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vol.248:ボナンザVS勝負脳

2007年11月01日 | eラーニングに関係ないかもしれない1冊
ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21 C 136)
保木 邦仁,渡辺 明
角川書店


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このコーナーは「eラーニングに関係ないかもしれない1冊」というタイトルとおり書評コーナーのはずなのですが、ここのところ私(ナカダ)が紹介しているのは「お気に入りのCD」や「AMのラジオ番組」など、「eラーニングに関係ないかもしれない」どころか、もはや「書籍」ですらなく、ちょっと好き勝手しすぎたのではないかと(やや)反省しております。ということで今回は本コーナーの原点に立ち返り「eラーニングに関係ある(かもしれない)1冊」をご紹介いたします。

2007年3月21日、コンピュータ将棋ソフトの「ボナンザ」が、現役最強のプロ棋士である渡辺明竜王と一発勝負の公開対局を行いました。勝負の結果は、大方の予想通り渡辺竜王が112手で貫禄勝ちを収めたものの、中盤過ぎまで「ボナンザ」が予想以上の健闘を見せたことで、近い将来人間が敗れる日も来るのでは?と思わせもしました。この本は渡辺竜王と「ボナンザ」の制作者である保木邦仁氏が勝負を振り返りながら、「判断力」や「知性」について論じた大変刺激的な内容です。

この本で私が最も印象に残ったのは、渡辺竜王がボナンザ相手に「予想外」に苦戦してしまったことをかなり悔やんでいることです。つまりただ勝つだけではなく、ボナンザを圧倒して完璧に勝ちたかったし、また勝てるはずだったと。そこにはプロ棋士の最高峰のタイトルである「竜王」を3年に渡って保持しているチャンピオンの強烈なプライドが見えます。本書を読むと、この強烈なプライドこそが渡辺竜王を予想外の苦戦に追い込んでしまい、また中盤以降の逆転勝ちを生んだ要因であると思われます。

私たち人間は、少しずつ「成功体験」を重ねることで「自信」を深め、それが一定程度に達すれば「プライド」を抱くようになります。もちろん「成功体験」の裏にはそれ以上の「失敗」があるものですが、そうした失敗も含めた経験の場を創出することが教育の一つの役割であると言えます。現在のコンピュータは経験から学習することは出来ても、それを「自信」や「プライド」に転化することはまだ難しいようです。eラーニングにおいても、強烈なプライドをもったコンピュータが「このやり方で間違いない」とか「やはり俺は間違っていなかった」とか言い始めたら面白い(?)のですが、それはどうやらまだ少し先の話ですね。

このメルマガが配信される今日(11月1日)は、2007年度の竜王戦の第2局が行われます。10月16日、17日に行われた第1局で、渡辺竜王は挑戦者の佐藤康光二冠に競り勝ち、まずは1勝を挙げました。しかし対戦相手の佐藤康光二冠も数々のタイトルを獲得してきた最強の挑戦者です。さてさて勝負の行方はどうなることやら。これもまだコンピュータでは予想できない領域でしょうね。
(文責:ナカダ)
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キーワード
コンピュータ将棋 ラジオ番組 将棋ソフト
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