ＧＭＫ

ゴジラシリーズは全部観た訳ではないが、観た中で一番面白いと思ったのは２００１年公開の「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」。このタイトル、バラゴンが何故か忘れられてるんですけど…。ま、それはともかくとして。この作品の素晴らしいところはゴジラが完全にヒールになっていたこと。やはり怪獣王ゴジラの迫力はヒールでこそ引き立つってもんです。あの初代ゴジラが実は死んでいなかったという設定。おまけに太平洋戦争の死者の亡霊が憑り移っていて、白目を剥いている怖いゴジラだった。この頃のゴジラはハム太郎の映画とセットで上映されていたが、このゴジラを見て泣いた子供も多かったという。うんうん、そうでなきゃいかん。ゴジラは子供にはちと刺激の強い、ワサビを利かせた怪獣であるべきだ。

対するベビーフェイスは珍しくキングギドラ。ずっとヒールばかりやってきたのにとうとうベビー。このキングギドラは日本を守る護国三聖獣のエース（他はモスラ、バラゴン）で、１万年眠るはずなのに数千年で起こされたためにフルパワーで闘えないという設定だった。ニックネームは「千年竜王」。個人的意見だがこれを聞いた時、ギドラは１万年寝なくてかえって良かったんじゃないかと思った。だって「万年竜王」ってなんかカッコ悪いじゃん？…カッコ悪い名前を避けられた結果かどうか知らないが、これを観終わった後、映画館の売店ではキングギドラグッズだけきれいに売り切れていた。映画館の大スクリーンで観たギドラの覚醒するシーンの美しさは忘れられない。

総括すると初代ゴジラの最も正統な続編と言える作品であり、反戦・反核というゴジラの根本主義も前面に押し出されていた。もう一回観たい映画だな。