雑念雑記

雨月更紗が思いついたことを思いのまま…

自分の故郷

2006-02-10 16:39:02 | 日々の思い
家で過ごすのが好きなので、誰かから誘いがなければ、ついほとんどの時間を家で過ごしてしまいます。今週も気がつくと、月曜から今日までどこにも出かけないで、ずっと家にいました。

でも、今日は天気も良かったし、ずっと行きたいと思っていたあきこさんの個展を観に渋谷へ。今日が最終日でした。

長く外国で生活すると、妙に自分の国に期待を膨らませてしまいます。そして帰国してみると、なんとなく自分が頭の中で想像を膨らませていた「故郷」とは違ったものを目にし、自分の居場所がなくなったような、変な気持ちになったりするのです。

私の場合、日本を発ってポーランドに行ったのは、自分の安住の地を探したい、という気持ちもありました。日本の社会に対して不適合なものをたくさん感じていて、生まれ育ったのは日本だけれど、自分が精神的に落ち着ける場所ってほかにあるのではないか、と思えてならなかったのです。そして、それがポーランドのような気がして。

実際、ポーランドは私にとって、かなり精神的にピッタリくる国でした。でも、そこでも地に足をつけ「ここぞ私の国」と言うことはできませんでした。
その後、帰国し、もう1度日本に住み始めたのですが、何年も自分がふわふわ宙に浮いている気がし、その感覚がとっても奇妙で、私には地に足をつけることのできる国なんて、存在しないのかな、などと考えたりもしました。

そして、今は。
やっぱり地に足はついていません。でも、自分の居場所って、国ではなく、町でもなく、自分の家族がいて、心の落ち着くところ。どの国に住もうが、どの町に住もうが、決して変わることのない、温かさの感じられる、夫と息子がいるところが自分の居場所なのかな、と思っています。

あきこさんの写真を見て、なにか静かで温かい空間を感じることができました。そういうものって、自分の心のなかにあり、どこにいても見つけ出せるものなのかもしれないな、と。

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