奈良の片隅で

日々のニュースや日頃感じたことをテーマに書きつづってます。
ぜひご一読ください。

世論の勝利…金融庁のサラ金寄りの高金利温存案撤回

2006年10月27日 | 政治のこと
 体調を崩しておよそ3週間ぶりの投稿となりました。 

私は、9月8日「最高裁判例は何だったのか…金融庁のサラ金規制案」と題して、最高裁判例を生かしたサラ金金利の規制をと投稿しました。
 
 サラ金被害者の会や日弁連などの多くの団体は、グレイゾーンを認める法案の提出に反対する運動を全国的に展開するなか、ついに自民・公明両党は10月24日、出資法の上限金利と利息制限法の上限金利に挟まれた「灰色金利(グレイゾーン)」の撤廃後も高金利を維持する目的で認める予定だった、年25.5%の特例高金利の導入を撤回する事に同意しました。

 両党の同意は、貸付額に応じた利息制限法の金利区分は現行どおりとし、借り受けた人が自殺によって「保険金」が支払われる保険契約の禁止も同時に合意したと報道されています。
 これを受けて政府は、今開かれている臨時国会に改正法案を提出することになりました。

 やっと最高裁判例が生かされました。ここまででくるのに二転三転しました。
 4月に金融庁の「貸金業制度等に関する懇談会」でとりまとめられた「グレイゾーン廃止」が、自民党金融調査会の9月の取りまとめでは、出資法の上限金利引き下げ後、経過措置として少額・短期融資限定の特例金利(年25・5%)の設定が盛り込まれていました。

 これにはマスコミも驚きました。サラ金業者の政治家への資金攻勢やサラ金借り受け者による保険加入者の自殺報道など、多重債務に陥った人々の苦しみを報道しました。

 過剰融資対策や取り立て規制・罰則、行政処分の強化は、貸金業も金融業である以上、当たり前のことだ。出資法と利息制限法の上限金利の差である灰色金利で利益を上げるビジネスは筋が通っていないからだ。遅過ぎたが、しっかりやるべきだ。と毎日新聞は書きます。

 ただ、これで、特例金利の設定が完全に消えたと即断はできません。
それは、改正法施行の2年半後に見直しが行なうことになっているからです。
 また、臨時国会で改正法が成立しても、上限金利の引き下げは約3年後です。それまでは、29・2%の金利が生き続けることになり、問題は残ります。




 
 
 

安倍さん 歴史に対する謙虚さとはどういう事?

2006年10月08日 | 政治のこと
 衆議院の予算委員会が開かれています。
 首相の歴史観を問う、共産党の志位さんに対する安倍氏は、要領のえない答弁を繰り返しています。

 ① 安倍氏は、歴史観を語らないのが謙虚だと言っているが、首相になるまでは「侵略的行為」も「植民地支配」も認めない特殊な歴史観をもって「謙虚」でない行動をしてきたではないかと、安倍氏の過去の行動を例に迫りました。

 ② また、首相自身が”村山談話”の中で言われている」国策の誤り」という認識を持っているのかと質し、「国策の誤り」の中身を一つ一つ示して、それぞれの決定が示している戦争目的を認めるのかと質問しました。

 ③ 従軍慰安婦問題では「河野官房長官談話」を受け継いでいると言っているが、首相が過去に「河野談話」の修正を求めていた事実について質問し、「河野談話」を受け継ぐのなら、過去の行動を反省すべきと追求しました。

 おそらく賢明な皆さんは安倍氏の答弁は推測できるでしょう。
 そのとおり、安倍氏は①については「今急にずいぶん昔の文書を出されても答えようがない」と逃げの一手。
 ②についても「歴史の出来事ひとつひとつ分析することは政治家のすることではない。歴史家が分析していくこと」といつもの答弁。
 ③は「慰安婦の方々にお詫びと反省をしている。私の内閣でも継承している」と自分の意見はいっさい言わない。

 こういうふうに、安倍氏は自分の歴史観については全く口を閉ざし、過去自分がとってきた行動についても説明できませんでした。

 安倍氏が「村山談話」や「河野談話」を認めるというのであれば、これまで正反対の行動をとってきた事への反省がなければ「認める」事にならない。と志位さんが言っている事は、正論です。

 安倍氏の歴史認識の答弁は、面従腹背を絵に描いたようで、口では認めると言いながら腹では何くそと握り拳を作っているに違いない。
 きっと最後にはアラが出てくる予感がします。 それも近いうちに。


                  参考資料 しんぶん赤旗10月7日号より

 





 

東京北区役所に抗議を!…中学生たちに拍手を!

2006年10月07日 | 社会のこと
 
 kokemomoさんのブログ「おおきな原野のちいさな家」の10月6日の「子どもたちに説明を」をご覧ください。
 
 そこには、学校の統廃合に関して、統廃合対象校の中学生たちが、北区パブリック・コメント(区民意見公募手続)に、昨年10月末「自分たちのことだから自分たちにも説明を」と270名の署名を提出したが、長期間放置されていた。

 そこで再度、今年6月に200名の署名を集めて区に提出。ところが区は「中学生に対する説明はない」と一蹴。 この怒りと中学生の行動の支援をと呼びかけています。

 東京北区の「北区パブリック・コメント」は、区民に対する区の説明責任を果たすとともに、区民の区政への参画を促進し、もって区民との相互信頼に基づく区政の推進に寄与することを目的とし、意見等を提出できる方は、区内に住所を有する方、区内に存する学校に在学する方と明記しています。

 区の対応は納得できません。子どもたちが自分たちの行動で示した意思表示を長期間放置し、あげ句の果てには不備で突き返すという行為。
 そして再度の要請に、中学生はダメという態度。

 kokemomoさんは訴えます。
またこうした統廃合の影には、もの言う教職員を追い出し、都合のいい人員配置を行うことによって『美しい国』をめざすための学校作りもあるようです。そのどこにも『子どもたちのため』という目的は見えてきません。
 財政難だけが優先され最もたいせつなものが壊されていきます。それは私たちの暮らしであり、人間性です。
 いつまでそれに騙され、耐えているつもりなのでしょうか。と

 皆さん 東京北区役所に怒りの声をお送りください。
    なぜ中学生に説明しないのか、中学生は区民ではないのかと

 抗議先
 東京都北区教育委員会事務局 教育改革担当課長 都築 寿満
     電話03-3908-1111 FAX 03-3905-3422
  「区政へのご意見」メールです。
 

 

 


 

 

安倍流答弁 お先真っ暗…参院本会議で

2006年10月06日 | 政治のこと
 参議院本会議で代表質問が始まっています。
 10月4日、社民党と共産党の質問にたいして安倍氏の答弁です。
 
 社民党福嶋党首の「戦後レジュームからの脱却」は何を意味するのかという問いに答えて
 我が国は、半世紀以上にわたって、自由と民主主義、そして基本的人権を守り、また経済的な繁栄も成し遂げてまいりました。私たちは、こうした我が国の今日までの歩みを誇るべきであると考えています。
 しかしながら、この国の基本を形作る憲法や教育基本法などは、日本が占領されていた時代に制定されたまま半世紀以上を経て現在に至っています。私が戦後体制からの脱却という言葉で申し上げたかったことは、当時決まったものは変えられない、変えてはいけないという先入観のある時代はもう終わったということであります。

 と、憲法や教育基本法を守る世論を「先入観」と見なすと言っています。

 また国務大臣の憲法擁護義務については、
 偏狭で不寛容な主義主張によることなく、憲法が定めるところの自由、民主主義、基本的人権等の諸価値を擁護することは正に私の政治信念とするところであります。いやしくもこれまで憲法尊重擁護義務に反したことはない。
 と、臆面もなく憲法擁護義務に反したことはないと強調しました。
 それなら、現憲法を守って、自衛隊のイラク派遣や都教育委員会が、教員や生徒たちにおしつけている「日の丸」「君が代」は即刻中止すると表明すべきです。

 過去の戦争における戦争指導責任者の認識については
 さきの大戦に対する責任の主体については、従来より、政府として述べているとおり、様々な議論があることもあり、政府として具体的に断定することは適当でないと考えています。
 と、逃げの一手。


 共産党の市田書記局長の「いったいどれだけ搾り取れば気が済むのか」という
庶民増税と社会保険料の引き上げに対する質問には、
 私がめざす美しい国は、国民が老後や暮らしの心配がなく、豊かな暮らしを送ることができる、安心の社会である。
 と、未来は明るいから辛抱をと言っています。
 いま問題となっているワーキングプアや医療費の改悪や障害者自立支援法によって、やむなく病院や施設から退去したり、少ない年金で生活ができずに、もがき苦しんでいる高齢者や将来に希望がもてない若者があふれているのに、何の対策もせず放置しているこの国が、どうして「美しい国」といえるのでしょう不思議ですよね。

     
 






偽装請負で初の処分…大阪労働局

2006年10月05日 | 政治のこと
 大阪労働局は3日、製造請負大手の「コラボレート」(大阪市北区)に対し、労働者派遣法に基づく事業停止命令と事業改善命令を出しました。
 実態は労働者派遣なのに、大手メーカーなどとの請負契約を装って、労働者を都合よく働かせる「偽装請負」を繰り返していたためです。

 製品を製造する請負契約では、請負会社が製品を完成させ、メーカーに引き渡すのが本来の姿です。
 しかし、多くのメーカーでは、受け入れた請負労働者に直接指示したり、メーカー側の社員と一緒に働かせたりしてきました。こうした労働実態では請負とはいえず、労働者派遣となり法令に違反します。
 こういう請負労働を「偽装請負」といい、多くの労働者が告発してきました。

 今回処分を受けたコラボレートは大手派遣会社「クリスタル」グループの中核企業で、従業員35千人をかかえ、売上高は350億円といわれています。

 大手メーカーで蔓延化する偽装請負は労働者のたたかいと国会での追及によって明るみに出て、多くの人が知るようになりました。
 今回の処分は派遣会社に対するもので、派遣先のメーカーには何の処分もありません。 メーカーは派遣会社と一緒に「偽装請負」をしているにもかかわらずに、メーカーを不問にすることは納得できません。厳しい処分をすべきです。

 こうした偽装請負で働かされる労働者の多くは青年です。
 正規社員の半分にも満たない安い賃金で、いつ解雇されるかわからない状態で、働いているのです。
 こういう状況を政府はなぜ是正しないのでしょう。
 いつでも泣かされるのは、若年労働者と高齢者だけです。




安倍氏が成立をめざす共謀罪って何?

2006年10月04日 | 政治のこと
 安倍総理は所信表明で共謀罪新設法案を今国会で成立をめざすと言っています。
 共謀罪法案は3年前に国会に提案されましたが、マスコミなどの強い反対で廃案や継続審議になってきた経緯があります。

 政府が過去言ってきたことは「国連越境組織犯罪防止条約」(マフィア対策として国連で条例化された)締結に伴う国内法整備のためとしてきましたが、その中身を見ると国民を監視する強権が見え見えです。

 共謀罪の6条の第2項は次のように書いています。
 死刑または無期もしくは長期4年以上の懲役もしくは禁錮の刑が定められている「罪に当たる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行なわれるものの遂行を共謀した者」を処罰する。と。

 要するに6条2項は「4年以上の懲役に相当する、犯罪をまだ実行していなくても、みんなで相談したり合意したりしただけで処罰する」といっています。
 刑法では、殺人・強盗などの重大犯罪に限って、準備段階である予備行為を例外的に処罰する規定がありますが、予備行為よりもまだ前の段階である共謀を処罰するというのが、この「共謀罪」です。

 この「共謀罪成立の対象」となる4年以上の刑が科せられる罪名は、619種類もあり、殺人罪から傷害罪、地方税法、消費税法、相続税法、道交法、水道法まで実に広範囲で、市民生活のすみずみにまでかかわる法律が対象になっています。「資料:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会による」
 
 
 共謀罪の対象は、話し合うことの内容です。その内容が刑期4年以上に当たれば処罰されます。
 問題は、犯罪が行われないのにどうして共謀を立証するのか、ということです。
 実際に犯罪がおこなわれていない以上、何らかの方法で、団体やサークルの会議の内容や会話を密かに手に入れる以外ありません。恐らく人の話しを盗聴することが基本的な手段になるでしょう。
「壁に耳あり、障子に目あり」という言葉がありますが、警察官の耳と眼が市民生活の隅々までいきとどく、監視社会が共謀罪と一体のものとなって進行することになるのです。
 既に盗聴法が市民やマスコミの反対を押し切って制定されています。

 このように、国際的な組織犯罪集団の取締りといいながら「共謀罪」は、これとは全く関係のない労働組合や市民団体などの広範な集団を取締りの対象にできるものとなっています。

   話し合うことを犯罪にする共謀罪が制定されたならば、
     人は自由に考え、
       議論することにブレーキをかけなければならなくなります。
   それは、自由と人権と民主主義の死への道です。


 

何が問題?…安倍氏が進める道州制

2006年10月03日 | 政治のこと
 安倍総理は9月29日の所信表明で「道州制ビジョンの策定」をと、道州制を導入することを示唆しました。

 道州制は、現在ある47都道府県を廃止して、全国を10程度の「道・州」に再編するというものです。

 財界はこぞってこの道州制の導入を歓迎しています。
 日本経団連が2003年に発表した「奥田ビジョン」は国の権限は外交や軍事などの最小限にすべき、教育や医療などの内政は州政府と自治体に任せるべきと主張しています。

 この狙いは言わずもがなです。
 地方の制度を都道府県から道や州に広げて、大型プロジェクト事業や大型公共事業など、財界の経済活動を進めやすくするねらいがあります。

 およそ3年前から取り組まれた平成の大合併で、市町村は3,232から1,889に減りました。これをさらに300程度にして、道州制への移行を求めています。

 道州制は単に都道府県を廃止して道や州にするというだけに止まらずに、道州制をテコとして、国家の役割を外交や軍事、金融などにしぼり、財界やアメリカの要望に応えられるようにし、自治体を広域化して300程度に減らし、住民を自治体からさらに遠ざけようとするものです。

 安倍氏は、いまの臨時国会でこの「道州制特区推進法案」を成立させようとしています。
 危険な安倍氏の財界奉仕の素顔がここにも現れてきました。

 
 

 

 

足立区役所の窓口業務を民間に開放…個人情報は大丈夫か

2006年10月02日 | 社会のこと
 東京の足立区役所で、住民票などの交付を民間の人材派遣会社に委託する条例を施行することになりました。
 全国初の試みで、これは、行政サービスへの民間参入を決めた「市場化テスト」を受け入れたものです。

 国が定めた委託の範囲は「窓口での受け渡し」となっていますが、足立区役所では、国の委託範囲の制限を超えて、「端末機による個人データの入・出力の取り扱い業務」も含めた委託を行います。

 住民基本台帳には、400項目に及ぶ内容が記載されています。
 例えば、住民や戸籍関係の情報はもちろんのこと、個人の写真、税や保険の情報、運転免許や旅券番号、健康診断結果(例えば性病の有無)など。
 個人のプライバシーにわたる情報ばかりです。

 公務員の取り扱いでも問題が生じているのに、これを民間に丸投げすることにより、請け負った派遣業者と社員は、重大な個人情報を知り得ることになります。
 各地で起きている住基ネットによる個人情報の流失とネットワークのもろさが問題になっているときに、このような民間丸投げを放置できません。

 この問題はそれだけではなくて、市場化テスト法からの逸脱です。
 政府として、個人情報の流失に問題があるから、民間委託の範囲を「窓口での受付と引き渡し」のみと定めたもので、端末機の操作は含んでいません。

 公務員の削減と企業のもうけ口を増やす公共サービスの「市場化テスト」自体、多くの問題点を含んでいるのに、その範囲を超えてまで委託する足立区役所の決定には強い憤りを感じます。

 

 

 

 

「志のある国民を育てる」とは何ぞや…所信表明演説

2006年10月01日 | 政治のこと
 安倍総理の所信表明演説は、独善的な姿がはっきりと現れています。
 その一つは、「美しい国 日本」を実現するために、不可欠と力を込めたのが「教育再生」です。
 教育の目的は志ある国民を育て、品格ある国家、社会をつくることにあり、そのために「教育基本法」の早期成立を期すと言いました。

 現在施行されている「教育基本法」のどこに不備があるのか、どの条文が現実の教育と隔たりがあるのかは何も言わないで、ただ改正すると言うだけ。
 
 現行の「教育基本法」は、教育の目的を第1条で、「人格の形成」と定めています。 所信表明で安倍氏は、教育の目的は”国家のための人づくり”にあると、はっきりと言い切り、その実現のために教育基本法を変えて、教育の場にいつでも政府が介入できる土壌をつくり出そうとしています。


 愛知県の知立市議会で9月29日「教育基本法の改正ではなく、その理念を求める意見書」が採択されました。
 意見書は、いまだに実現されていない教育基本法の理念の実現に向けて最大限努力するように政府に求めています。

 教育基本法の理念は「個人の尊厳を重んじ、心理と平和を希求する人間の育成を期し、個性豊かな文化の創造をめざす教育を」(前文)とうたっています。
 いまだに30人学級の実現にも背を向け、学費を引き上げ、毎年教育予算を削ってきた問題には、少しも触れずに何が改革かと言わずにはおれません。

 教育基本法の改悪反対の取り組みは各地で広がっています。
 昨日9月30日には、宮城の仙台市で3800人が、佐賀の佐賀市で1700人が、教育基本法改悪反対の集会をもちました。

 全日本教職員組合などは「教育基本法の改悪を許さない」と国会前行動をおこない、国会議員に要請を行っています。

 このように国会で地方で、次々と抗議行動が取り組まれています。
 ぜひ近くで、抗議行動が行われるときは参加してください。

 10月14日には、東京明治公園で「教育基本法改悪反対in東京」の集会が行われます。 お近くの方はぜひ参加してください。

 

 

誰のための再チャレンジ…安倍流 起業家育成

2006年09月30日 | ちょっと一言
 安倍総理は新たに、再チャレンジ担当省を設けました。
 「再チャレンジ」とはいったいなんでしょう。

 小泉構造改革によって、日本社会は「格差社会」「勝ち組・負け組」「縦並び社会」そして新たに「ワーキングプア」という新語まで創り出した「働く貧困層」が社会問題化しようとしています。

 今年の「経済白書」はこのように指摘しています。
   ”景気が回復しているにもかかわらず、正社員は減る一方。
   非正規雇用者は増加の一途をたどっている”
と。

 企業に占める正規雇用者は、3人に2人となりました。
 言い換えれば3人に1人が、パートや契約社員などの非正規雇用者です。

 1日8時間フルに働いても手取り15万円程度で、これで普通の生活ができるはずもありません。
 この原因をつくったのが、企業の人件費削減策。
      これの後押しをしたのが、政府による雇用の規制緩和です。
1985年の「労働者派遣法」の成立と、この法案を毎年のように改悪してついには、製造業まで派遣労働でまかないようにしたのです。
 
 今派遣できない業務は、(詳しくは労働者派遣法で)
    港湾運送業務(港湾荷役の現場作業に係るもの)
    建設業務(建設の現場作業に係るもの)
    警備業務(警備業法上の警備業務)
    病院・診療所における医療関係の業務
    弁護士、司法書士、公認会計士
です。
 一部の医療関係も含めて、ほとんどの産業で派遣労働が可能になっています。
そのつぎに、企業に対して思いやりをしたのが「産業再生法」です。
 この法律によって企業は、次から次と労働者を切り捨てていったのです。

 このように企業にはこれでもかというような恩恵を与え、勤労者には職場を失わせる政策をしながら、「再チャレンジ」で、何をしようというのでしょうか。

 安倍総理は、「再チャレンジ」を重要課題と位置づけて、総合的な「再チャレンジ支援策」を行うと言っています。
 ですがその中身は「起業家」の促進だけ。
 フリーターを無くして、雇用促進をと言っていますが、その中身については不明です。  わかっていることは、安倍氏自身が言っているように”弱者の保護のための再チャレンジ”ではないことです。 

 雇用促進を言うのなら、その原因をつくった、「労働者派遣法」や「産業再生法」にメスを入れて改めるとともに、若者を使い捨てにするような働かせ方を許さない、企業倫理を確立しなければなりません。

 どうする?  安倍さん。