ワニと読むミステリ(死が招く―ツイスト博士シリーズ)

読むと、何が魅力の源泉なのか、考える必要があるかも。

(ポール・アルテ著)
これも、密室ものです。そして、アラン・ツイスト博士ものでもあります。
このごろのミステリは、陰惨な猟奇的殺人描写が多くて、ぞっとしますが、このような単純な殺人で始まるのは、ほっとします。殺人で、ほっとするという表現はへんかもしれませんが。
さて、殺されるのは、ミステリ作家のハロルドです。
それの第一発見者は、ロンドン警視庁の部長刑事で、ハロルドの次女の婚約者でもあります。
ハロルドから晩餐会に招待され、そこでハロルドの他殺体を発見します。しかも、その殺人現場は、どこも鍵がかかっていて、密室状態です。現に、ドアを破って入ったのですから。
部屋には、晩餐の用意が整っていて、おいしそうな食事は湯気が立ち、ちょうど出来上がって、お客さまを待っている状態です。しかし! 油の煮えたぎった鍋には、ミステリ作家が顔と両手を突っ込んで死んでいます。銃による他殺。
さて、今回の密室は、どのようにして暴かれるのでしょうか? ワニは、こういうの弱くて、ちっとも見破れません。 すぐだまされてしまうのです、見た目に。
この家の長女は、ちょっと精神を病んでるみたいだし、同居している妻の兄は、奇術師だし、なんだかみんな怪しそう。
ハロルドには、双子の弟がいることがわかったり、その弟がオーストラリアからロンドンに帰国していることがわかったり、だんだん複雑な家族になってきます。
はてさて、この遺体は、ハロルドなのか、またはその弟なのか? 
まだDNA鑑定なんぞないころのことですよ。
で、さらに不思議なのは、殺人の発生は、24時間前らしい。
このあたりで、うーんと考えてみたのですが、良くわかりません。
後半連続殺人も起こるのですが、どうも動機がわからなくて。
解明されてみれば、ごく古典的、普遍的なものでした。 
最後のツイスト博士による事件解明で、すっとしますよ。
そんなに長くない(ポケミス180ページくらい)から、あっという間に読めます。

主人公: アラン・ツイスト(犯罪学者)
Male
場所:  イギリス、ロンドン
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小
  

死が招く―ツイスト博士シリーズ

早川書房

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