アメリカのスタンフォード大学で行われた実験。皿に一個シュマロが置かれた部屋に子供を入れ、今食べないで「15分経ったら、もう一個あげる」と言う。この実験を複数の子供に行い、15分待たずに食べた子と、15分待って2個食べた子を長期にわたって追跡調査した。すると、15分待って2個食べた子のほうが、大学に進学した際に成績もよく、その後の人生も幸福になる比率が高かった。
15分待てずにマシュマロを食べ、結局一個しか食べられなかった子は、大学に進学しても途中退学することが多く、その後の人生も離婚率が高かったという。
子供も犬もしつけの「待て」は、たとえ15分とはいえ「永遠」に感じるのではないだろうか。ヨーロッパでは「子供と犬はドイツ人に育てさせよ」ということわざがあるようで、子供と犬は「最初が肝心」らしい。
「鉄は熱いうちに打て」ということわざもあるが、「知ってる」だけではだめで、「実践」しなければ意味がない。
テレビの『しくじり先生』を見ていると、人間の「負の性(さが)」を見ているようで感慨深い。
スタンフォード大学の実験は、子供の時の「15分間待つ」という、ちょっとした「我慢」さえもできなければ、その後の人生で「マシュマロ一個」以上の差が付く、という教訓なのだろう。
考えてみれば「我慢と努力」は無料(ただ)なのだ。「ただより安いものはない」という一方「ただより高いものはない」ということわざもある。
下世話なことわざに翻弄されることなく「マシュマロの話」を心にとどめたいものだ。