従来の判例にしたがうとJASRACの主張が有利ではないかという見解のようです。確かに、音楽教室は、楽曲を演奏することによって利益を得ているのは事実ですので、著作権料が発生するということについての争いはJASRAC有利でしょう。

さて、ここで法廷闘争とは別に私的な意見を述べたいと思います。
あくまでも弁理士個人のブログにおける勝手な意見です。

楽曲の演奏によって著作権料が発生するということについて、上記のように争いはないと思います。これについては、私としても異存はありません。
また、これが教育のためとか、利益の源泉とか、そういう議論についてはここでは触れません。つまり、法律的な論点については、何にも言うことはありません。

一方、著作権料の回収の仕組みについて、勝手な提案をしてみたいと思っているのです。
現在、摩擦の原因となっているのは、JASRACが既存の判例(カラオケ法理?)を利用して、音楽教室に対して著作権料の徴収を考えている点です。
ここでちょっと考えてみましょう。著作権料を徴収する団体は、JASRACに限られるのでしょうか?
つまり、今回の音楽教室における演奏活動について著作権料を徴収する団体は、JASRACでなくてはならないのでしょうか?
JASRACは、一般社団法人ですが、著作権管理事業法という法律に基づいて、著作権の管理業務を行なっているんですね。この法律によると、文化庁長官の登録を受ければ、著作権管理の事業を行えるようです(3条)。
そうすると、(可能か不可能かは別として)登録を受ければ、著作権料を徴収する団体はJASRACに限られないのではないでしょうか?

そうであれば、この音楽教室を運営している業界がJASRACと同じような管理団体をつくり、この管理団体で一括して著作権料を管理するという仕組みはつくれないのでしょうか。

そもそも、音楽教室は、楽曲を演奏するといっても、必ずしも聴衆に向けてものとは限らず、カラオケや一般的なライブ活動とは大きく性質が異なるように思います。また、演奏の対象となる楽曲も、比較的限定されるのではないでしょうか。特に、クラシックの場合、版によって色々な編曲があるとしても、その多くの著作権が切れていることを考えると、JASRACがのぞむ包括的な契約は難しいと思えます。
このように、音楽教室は他の音楽事業と性質が異なるからこそ、音楽教室における演奏に合致し、対象となる著作権者に対して公平に分配する仕組みを提供する団体をつくれば、演奏者にとってもクリエイターにとってもありがたいのではと思えるのです。

法廷による争いも一つの方策ですが、管理を事業の実情にあわせて多元化することも考えていいと思えるのですが。
結局、天下り先が増えるだけか?

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