“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

豊かな社会と教育の機会均等

2016年07月04日 21時50分47秒 | 臼蔵の呟き

国の未来を決める。食料、エネルギー確保、将来の産業構造、地方都市が元気になることも含めて、日本が長期的に発展する。発展しなくても多く国民が、幸せに暮らすことができるのか?そのことこそが政治と社会が実現しなければならない課題ではないかと思います。

将来への投資―――私は、教育が投資だということには感情的な抵抗があります。投資とはその結果、何らかの報酬を期待することがあるからです。報酬がなければ投資はしないのか。人間が勉強し、教育を受けることで何が得られるかを期待して――投資せよと――損得で計算するような話ではないと思います。勉強したら、高学歴は豊かな生活を保障されるからするのでしょうか。そのような考え方を突き詰めれば、高学歴=豊かな生活=富裕層に特権的に許されるものが高学歴、大学教育となり、―――貧しい家庭の児童に奨学金を無償で貸与することはおかしい。自民党、官僚組織の中枢にはそのような考え方があります。その変形したものが理系の研究には予算をつけるが、文系の研究には予算をつけないーーです。基礎研究を軽視する。成果が期待できないし、企業利益に結び付かないからです。

自分のことと考えればわかることです。勉強するときに、勉強が面白い、興味があるーーそのことに価値がある、将来的に有益だと考えて勉強するなどが子供や、中高校生に存在するのでしょうか?

好きな物、面白いものは個々人で異なり、その理由を他者がとやかく言っても意味がありません。他者が理解することも無理です。しかし、とことん追求し、観察し、考察し、どのような困難にも負けないで研究をし続けることで、とてつもない研究成果、結果が得られるのではないかと思います。だからこそ、面白い。その結果と総和が国、社会の成果、富となるのではないかと考えます。利益が出るから、奨学金を無償で貸与するのではありません。教育の機会均等とは何人にも保障されなければならない理由ではないかと思います。

<毎日新聞社説>参議院選挙 奨学金と教育費「未来への投資」として

 大学生らが返済に苦しむ奨学金の制度をどう変えていくべきなのか。参院選で18歳、19歳が初めて投票する。彼らには切実な問題だ。

 与党は返済不要の「給付型奨学金」制度の創設に取り組むことを選挙公約に掲げている。野党も同様に「給付型」を公約にしている。

 政治がこれまであまり顧みてこなかった若い有権者を意識するのは望ましいことだ。だが、給付型奨学金の規模や給付の条件をどう考えているのか、具体的に見えてこない。

 現在も制度改革は進められている。国費で賄われる日本学生支援機構の貸与型奨学金のうち無利子奨学金について2017年度から返還方法が変わる。

 卒業後の所得が少ない場合は月の返還額を減らし、所得が増えれば返還額も上がる仕組みを選べる。負担軽減が目的だが、利用者が「借金」を負うことに変わりはない。とくに所得が増えない人は長期間返還し続けることになる。

 年収300万円以下で返還が困難な人は返還が猶予される「救済制度」を使える。ただし猶予は10年間に限られ、それを過ぎると再び返還を始めなければならない。

 返還が滞った時に課せられる延滞金は2年前に年10%から5%に引き下げられた。とはいえ負担は重い。社会に出てから延滞金の返還に追われ、元本が減らないまま返還を続けている利用者もいる。これを「救済制度」と呼べるだろうか。

 給付型が増えればこうした負担は軽減されていく。だが財源の問題もある。厳しい財政事情の中、相当な規模で創設するのなら何を削って財源に充てるのか、各党には示してほしい。

 同時に、回収優先の返還制度も再考が必要だ。一般の学生ローンと同様に、支援機構は給付にあたり、親族か民間保証機関の保証を求めており、滞納が続けば債権回収会社に回収を委託している。

 滞納者に返還を督促する簡易裁判の手続きは年間約8500件に上る。自己破産に追い込まれるケースも多い。

 諸外国では返還から一定期間経過すれば、残りの返還額を免除するところもある。

 そもそも大学の高い学費をどう考えるのか。国の将来を描く中で若者の高等教育をどう位置づけるのか。日本は国内総生産(GDP)に占める高等教育費の割合が0・5%で、他の先進国に比べて半分ほどの低さだ。

 広い視野に立ったうえで、教育への公費負担を「未来への投資」として論じるべきだろう。


最大の参議院選挙争点は憲法改悪を許すかどうか!

2016年07月04日 12時00分12秒 | 臼蔵の呟き

「憲法で権力を律する立憲主義が蔑(ないがし)ろにされれば、民主主義は成り立たない。憲法は主権者である私たち国民のものであり、その在り方を決めるのも権力者でなく国民自身だ。その強い決意を、参院選を機にあらためて確認したい。」

「選挙で争点とせず、選挙後は多くの国民が反対する政策を強行する。そんなことが安倍政権下で続いてきた。今回の参院選でも同じことを繰り返すのか。憲法改正の争点化を避けながら選挙後に一転、進めるような暴挙を二度と許すわけにはいかない。」

昨日のテレビ討論でも、自民党谷垣幹事長、公明党井上氏は改憲を目指しながら、選挙には不利として、ほとんどその意図を語らず、隠す。その戦術を使って、議席をかすめ取った結果、自民党、公明党は白紙委任を受けたのだとーーー強弁する。これが安倍、山口の政治感覚、彼らの本音です。そして争点ともなっていない自衛隊の合憲、違憲論争に意図的に捻じ曲げ、民進党、共産党、4野党共闘を野合呼ばわりする。本当に悪辣で、狡猾な論戦には辟易します。

このような欺瞞に満ちた政党と議員集団が政権を握っている状態をどうしても解消する必要があります。それは今回の参議院選挙で、自民党、公明党意図を見抜き、自民党、公明党候補を落選させることです。

<東京新聞社説>参議院選挙 争点化避けた憲法 同じ轍は踏ませない

 憲法改正をめぐる論戦が低調だ。安倍政権が争点化を避けているためだが、参院選後に一転、改正へと突き進むことはないのか。同じ轍(てつ)は絶対に踏ませない。「改憲勢力3分の2うかがう」。先週、本紙を含む各紙がそろって掲載した参院選の序盤情勢を分析した記事の見出しである。

 政権与党である自民、公明両党と、「改憲勢力」とされるおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の四党合計の議席が、非改選を合わせて三分の二以上に達するとの情勢を報じたものだ。

◆戦後政治の転換点か

 自公両党はすでに衆院で三分の二以上の議席を確保しており、参院でも三分の二以上に達すれば、憲法改正の発議が可能になる。戦後の日本政治を大きく転換する可能性を秘めた政治情勢である。

 安倍晋三首相は今年の年頭会見で「憲法改正はこれまで同様、参院選でしっかりと訴えていく」と述べ、改正を二〇一八年九月までの自民党総裁の「在任中に成し遂げたい」とも明言している。

 自民党総裁として、結党以来の党是である憲法改正を成し遂げたいのなら、公約の中で明確に位置付け、選挙戦で堂々と訴えるのが筋である。

 しかし、七月十日投開票日の参院選では激しい舌戦にもかかわらず、憲法論議が深まっていない。

 自民党は、一二年に憲法改正草案を発表しているが、参院選公約では最後に「国民の合意形成に努め、憲法改正を目指します」と明記するにとどめている。

 首相は参院選で、自らの経済政策「アベノミクス」の前進か後退かを最大の争点に掲げ、憲法改正については「選挙で争点とすることは必ずしも必要はない」と争点化することを避けている。街頭演説で改正に触れることもない。

◆改正求める声は少数

 公明党に至っては「国民に選択肢を示して選んでもらうほど議論は成熟していない。だから参院選の争点にならない」(山口那津男公明党代表)として、公約では憲法について掲げてさえいない。

 憲法争点化をめぐる与党の消極姿勢は、報道各社の世論調査で、安倍首相の下での憲法改正に反対する意見が賛成を上回っていることと無縁ではなかろう。

 集団的自衛権を行使する安全保障関連法の廃止と立憲主義の回復を掲げ、全改選一人区で候補者を一本化した民進、共産、社民、生活の野党四党と同じ土俵に乗ることを避けたのかもしれない。

 自民党が安倍首相在任中の憲法改正を断念したのなら、争点化に慎重な態度も理解できる。

 しかし、私たちは安倍内閣の下での過去の選挙を振り返り、政権の意図を見抜く必要があろう。

 一三年の前回参院選で、安倍首相は「三本の矢」と呼ぶ自らの経済政策の成果を強調して選挙戦に臨んだが、選挙後に成立を急いだのは、公約に明記されていなかった特定秘密保護法だった。

 そして翌一四年七月一日には、歴代内閣が継承してきた集団的自衛権の行使を憲法違反とする政府解釈を一内閣の判断で変更し、行使容認の閣議決定に踏み切る。

 首相自ら「アベノミクス解散」と名付けた一四年暮れの衆院選では経済政策への支持を訴えたが、選挙後は「安保国会」と化し、多くの憲法学者らが違憲と指摘した安保関連法の成立を強行した。

 選挙で争点とせず、選挙後は多くの国民が反対する政策を強行する。そんなことが安倍政権下で続いてきた。今回の参院選でも同じことを繰り返すのか。憲法改正の争点化を避けながら選挙後に一転、進めるような暴挙を二度と許すわけにはいかない。

 改正手続きが明記されている以上、現行憲法は改正が許されない「不磨の大典」ではない。改正の必要があれば国会内で議論を深め、幅広い賛同を得て国民に堂々と訴えかければいい。

 しかし、憲法を変えなければ国民の平穏な暮らしが脅かされる恐れがあり、改正を求める切実な声が国民から澎湃(ほうはい)と湧き上がる政治状況でないことは明らかだ。

 にもかかわらず、改正を強引に進めるのなら、内容よりも改正自体が目的だと断ぜざるを得ない。

◆主権者にこそ決定権

 集団的自衛権の行使を容認した閣議決定からきょうで二年。私たちが目の当たりにしたのは、憲法に縛られる側の権力者がその解釈を意のままに変え、戦後日本が歩んできた平和国家という「国のかたち」を変えてしまったことだ。

 憲法で権力を律する立憲主義が蔑(ないがし)ろにされれば、民主主義は成り立たない。憲法は主権者である私たち国民のものであり、その在り方を決めるのも権力者でなく国民自身だ。その強い決意を、参院選を機にあらためて確認したい。


東北復興の推進と原発再稼働を中止すること

2016年07月04日 11時10分08秒 | 臼蔵の呟き

日本列島自体が地震災害のリスクにさらされた大地であることは誰もが認めています。しかし、その地震災害が、繰り返し発生しているにもかかわらず、被災者の支援、生活再建のスピードが改善されないのは政治災害と言わなければなりません。

東北の津波、地震災害から5年たっても16万人弱の住民が避難生活を余儀なくされていることは異常です。また、今回の津波・地震被害で福島第一原発事故があったことがその被害の大きさ、時間的な解決を長期化させる主要因となっていることも特徴です。にもかかわらず、鹿児島、四国、福井で原発再稼働を強行する安倍、山口自公政権のでたらめと大企業擁護、原子力政策中心の政策は、やめさせなければなりません。このような政権が福島原発事故を政権の宣伝に利用することも止めさせなければなりません。国民の不幸を食い物とし、利用して政治的な野望を推進する安倍、山口自公政権を退陣させなければなりません。

<北海道新聞社説>2016年参議院選挙 東北の復興 影が薄くなっては困る

 15万4782人。

 東日本大震災で被災し、いまだに避難生活を続ける人々の数だ。

 東京電力福島第1原発事故が発生した福島県の避難者は、約9万人を占める。帰還のめどすら立っていない人も多い。震災発生から、もう5年余りが過ぎている。異常な事態と言わざるを得ない。

 参院選は経済や社会保障政策が争点になっている。安全保障や憲法改正の問題も重要だ。

 気になるのは、震災復興の影が薄いことだ。ついこの間まで「東北の復興なくして日本の再生なし」と、与野党問わず多くの政治家が叫んでいたにもかかわらずだ。支援の手を緩めてはならない。各党、候補は真の「復興」に向けた具体的道筋を示す必要がある。

 与党は公約で、「新しい東北」の実現を目指し、復興を加速させることを盛り込んだ。確かに、2015年度までの集中復興期間に26兆円の復興予算が計上され、巨大堤防の造成や市街地のかさ上げなど、インフラの整備は一定の進展がみられる。

 だが、暮らしや仕事、コミュニティーの再建などは道半ばだ。心の傷が癒えない人も少なくない。

 避難所生活のストレスなどが原因の震災関連死は約3400人に上る。各党はこの現実に目を背けてはならない。

 生活再建の基本は住まいだが、災害公営住宅の整備は必ずしも順調ではない。人件費や資材高騰、建設業者の不足などが原因だ。

 完成しても入居の要件を満たせず入れない。民間の賃貸住宅は家賃が高すぎる。そんな理由で、仮設にとどまらざるを得ない人も相当数に上るという。

 今後、東京五輪の関連工事が本格化すれば、人手や資材は一層不足する。全ての仮設住宅が解消できるのは20年以降とも言われる。あまりに遅すぎる。

 政府は本年度からの復興・創生期間で、復興事業の全額負担を転じ、一部自治体負担を求めることにした。被災3県の負担は計220億円に上る見込みだ。

 全国規模の国政選挙は、震災後としては4回目である。だが、過去3回と異なり、公示日に福島県内で第一声を発した主要政党の党首はいなかった。震災の風化が政治にも及んでいないか、心配だ。熊本地震でも大きな被害が生じている。大切なのは被災者に寄り添った復興だ。具体的な議論を求めたい。


参議院選挙 息をつくようにうそをつく「安倍」政治の信を問う

2016年07月04日 10時17分39秒 | 臼蔵の呟き

参議院選挙投票まで1週間を切りました。自民党、公明党、共産党が伸びると世論調査でいわれています。戦争法廃止、立憲主義、民主主義回復を掲げる民進党、共産党、生活、社民党が参議院において過半数になる必要があります。しかし、現在の選挙情勢は、自民党、公明党で過半数の議席を獲得する様相です。自民党、公明党の独裁的な政権運営を許してはなりません。そこが選挙民にとって見抜けないじれったさがあります。

慶応大学の金子勝教授は、安倍首相は「息をつくようにうそをつく」だまされてはならない。だまされないためには、彼らが提起した(政策として決定した)数値目標に照らして総括することだ。―――そう分析しています。日銀を通じた市中への現金供給で国債は、その三割が中央銀行である日銀が所有するまでになりました。そして、安倍、黒田が掲げた物価上昇2%は3年たっても達成できず、安倍に至っては道半ばとーー公然と主張しています。また、消費税率を引き上げることは可能であると言いながらーー消費税率引き上げを実施しながら、真逆の結果を二年連続出し続けています。三本の矢は何一つ実現せずにーーー新三本の矢を打ち出しーーーウソノ上塗りを繰り返し、国民をだましを続けています。

その結果として、非正規労働の爆発的な増加、貧富の格差のますますの増加、社会保障制度の切り下げにより医療、介護をまともに受けることができない国民が続出しています。大学生は奨学金を借り社会に出てからも奨学金返済に何十年もかかる。こんなバカなことが拡大し、続いています。地方都市は人口減少で維持できなくなりつつあります。公共交通が廃止され、小中高学校の廃校、医療機関の廃業で、居住環境が破壊されています。このような地域に子供、小中学生を持つ家族は生活できません。そのことが人口減少、地方都市の過疎化を急激に促進しています。

本当に、安倍、山口によるウソとでたらめな政治、政権運営を止めさせなければなりません。

<東京新聞社説>参議院選挙 「安倍政治」の信を問う

 参院選。安倍晋三首相は自らの経済政策を最大の争点と位置づけるが、問われるべきは三年半にわたる「安倍政治」そのものだ。

 日本記者クラブ主催の九党首討論会。自民党総裁でもある安倍首相は自らの経済政策「アベノミクス」について「有効求人倍率は二十四年ぶりの高い水準になった。その成果を出してきた」と強調した。首相は参院選を、来年四月に予定していた消費税率10%への引き上げを二年半、再び延期する「新しい判断」について「国民の信を問う」選挙と位置付けている。

◆成長重視政策の是非

 首相自身が成果を上げたと自信を深めるアベノミクスを「最大の争点」にして支持を取り付け、政権運営の原動力としようというのが、首相の思惑なのだろう。

 逆進性が高く、景気に悪影響を与える消費税の増税見送りは妥当だとしても、増税できる経済状況をつくり出せると豪語していた公約を実現できなかった「失政」を不問に付すわけにはいかない。

 成長重視のアベノミクスは格差を拡大し、個人消費を低迷させたと指摘される。そもそも正しい政策だったのか、一方、野党側の経済政策に実現性や妥当性はあるのか。各党、各候補の主張に耳を傾け、公約を比較して、貴重な票を投じる際の判断材料としたい。

 私たちの暮らしにかかわる経済政策は重要だが、それにばかり気を取られていてはいられない。今回の参院選は従来にも増して、日本の将来を大きく左右する可能性を秘めた選択になるからだ。

 最大の岐路に立つのが、首相自身が二〇一八年九月までの自民党総裁在任中に改正を成し遂げたいと明言した憲法である。

◆憲法の争点化避ける

 自民、公明の与党は衆院で三分の二以上の議席を有し、参院選で自公両党と「改憲派」のおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党を合わせて三分の二以上の議席を得れば、衆参両院で憲法改正の発議に必要な議席に達する。

 首相は憲法改正について「選挙で争点とすることは必ずしも必要はない」と、参院選での争点化を避けているが、安倍内閣の下での過去の選挙を振り返り、政権の意図を見抜く必要があるだろう。

 例えば一三年の前回参院選。首相は「三本の矢」政策の成果を強調し、首相自ら「アベノミクス解散」と名付けた一四年の衆院選では、消費税率10%への引き上げを一年半延期して「景気回復、この道しかない」と訴えかけた。

 首相は経済政策を掲げて二つの国政選挙に勝利したのだが、参院選後に成立を急いだのは公約ではひと言も触れていない特定秘密保護法である。衆院選後には憲法違反と指摘される安全保障関連法の成立も強行した。

 選挙であえて争点化せず、選挙が終われば多くの国民が反対する政策を強行するのは、安倍政権の常とう手段とも言える。国の在り方を定める憲法で、同じ手法を採ることが許されるはずがない。

 参院選では、政策はもちろん、野党を含めた合意形成の努力を怠り、選挙で「白紙委任」されたとばかりに数の力で押し切ろうとする安倍政権の政治姿勢や政治手法の是非も厳しく問われて当然だ。

 「安倍一強」の政治状況に歯止めをかけるため民進、共産、社民、生活の野党四党は選挙の勝敗を大きく左右する三十二の「改選一人区」のすべてで候補者を一本化して選挙戦に臨む。

 自民党を利する野党候補乱立を避けるため、「野党は共闘」と求めた市民の声に応えたものだ。

 理念・政策の違いは残るが、歴代内閣が継承してきた憲法解釈を一内閣の判断で変えて安倍内閣がないがしろにしたと指摘される立憲主義の回復と、憲法違反と指摘される安保関連法の廃止は共闘の大義に十分なり得る。選挙戦では中傷合戦に陥ることなく、堂々の政策論争を交わしてほしい。

 公職選挙法が改正され、選挙権年齢が「二十歳以上」から「十八歳以上」に引き下げられた。七十一年ぶりの参政権拡大だ。

◆自ら意思示してこそ

 今回の参院選では二十歳になった人に加え、十八、十九歳の約二百四十万人が有権者に加わる。

 高齢者層に比べて若年層の投票率は低いが、年齢に関係なく同じ重みの一票だ。多少手間がかかっても各党・候補者の公約を比較して、投票所に足を運んでほしい。

 自分の考えに合致する投票先が見当たらなかったら「よりまし」と考える政党や候補者に託すのも一手だろう。棄権や浅慮の「お任せ民主主義」ではなく、自らの意思を示すことだけが、未来に向けた道を開くと信じたい。