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2粒のお米がご飯一杯になる。

2017-08-15 04:13:58 | 稲作

穂揃いした里地里山の田んぼ。左側が1本植の田んぼ、右側が4本上の田んぼ。左の方が少し穂揃いが遅かった。

一杯のご飯はお米の量にして約65グラム。1本植の苗が、16本に分げつし穂をつける。一つの穂に100粒のお米が実る。一粒のお米は0,02グラムほど。2株で3200粒のお米になり、それがちょうど一杯のご飯になる。つまり、種籾2粒が一膳のご飯になる。お米は1600倍になるのだ。お米というのは本当にすごい能力の植物だ。日本人の主食はお米だったのだが、毎年消費量が減り一年間に食べる量は50数キロになった。近い内に50キロを割ることになるだろう。もうそれでは日本人の主食がお米とは言えないという事になる。60キロのお米は100㎡の田んぼがあればできる。1畝30坪である。2人家族であれば、2畝60坪の田んぼがあれば足りるという事になる。60坪の田んぼくらい誰にでもできる。10家族で共同田んぼをやれば、600坪つまり2反の田んぼという事になる。これがだいたい平均的な農の会の田んぼの会の姿である。大小あるが、10グループくらいが活動している。

それくらいなら一人でもやれるという人も居る。いや共同でなければできないという人も居る。はっきりしているのは稲作技術がなければできないという事だ。1畝なら機械など全くなくともできる。やれるかやれないかは家族の暮らしぶりにもよる。暑い夏の草取りなど、誰にとってもなかなか厳しいものがある。忍耐の力が試される。収量も60キロのお米が100㎡で出来る技術もあれば、200㎡あっても足りない技術もある。農業は技術である。特に手作業中心の自給農業は技術が全てともいえる。技術がなければ4,5倍の労力が必要になる。謙虚に学ばなければ、技術は高まらない。その為の技術をわかりやすくブログに書き続けている。やる気持ちで読んでもらえば参考になると思う。すべて実践記録。間違えもたくさんある。間違え承知でやってみている日々の迷いも書いている。その方が参考になると思うからだ。自給など無理だと決めつける人も居るが、本当の技術力があれば、実はそれほど大変なことではないという事だけは分かってほしい。楽しみながら3000年の循環農業は行われてきた。

稲作を集落共同で行う。それは水というもので繋がる暮らしである。水は独り占めすれば、争いになる。水争いはきれいごとではない。命がけのもので、知恵を出し上手く分け合う事で地域全体の維持が可能になる。これが日本人の誕生だ。2粒で1食になる稲作。この素晴らしさに、協働する自給農業の意味を日本人は知ったのだと思う。協働することは結構我慢がいる。10人いれば、それぞれである。能力の多い人も居れば、能力の少ない人も居る。しかし、1食の量は同じである。子供もいれば、お年寄りもいる。鼻つまみもいれば、へそ曲がりもいる。それでもご飯1食は同じだ。助け合う日本人が田んぼで出来た。田んぼを通して日本人が出来た。武士道などと偉そうに言うが、到底百姓の暮らしに及ぶものではない。日本人の絵は瑞穂の国の農民の絵画だ。循環する自然の世界観に満たされているのだ。

欠ノ上田んぼの稲株を数えた。37170株である。ごはん18585杯分だ。一日50杯分という事になる。1日5杯食べる家族が10家族という事になる。面積が3反2畝ほどである。何故こんなことを数えてみたかと言えば、種籾を取るためだ。種もみは8キロいる。1キロで5万粒という事になる。だから最小限で言えば、1キロ蒔けば足りるはずだが、1キロの種もみでは1反は植えられない。3反で、5キロは必要になる。何故だろう。何株種籾用にすればいいかと考えてみていて出てきた数字だ。今のところしっかりとした種籾用の一株で40グラムと考えれば200株必要。他の田んぼでも欲しいという話なので、300株ぐらいは種籾用に収穫しようかと考えている。もち米の方は今年農協で喜寿糯を更新した。混ざらないように注意深く扱っている。まだ走り穂の段階なのに、すでにおかしな穂が混ざっている。種籾でありながら、すでに交雑しているというのはどいう事なのだろう。このレベルの種もみで許されているものなのだろうか。今まで自家採取していたものより交雑がひどい気がする。これでは毎年更新するべきという意味が分からなくなる。

 

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