これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

残暑お見舞い申し上げます

2016年08月11日 21時26分31秒 | エッセイ
 たしか、今月に入ってすぐだったと思う。
 出勤すると、私宛ての郵便物に3月に卒業した女子生徒からのハガキが入っていた。
「暑中お見舞い申し上げます」
 自宅の住所がわからず、学校あてに送ったのだろう。気の利くことだ。
「私は短大の課題とレポートに追われ、毎日ヘトヘトですが、楽しく過ごしております」
 ほおお。
 楽しいか、それはよかった。
 この子は真面目で善良な人柄なのだが、係や委員会のメンバーを決めるときなど、誰かを誘って「一緒にやろうよ」と言えないタイプである。いつも最後に一人だけ余ってしまい、人づきあいが上手とはいえない。
 新しい環境で上手くやっていけるか心配していたけれど、充実した毎日を送っているようで安心した。
「先生もお体にお気をつけてお過ごしください」
 はいはい。
 クーラーに浸かって生活しているせいか、夏バテとは無縁である。「夏は食欲が落ちるのよね」と嘆く友人とは対照的に、3食では足りずにおやつまで食べている。強いていうなら、冷房で首や腰が凝るくらいで、他はすこぶる健康だ。
 早速返信を出そうと思ったが、家には官製ハガキすらなかった。切手はあるので、「今度書けばいいや」と思っているうちに立秋が過ぎる。まずい、もう11日になってしまった。
 今日は山の日。今年から新しく増えた祝日だが、「何も夏休みにしなくたっていいのに」と生徒はみんなブーブー言っている。会社勤めの方も、お盆休みとかぶるかもしれない。でも、買い物に行く時間がとれたという点ではよかった。今日こそは、のびのびになっていたポストカードを探さなくては。
 目指すは地元の書店。本だけでなく、バースデーカードやポストカードも売っているのだ。夏らしくて元気が出るような絵柄はないかと、カードラックを回した。
「あっ」
 すぐに、ピンとくるデザインが見つかった。



 裏返すと「みなとみらいの花火」というタイトルがついている。
 作者は「HIROKO KANOU」となっていた。知らない名前だけど、この絵はいい。夜空に開く大輪の花が集合写真のように整列し、イラストならではの豪華さである。フリーハンドの線に温かみがあり、買おうと即決した。
 隣にも、同じタッチのポストカードが並ぶ。



 こちらのタイトルは「港の花火」となっている。空が明るいところを見ると、日没直後の19時頃か。この船は「ロイヤルウイング」という名前だった気がする。花火の配置はこちらのほうが賑やか。まるでチョコレートの詰め合わせのような楽しさがある。
「よし、これも」
 こちらは那須の両親に宛てて送るか。花火なんぞ見られないだろうから、きっと喜ぶだろう。
「さーて、書くぞ」
 書き始めは、もちろん「残暑お見舞い申し上げます」。
 皆様も、暑さに負けずご自愛ください。


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2 コメント

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もう残暑? (Hikari)
2016-08-12 07:31:43
暦の上では…とか言いますが、まだ暑中で十分なほどの暑さですね。
先日の37.9度の日は一日大学の講義棟にいて暑さ知らずでしたが、生き帰りで死にそうになりました。
みなとみらいの絵葉書をお買い上げ、ありがとうございます。
今年も8月2日がその風景だったはず。

夏バテ防止は食べるが勝ち、眠るが勝ちです。
秋風 (砂希)
2016-08-12 08:50:48
>Hikariさん

日中は冷房に浸かっているので、外気の暑さがわからないんですよね。
でも、朝晩の過ごしやすさは秋を感じさせます。
真夏のドローンとした湿気もないし。
友人に絵葉書の写真を見せたら、「すごくいい」と絶賛されました。
で、友人にも送ることに。
私も残しておきたくなって、自分用にも1セット。
追加で購入しま~す!

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