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vol.488:戦略の原点

2013年09月22日 | eラーニングに関係ないかもしれない1冊


『戦略の原点』清水勝彦著(日経BP社、2007年)

一言で言ってグレイトな本です。

特に私1.0のように頭のめぐりの悪い人間には福音書とでも言うべき素晴らしい本です。
では、どこが素晴らしいのでしょうか。一つには、戦略について「幹」になる分に
フォーカスして説明しているため、論理展開が単純で分かりやすいのです。
もう一つは、何でもきちんと言い切ってくれるところです。

「戦略とは何か」
「3Cを踏まえるのはなぜか」
「ファイブフォース分析は何のためにやるのか」
「バリューチェーンで何が分かるか」

などにはじまり、今日的なM&A、国際化、意思決定といったトピックまで、
切れ味良く説明してくれます。それぞれのキーワードをきちんと定義している
書籍は多々あります。しかし、それぞれの関連までを一つのストーリーとして
理解させてくれる本は、私が不勉強なだけかもしれませんが、見たことがあり
ません。

世にある戦略の本のほとんどは、難しいのです。いや、言葉として平易でも、
抽象度が高すぎたり、「ふにゃふにゃした」表現や、「かっちょいい」外来
語に惑わされたりして、私レベルの頭には入ってこないのです。しかし、本
書は違っています。

著者は執筆当時、テキサス大学サンアントニオ校というところで、学部の4
年生に対して経営学を教えていたそうです。また、自身はネーティブでもな
いため多少英語にハンディもあったとのこと。そのような背景から、おのず
と本当に言いたいことだけを伝えるスタイルが身に付いたそうです。なるほ
ど、分かりやすいわけです。

しかし、単に平易な言葉と分かりやすい論理展開で伝えているだけではなく、
著者が非常に深く理解した上で語っていることも読み取れます。また、学ん
だことのない人にとって必要最低限の前提条件を提示することにもたけてい
るのでしょうか、とにかく引っかかりのない読み物にもなっています。章末
についているミニケースとその解説も、スターバックス、サウスウエスト航
空、ホンダなど、メジャーな企業の事例が多いですが、読者に対して深く考
えさせるものとなっています。

著者は学究の徒であるだけではなく、戦略コンサルタントとしての実務経験
もあることが影響しているのでしょうか。非常にバランスが良く、納得性も
高い解説になっています。著者本人が言うように、「幹」にフォーカスして
いる分だけ、枝葉が少なく、戦略をしっかりと勉強されている方にとっては、
あるいは物足りないかもしれません。しかし、そのような方でも戦略を「再
発見」できることもあるかもしれません。

私はこの本を読んで、あらためてポーター教授の偉大さに気づかされました。
「戦略の本読んだことあるけど、役に立たなかったよ」と思っている方にこ
そ、是非読んでいただきたい一冊だと思います。
<文責:マツモト1.0>
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