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中国覇権主義の疑問

2015-08-27 04:36:56 | Peace Cafe

最近国際情勢の不安定化が目立っているということを、政府は主張している。幼稚な言い草ではないか。常に国際的な不安情勢というものは存在してきた。どの時代にもその時代の軍事的な緊張は存在した。私には最近の日本を取り巻く世界情勢は、経済の関係が深まり、むしろ戦争ができなくなっている状況に見える。安全保障の問題と言えば、テロが深刻化しているのだろう。政府は安全保障法制を強調するあまり、中国脅威論を根拠なく盛り上げようとしている。中国の仮想敵国幻影は、冷戦時代の仮想敵国ソビエトの存在より現実味がない。何をおいても、日本が集団安全保障ということで軍事的に独立しようとしている。アメリカとの軍事同盟の名のもとに、アメリカの軍事力の配下として、積極的に活動しようとしている。これは中国の世界的な影響に対抗したいというアメリカと日本の思惑が一致したからである。アメリカはいつまでも世界を指導する国でいたいのだろう。アメリカが存在しなければ、世界は崩壊するぐらいに考えている。

確かにアメリカは強国である。国家として経済力も潜在的能力も群を抜いている。しかし、中国はその唯一の対抗する勢力が登場したとみられている。日本ではそうした見方は少ないが、世界では中国がアメリカを追い抜くという意見が強いらしい。中国がアメリカを超える前に、叩き潰したいのだろう。こうした考えは全くばかげている。ともに繁栄する方が良いに決まっている。ところがグローバル企業の競争では、相手をつぶすことが自分が成長できることになる。中国という国家資本主義国の登場で、グローバル企業は焦りを生じている。その結果、日米で手を結び、中国に対抗しなければならないという妄想の国際情勢の不安を作り上げているのだ。中国は元の切り下げを行った。背に腹は代えられなかったのだろう。中国人の日本での爆買いを考えれば、明らかに元は円に対して高値だったのだ。それを調整せざる得なくなったのが、今回の元の切り下げであろう。中国も経済成長が進めば、普通の国になってゆく。

中国自体がグローバル企業なのだから、今までの資本主義は対抗するのに戸惑っている。中国を覇権主義というが、それはグローバル企業の覇権主義と内容は同じだ。ただ国家資本主義だから始末が悪いのだろう。通貨や株価も自由に操作する国家だ。元を無理をして高く維持していた理由のほうが、重要である。国際的な影響力を重視したのだろう。中国がアフリカに影響力を持ちたい。経済的進出をしたい。こう考えた時には元が高い方が良い。資本を外国に投下するために、元を高値に維持をしてきた。バブルの円高時代の日本を思い出す。日本人の富豪が登場したり、海外の不動産を買いあさったりした。中国も結局のところ、経済の国際化が進めば普通の国になる可能性が高い。今は国内の経済に不安定要素も大きいから、普通の国からみれば、妙な覇権主義に見えているに過ぎない。中国は商人感覚の国だ。

日本も長い間、1ドル360円という固定レートで、経済成長をした。これが1ドル100円以下になれば、日本人の生活水準が4倍にも計算されることになる。1ドル360円なら農業も国際価格に並ぶ。こうしたことは実質経済とは少しも関係がない。元が5%切り下げられるということは、中国投資は損ということになる。日本では円安で株価が上る。しかし、これは日本人の輸入品に依存する消費生活はその分価値が下がっているということになる。すべてはグローバル経済という、取引の中で起きていることだ。中国は一企業であって、日本の仮想敵国というより、グローバル企業としての競争相手なのだ。その競争に勝ちたいがあまり、アメリカと組もうというのではないか。しかし、中国がくしゃみをして、日本が風邪をひくように、経済は密接化している。この国際情勢の変化こそ、戦争ができない状況になったということである。

 


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9 コメント

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Unknown (Unknown)
2015-08-27 15:11:44
中国がどれだけ理性的に行動できる国なのかが問われているのだと思うのです。憲法に中国は共産党に指導を仰ぐと書いてあるので法治国家ではなく共産党トップの気分しだいで政策が決められる独裁制。そもそも支那で無く中国と呼ばせようと言う中華思想自体が世界制服欲求で、そういう非法治国家の支配下に甘んじるならば、既存秩序の中で依然として大国であるアメリカの側にいた方がましと言う事でしょうね。
覇権主義 (中村篤高)
2015-08-27 18:41:03
中国を語るときに、笹村さんは、どうしてチベットや新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)のことを無視されるのでしょうか?
また、スプラトリー諸島、パラセル諸島、尖閣諸島の状況に言及されないのでしょうか?

グローバル企業は利己的かもしれませんが、各国の法律は順守しています。
しかし、中国は、国際法を守ろうとはしません。

中国がくしゃみをして日本が風邪をひくなら、日本は戦争をできませんが、中国はできると言うことになります。

中国が経済成長すれば、国際法を守る普通の国になると言うのは、百年河清を俟つ、です。
中国批判のパターン (笹村 出)
2015-08-28 04:40:15
チベットやウイグル自治区と、日本とでは全く関係が違います。
中国批判というと必ずここから論を展開します。
アメリカの洗脳ということでしょうか。

中国は、国内をまとめるということが深刻です。
覇権主義の原因はそこにあります。

世界制服欲求があるのも確かでしょうが、
西欧列強の帝国主義とは、内容がだいぶ違う。

商業国家です。植民地支配より、商売繁盛です。

現状の中国が問題の多い国であるということは否定しません。
途上国のまま、経済大国になったのだから、
当然のことと考えます。
明治日本と同様で、平和国家になるには時間が必要でしょう。

加えて、誇り高い中華思想の国です。

日本と戦争をするような要因が、極めて少ないということです。
ないというのではありません。
日本でテロの起こる可能性に比べて小さいと考えます。

アメリカの方がましとは考えません。
アメリカの正義の戦争に必ず巻き込まれます。
テロのリスクが高まります。

日本は日本として、歩むことが、平和の道です。

Unknown (Unknown)
2015-08-29 00:23:38
>中国も経済成長が進めば、普通の国になってゆく。

毛沢東氏は抗日戦勝記念パレードはしていませんでした
「日本と戦ったのは国民党であり、共産党ではない」という理由からでした
それから経済成長が進んだ江沢民政権時に抗日戦勝記念日が大々的に行われるようになります
さらに世界2位と言われる経済大国にまでなった現在、抗日パレードの規模は拡大しています

毛沢東の「日本と戦ったのは国民党」から、現在の中国共産党は「日本と戦ったのは共産党」と歴史を書き換えています
むしろ、昔より歴史改ざんは酷くなっています

>西欧列強の帝国主義とは、内容がだいぶ違う。商業国家です。植民地支配より、商売繁盛です。

信じられません
まるで朝鮮半島の植民地支配を正当化する人たちとまるで同じ理論ではありませんか

商売繁盛だけなら、日本と併合した朝鮮も大繁栄しています

中国の植民地は良い植民地
欧州・日本の植民地は悪い植民地

そのような姿勢だったからこそ、日本の左翼勢力は凋落していったのだと思います
中国の経済成長 (笹村 出)
2015-08-29 03:24:33
中国に対する見方は、さまざまです。
中国がだんだん悪くなっているのか。
少しづ良くなってきているのか。

私が見てきた過去50年ほどの中国の現代史。
毛沢東の時代の中国より、はるかに良くなっていると私は見ます。

暮らしが改善されています。
徐々に自由な国になってきています。
それに伴い、普通の国になってきている。
今の中国は普通の国になる過程にある。
それは共産圏全体の問題でもある。

言論の自由はいまだ不十分ですが、インターネットの時代、
徐々に国の抑えは効かなくなっている。

商売の国という意味を、どうも取り違えているようです。
この説明はまた改めて。

日本もなりたいという、普通の国がなかなか、厄介なわけです。

中国もばかな軍事拡張は止した方が良いと思います。
日本も同様です。
中国の領土、歴史 (槙野)
2015-08-29 09:17:11
中国脅威論は根拠のないことではありません。そんなこと書かれるのは、笹村さんだけです。
中国の領土的野心は、尖閣に対してだけでなく、沖縄そのものにも向けられており、中国は自国領だと主張しています。
その目的のために、反米軍基地活動を画策し、沖縄県民が誰も望まない独立運動まで工作しています。
もし沖縄が中国の領土となったら、チベットで中国がやっているように、民族浄化の名のもと、笹村さんのお好きな沖縄文化も中国化されてしまうでしょう。

チベットは辛亥革命の後、1912年に独立しました。しかし、1950年、中国共産党軍に軍事侵攻され、中国領となりました。独立を求めるチベット族を中国が筆舌に尽くしがたい残虐さで殺戮してきました。その残虐さに世界各国が中国に抗議しています。

2010年の中国漁船衝突事故とそれに係るフジタ社員の拘束、レアアース禁輸などの中国の傲岸な態度を見てから、日本国民で中国を擁護する人はほとんどいなくなりました。

たとえ国内問題があろうと、許されるものではありません。

中国を商業国家と認識には賛成できません。これほど強欲で残虐な国は欧米列強にもありません。
そして好戦的です。1949年に建国以来、各国と繰り返し軍事紛争を起こしてきました。
「中国が普通の国になる。」と書かれているくらいですから、笹村さんも本当はご存じなのではないでしょうか?

そういう国とは、平和的外交に努めつつ、どんなことも想定外にしない用心さが必要だと思います。

テロのリスクは、中国が被る方がはるかに高いです。少数民族、ウイグル(東トルキスタン)にはイスラム国が入り込んでおり、中国もこのテロ対策に躍起です。日本が中国を擁護したら、イスラム国のテロ攻撃を受ける危険が増します。
私は原発事故より、中国からの侵略の方がはるかに確率は高いと思います。

日本・アメリカを含め、世界は中国が経済的に発展することを悪くは思っていません。グローバル企業もです。中国が豊かになれば、巨大な市場が生まれるからです。中国がアメリカを経済的に凌駕しても何も問題はないはずです。
中国の覇権主義や不法行為が問題なのです。

三菱地所や三菱商事がロックフェラーセンターやエンパイヤステートビルを購入したころの日本のバブル期は、円安、株高、金利安です。中国の現状と少し異なります。
何のための議論か (笹村 出)
2015-08-29 10:20:33
たいていの中国の分析の背景にある意図は、
中国は怖い国だから、対抗して日本も軍備を強化すべき。
ということなのでしょう。

中国脅威論の類型化はそれが原因とみています。
本当の脅威でなく、仮想の観念論だから、ワンパターンです。
いくら騒いでも、少しも現実味がありません。
ホルムズ海峡の機雷と同じことです。

何とか中国の脅威を見つけ出し、現実であるかのように仕立て上げたいという、無理な意図があふれ出ている。

本当は中国がアメリカ経済を凌駕することを恐れているのです。

ここがポイントです。

それは中国が国家資本主義で、その他のグローバル企業と国家の連携という形式と、
資本主義と色合いが違うから怖いのでしょう。

まともな競争にならない。そして、日米両国のグローバル企業が敗北する不安。

これが本音の、中国脅威論です。
脅威の根拠 (西川周一)
2015-08-29 11:50:32
根拠がないのは笹村さんの方ではないですか?

中国が軍事的に脅威である根拠はたくさんあります。
チベット、ウイグルへの侵略の歴史、近隣諸国との軍事的紛争の数々、南シナ海、東シナ海での不当な行動、第1、第2列島線の設定、そして何よりも中国共産党の歴史。あるいは中国で、ここ200年の間に行われた自国民大量虐殺の事実。
中国の延々と続く軍拡。等々。
笹村さん、このような事が周辺諸国に脅威ではないという理由を説明してください。

日米のグローバル企業の敗北など何も脅威ではありません。その可能性も少ないです。
中国が豊かになって、普通の国になることを全世界が望んでいるくらいですから。

それにしても、どうしてこのように必死に中国を擁護されるのですか?ウイグルを支持するイスラム勢力に拉致される心配はありませんか?
脅威についいて (笹村 出)
2015-08-29 12:16:13
なぜ中国を脅威と仕立てあげたいのかの理由明快。
日本を軍国主義に国家にしたいからです。

どこの国も、戦争ばかりしてきました。
その意味ではどの国も脅威です。
日本も近隣諸国の脅威です。

現状では、国家間の戦争より、
テロのほうが日本の安全保障には重大だと主張しているのです。

中国を擁護しているのでなく、中国脅威論を展開して、
日本を軍国化する動きの安倍政権のたくらみを、阻止したいのです。

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