女の子になる方法、教えます!

性同一性障害になやむ若いMTF当事者に向けてのメッセージです

ロールモデルは身近にいる

2013-05-19 21:20:08 | ロールモデル
 以前書いたことを忘れるくらい、このブログから離れていたのでもしかしたらくり返しの内容になるかもしれませんが、私は、これから性別移行していく方には、先輩当事者の素敵な方を目標にすることと同じかそれ以上に、純女さんで素敵な方をモデルにすることが有効だと感じています。
 今回は、同僚を2名紹介します。実生活に関わることであり勿論相手にはGIDであることもここで書くことも伏せていますから若干事実を改変していますが、主旨は変わっていません。

 アスリートですから
 昨年度1年間の契約で職場に期間雇用で配属された若い子。本業は音楽関係でそれだけでは食べていけないということで、昨年度うちの職場で採用され働いていました。業務内容は音楽とはまったく無関係の雑用のような(けれどもうちの職場には絶対必要な業務)力仕事でしたが、1年間ただその雑用をそつなくこなすだけでなく、音楽性を生かして本来業務とは違う仕事を無給で手伝ってくれたり、本人は意識してないだろうけど彼女の関わりで職場の人間関係を円滑にしてくれたりと明るく職場でなくてはならない存在になっていました。
 彼女とは仕事以上の接点はなかったのですが、送別会でたまたま隣に座っていろいろ話をしている中で、彼女の明るさの元をいっぱい発見、元気をもらうことができました。
 ・夢を持っている
 一見なんの関係もないこの1年間の仕事の経験と音楽を融合して将来やっていきたいと話していました。
 ・味方を増やしていく
送別会の一次会は彼女のつながりのあるお店を紹介してもらってそこでやりました。彼女の紹介ということで、特別メニューが二品、会費に比べて大丈夫?というような豪華さでした。彼女の本職のブログを見るとそういうつながりがたくさん。
 ・「アスリートですから」
いろんな話の中でここ数年間テレビを見ていないということを吐露。家でいるときのほとんどの時間は楽器に触れていて練習を続けているとのこと。「ほとんどスポーツ選手みたいなもんですから」と言っていました。わたしは、週末になるとぐったりして頭が壊れてしまいそうになります。到底彼女のようにはなれません。

 大学院に行くようなものかな
 この子も年下。私と同じ年に今の職場に転勤してきて、ちょうどその時が二人目の子の産休明けでした。今の職場は人数が多いので一緒に仕事をする機会は少なかったのですが、転勤2年目に、私がある仕事で上司の仕事のまずさの愚痴をこぼした時から彼女のことを密かに神様と呼んでいました。
 転勤して2年目、彼女を含め数人である仕事にかかわったのですが、その際いくつかの大きなトラブルが生じてしまいました。私は以前の職場で何度か同じような仕事を経験していて、当時のまとめ役の方の仕事の進め方のまずさを事前に見て分かっていたので、トラブルを予想していました。「やっぱり失敗した」とその彼女に愚痴ったところ、
「じゃあ、どうしたらよかったんだろう」
と真顔で聞かれました。私は事前にそのまとめ役の方に進言してもダメだったし、その上の上司にその仕事がはじまるかなり前から「あのやり方ならぜったいうまくいかないから○○にしたほうがいい」と伝えていてけれども私の案は採用されなかったので、むしろ「ほら見たことか」と予測のとおりになったことが誇らしかったのですが、彼女の言葉は私の幼児性を見抜かれたようで恥ずかしくなりました。
 転勤してきて4年目、職場内の配置転換でお互い同じ部署につくことになりました。私は転勤前の業務に近い仕事になり、以前の経験を生かして仕事を進めていました。彼女はこの部署はずっと希望していましたが初めて。はじめのころは周りの同僚からいろいろ言われながら、仕事人間の旦那さんのため家事育児はほとんど彼女がこなしながら、勤務時間にほとんど無駄口をたたくことなく仕事にはげみ、持ち帰って朝4時子どもたちが起きる前に残った仕事をやるという毎日をすごしていました。秋に何人かの仕事の成果を発表する場があったのですが、彼女は選ばれ発表。とても経験して6ヶ月とは思えないような成果をあげました。はっきり言って年齢関係なくうちの職場で一番(本当の意味での)仕事ができる人です。
 5年目となる昨年秋、3人目ができたということで産休、育休に入りました。もうすでに2人子どもがいたし、今一番仕事上の力が伸びる時期だし、なにより誰もが認めるうちの職場のエースといってもいい存在だったので、私は絶句してしまいました。
 他の同僚達は素直に彼女を祝福していたのですが私一人釈然としなくて、失礼にも聞いてしまいました。
「望んでたの?だって今休むのもったいないでしょ!?」
「けれど、(子育てするのは)大学院に行って勉強してくるような感じだから」
後で、実は家庭の他の事情でちょうど今の数年間家庭に入ると都合がよかったことを伝え聞きました。彼女はベストのタイミングで産休、育休に入ったのです。

 自分の本業とまったく無関係の仕事をやりきって本業に生かす人
 職場で自分の長年の夢を実現している最中に家族を優先させて幸せそうに一度家庭に入る人

 そんな無名の女王が現実世界にはたくさんいます。
 私たち勝ち組GIDは、たかが性同一性障害を乗り越えたといってもそんな彼女たちと比べどれだけ自分を磨けているのでしょうか。

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