大垣山岳協会

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廃村後46年の集い

2016-11-14 | 山中雑記

廃村後46年の集い

 

今年6月号の本欄にクラソ明神(1023m)下山後に訪れた白岩・熊野神社(山県市神崎)のことを書いた。46年も前に全戸離村した白岩集落だが、今も春秋の例祭には多くの氏子が参列すると聞いた。10月10日の秋の例祭に僭越ながら、参列させてもらった。

                       

 

 白岩谷沿いの道路から20mほど上がった広場に拝殿(写真)がある。その板敷きに14人が座り、神主さんを迎え石段の上の社殿に向けて静かに拝礼した。参加の皆さんは何を神様に祈願したのだろうか。

 

 廃村の時の戸数は16戸。この日参列したのは10戸だ。多くは60、70歳代の人。彼らの父母の代には参列者は40人くらいだった。だが、集落との繋がりが強い父母の多くがなくなると、次第に参列者は減少。それでも、長屋弘之さん(62:岐阜市在住)は「同時に全戸離村した近くの万所などでは例祭が維持できない状態。それに比べると、うまく継続できていると思う。古里の維持を願う気持ちからだろう」という。

 

 参加者たちは口々に、子供の頃の通学に苦闘した想い出を語った。小学5年から中学まで、約8㎞南の神崎中心部の学校まで登校した。冬、時に一晩で2mも雪が積もった。深い雪を踏みながらの強烈な体験は、今59歳以下の人達は持たない。集落がなくなったからだ。弘之さんは当時の暮らしを知らない自分たちの子供世代に祭礼の存続や古里意識の維持を引き継げるのか悲観的だ。低山登山は麓の人びとの暮らしや風俗と一体化して魅力を生んでいる。長屋さんらの愛郷精神の引き継ぎがうまく行くことを願う。(鈴木正昭)

 

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