時戻素

昔の跡,やがてなくなる予定のもの,変化していくもの,自身の旅の跡など・・・

(167) 薩摩の大川

2009年08月20日 03時31分05秒 | 現在の中の過去
 薩摩大川駅。

(2009年4月5日撮影)

 大川という地名だけではどこにあるかなかなか分からない。
 鹿児島県内には大川駅がもう一つある。

(2006年5月21日撮影)

 指宿枕崎線の頴娃大川駅(関連記事)だ。切り通しの中という少し寂しい場所に駅がある。すぐ近くに海があるとは考えがたい。この駅ができたときに既に薩摩大川駅があったため,頴娃大川という名前になったのだろう。慣例からは外れているのだろうが,こっちの方が場所はずいぶん分かりやすい。
 薩摩大川駅はそこからかなり北にいった阿久根市の南の方にある。市長のおかげで全国ニュースにもデビューしたあの市だ。もともと鹿児島本線の駅だったが,新幹線の開通により肥薩おれんじ鉄道の駅となっている。

 駅舎の入り口に行くと…

(2009年4月5日撮影)

 ホームは段の上にあり,駅舎と反対側のホームへは線路の下の通路を通っていく仕組みになっている。写真では見にくいが,通路の奥に見える「出水熊本方面のりば」と書かれた看板がさびの具合からかなり古そうだ。JR時代のものの使いまわしだろう。
 駅舎側の1番のりばへ向かう階段の上から駅舎を見てみる。

(2009年4月5日撮影)

 変わった造りの建物だ。
 駅舎の2階は…

(2009年4月5日撮影)

 待合室となっているが,駅舎内からはつながっていない。待合室の下の部分は客は立ち入ることはできない。待合室の脇のドアで中はつながっていそうだ。

 奥の2番のりばの階段をのぼってみる。

(2009年4月5日撮影)

 片側の階段は封鎖されていた。

 ホーム。

(2009年4月5日撮影)

 下が複雑な割には広々と感じる。
 電線が通っていて,24時間通電しているらしいが,おれんじ鉄道の列車は気動車だ。これはJRの貨物用で,1日5~6本程度だったと聞いた気がする。維持費がかさむのかもしれないが,せっかくの設備が勿体ない気がする。
 ホームもこれだけ長いが,停まる列車は1両がほとんど。長くて3両のようだ。
 一番栄えていた頃はこのホームを全て使うぐらいの列車が停まったのだろうか?
 
 駅の川内方向は…

(2009年4月5日撮影)

 すぐにトンネルとなっている。
 このトンネル,反対側は…

(2009年4月5日撮影)

 線路は1本しかない。トンネル内に分岐があるようだ。
 2番のりばから駅の外を見てみる。

(2009年4月5日撮影)

 駅は内陸部寄りの斜面に近い部分にあるが,海が近い。海のほうへ行くと漁師町の印象を受ける場所もある。
 写真中央の比較的新しそうな建物は郵便局で,奥に見える橋が国道3号線だ。この橋ができる前の旧道が郵便局の前の道で大川の集落を経由していたようだ。
 郵便局の辺りから駅を見てみる。

(2009年4月5日撮影)

 2番のりばの裏は川で,駅には近寄れない。そのためか駅の入口は国道とは反対側の斜面側に作られている。
 国道(川内側)から駅へ行くには…

(2009年4月5日撮影)

 一度,線路の下をくぐる必要がある。

 駅から見えた国道3号が通っている橋の川内側に道の駅阿久根がある。駅からも歩いて5~10分程度で行ける。

(2009年4月5日撮影)

 阿久根の特産物を買ったり,レストランで食べたりできる。阿久根の特産品用に「ブログ市長シール」が作成されたらしいが,どのぐらいの効果をもたらすのか楽しみだ。シールの市長は作業着姿らしい。どこかで見たことのあるスタイルだ。そこまで真似しなくても…

 道の駅から見た東シナ海。

(2009年4月5日撮影)

 ここから阿久根市街側は岩の上に鳥居の見える牛ノ浜,川内側は人形石の西方海岸と景色がいい。
 

 おれんじ鉄道のホームページの駅紹介には「海が見え隠れする間にある駅。もっと海の方へ、「道の駅あくね」と一体になった駅になりたい。」と書かれている。両者の行き来は道の駅いぶすき(最寄り駅:生見駅,薩摩今和泉も大体同じぐらい)と比べれば便利な方だ。ただ,鉄道アクセス可能というのは,道の駅ということもってあまり知られていない気がする。車で道の駅阿久根に行く人も,国道に沿って薩摩大川駅という案内もないので,国道から離れている駅の存在には気付かないだろう。車社会であることに加え,運賃が高めなのを考えると一体化はなかなか難しいかもしれない。


ご参考までに…
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