ワニと読むミステリ(ヴェルサイユの影)

読むと、歴史の中に入ってしまいそう。

(クリステル・モーラン著)
 フランスのミステリは、ちょっと独特の雰囲気があります。ヨーロッパ的陰影があるというか。
 ヴェルサイユ宮殿内での殺人事件です。しかも連続殺人事件。
 夜間は閉まっていて観光客が入れないはずの庭園で、早朝女性の他殺体が発見されました。夜間の見回りの時にはなかったので、その後にここで殺されたのか、または死体が持ち込まれたのか。
 事件を担当するのは、パリ司法警察のボーモン警視です、当年42歳、背が高く、灰色がかったブルーの目をしたちょっとロマンスグレーになりかけの魅力的な中年男性です。
 事件現場がヴェルサイユ宮殿なので、観光案内が満載です。宮殿、礼拝堂、庭園など捜査とともに歩き回り、その美しさと荘厳さを楽しみましょう。噴水もきれいそうです。
 それとともに、宮殿の歴史も語られるので、それも勉強になります。パリに旅行に行く前にこのミステリを読んでおくと、大変役に立ちそうです。
 ボーモン警視は、事件の捜査中に知り合った宮殿関係者の若い女性と恋をしてしまいますが、このあたりはフランスのミステリらしいですね。
 フランスだからと、グルメを期待したのですが、おいしそうなレストランに行く場面はあっても、特に料理に触れるところはないので、こちらの楽しみはなし。

■パリ警視庁賞
 この本は、2006年度のパリ警視庁賞受賞作品です。
 他には、ジュール・グラッセの
 悪魔のヴァイオリン
 があります。
 こちらは、サン・ルイ島が、事件の舞台です。

主人公: アクセル・ボーモン(ヴェルサイユ司法警察の警視)  
場所:  フランス、パリ
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小


ヴェルサイユの影〔ハヤカワ・ミステリ 1796〕 (ハヤカワ・ミステリ 1796)
クリステル・モーラン
早川書房

パリに行く予定のある方に
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