鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

時空を超えて、大切なコトのあり方をあらためて考えた「時の間」。

2015-01-13 23:35:30 | 日記
いつの頃からのことなのか詳しいことはついぞ記憶にありませんが、とにもかくにもウイークエンドと第二月曜の「成人の日」が無理やり掛け合わされて制定された3連休もアッという間に終了…。というか、ある意味 サービス業の一種でもある「陶芸教室」においては、3連休のような時こそ「賑わいの時」となります。今回も、そこそこの「賑わいの日々」を経て、またいつもの「工房風景」‥。

昨年11月頃に「体験陶芸」に来られた方々の作品を乾燥、削り成形して、明日からの素焼きに向けて準備する作業から、「連休明け」がスタ―トです。

「窯入れの朝は早い…」というか、毎朝5時前には目を覚まして新聞を読みながらコソコソと朝食を摂り、8時過ぎからは工房での一日が始まる、ハズでした。ところが今朝は…。8時に呼び鈴が「ピンポ~ン」とリビングに鳴り響き、反射的に「うっ、また、大学時代の悪友が朝から襲来か!?」と、思わず小躍り。されど訪ねてきてくれたのは悪友と同じくらい懐かしい、横浜からのお客さん。今から6年ほど前、わが家を建てる際に外壁や室内の壁を設えてくれた塗装屋さんのご主人でした。

「今日、鎌倉が現場でね。そう言えばって感じで倉田さんを思い出してね…」という感じで笑顔を見せてくれた塗装屋さんのご主人と会うのは、補修の塗装作業をお頼みして以来、かれこれ4年ぶり。思わず、お互い「お元気ですかぁ!?」。そして、塗装屋さんがいたずらっぽい目をしながらワタシに手渡してくれたのがこのパッケージ。

塗装屋さん自作の白菜のお漬物がぎっしり。以前にもいただいたことがあるのですが、これがまた絶品なのです…。ふり返れば6年前、ウチの室内の白い塗り壁を設えてもらった時にはご苦労おかけしましたっけ。そして自作のお漬物をいただいた時の感激は今でも忘れられません。今回も大事にいただきます。なんとも、幸先の良い「連休明け」…。

朝から「窯積み作業、急がなきゃ」と動きまわる最中、ふとチョイ見したfacebookでは、この連休中に陶芸しにきてくれた会員さんから「大好きな時間と、空間」という感じで昨日の工房の様子をアップしていただいて。

約1年ほど前にママさんになったこの会員さんがウチの工房を訪れるのは、育児の忙しさもあってじつに昨年の夏以来。facebook等のSNSを通じてお互いの日常を見聞きしていることもあり、他の会員さんとともにお話しの盛り上がることといったら…。SNSには積極的ではない身ではありましが、たまには「SNSもイケるかな」なんて気にも…。

そして「大好きな時間と、空間」といえば、この三連休の中日の日曜日、ワタシにとってとてもホッとする場所と時間に。

毎年1月初旬のとある日曜日の朝、東京都江戸川区松島にある日蓮宗秋田県妙倉寺東京布教所で行なわれる正月祭礼に出かけることを常としています。この江戸川区のお寺を守る山田恵大上人とわが家との繋がりの始まりは、今から約3年前のこちらのブログから。ワタシ自身、特に傾倒する宗教は無く、「信仰」ということへの意味すらも良く理解していませんが、この山田恵大上人‥というか、山田さんはまさに心から尊敬に値する人だと思っています。

一昨日の日曜日、この新小岩のお寺にて山田さん門下の信徒さんやワタシのような迷い多き人々総勢100人ほどの正月祭礼の後、これも例年どおり山田さんの段取りに従って、各々 昼食をはさんで千葉県市川市にある日蓮宗中山法華経寺大荒行堂に向いました。

この堂々たる山門のはるか向こうにあるお寺の大荒行堂にて修行中の数十人の若い僧侶さんたちが唱える轟轟たるお経を全身に浴びながらわが身を引き締めるとても貴重な機会を得ることが出来ます。

手元にある資料によれば日蓮宗の荒行とは、
◇11月1日から翌年2月10日までの100日間にわたりこの大本山中山法華経寺大荒行堂にて
◇全国から日蓮宗の僧侶が多数集まって修行
◇毎朝午前2時起床、寒水に身を清める水行を1日7回(3時、6時、9時、12時、15時、18時、23時)行う
◇他の時間は、お堂の中でひたすらお経を読み、写経を続ける
◇食事は修行の合間に朝夕2回、わずかな白粥と梅干し一個だけ
なのだとか。この100日間の修行を経て、「修法師」の辞令が与えられ、全行程が終了となるようです。こうして記述するだけでも、荒行の厳しさがヒシヒシと伝わって来るようでもあります。

ちょうど昨夜、テレビでいろいろな宗派の成り立ちや修行の様子が紹介されていましたが、この日蓮宗の荒行は「世界三大荒修行」のひとつと数えられていました。通常では入ることができない「荒行」という聖域において身を清める機会を作っていただいている山田さんにただただ感謝しつつ、大荒行堂入堂を許される午後3時まで参道にお店を構えるレトロな喫茶店にて。

おりしも近所の中山競馬場では競馬が開催中とあって、クルマの通行が大幅に規制されており、運が悪ければ交通違反という事にも。

100日間の荒行の場からほんの少しばかり離れた所にて、コーヒーの香りに包まれながら交通違反をどうにか掻いくぐったことに安堵するわが身…。極度の緊張の場に身を置く白装束のお坊さんの姿を思い浮かべながら、あらためてわが身を引き締めることとなります。

大荒行堂にて修行する大勢のお坊さんが唱えるお経を身に浴びて、向かった先はこちらの「瑞門」。

荒行に臨むお坊さんは、必ずこの門を通って大荒行堂に入るのだとか。あえていえば、この門こそが世俗と聖地を隔てる「関所」というような位置づけになるのでしょうか。ちなみに、古くからあるこの瑞門がこの姿をとどめるのは今月まで。来月からは新たなる門へと改装工事が始まると聞いています。。その奥の堂々たる建物「聖教殿」には日蓮大聖人の御真筆や立正安国論をはじめとする重要文化財64点その他が収納されているとか。貴重な資料を盗難や火災から守るために堅固に作られたその姿が印象的です。

大荒行堂での「非日常」を経て、初春の夕暮れ迫る中山法華経寺は人影もまばら。夕陽に照らされた五重塔の朱塗りの天守が暮れゆく呉須色の空に輝いていました。


「大好きな時間と、空間」に身をゆだね、あらためてわが身にもお越しくださる方々にとってもわが工房が「大切な時間と、空間たれ」と切に願った3連休なり…。
コメント
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