70の瞳

笑いあり涙あり、35人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

園舎へのこだわり

2018-01-19 15:33:44 | 愛すべき子どもたち

さんあいは、2008年に実現した園舎移転に際し構想から10年以上の歳月を掛け、施設養育の中で子どもにとって職員にとって最適な園舎はどうあるべきか研究し議論しました。そして現在の長屋のような集団式の小平屋の園舎となりました。

このことは奇しくも、小説「続あしながおじさん」の中に記されています。「続あしながおじさん」は、米国人小説家ジーン・ウエブスターにより1915年「あしながおじさん」の続編として出版されました。前作の主人公であるジュディの大学時代の友人、サリー・マクブライドがジュディの育ったジョン・グリア孤児院(児童養護施設)の責任者を任され施設改革に取り組む姿が描かれています。この物語の中で、サリーがジュディに当てた手紙に以下のような一文があります。

 孤児院の内面的な仕事を考えれば、考えるほど、普通の家庭に匹敵する孤児院の唯一様式は、集団式の小平屋に限ると思います。家庭が社会の単位となっている以上は、子どもたちも小さい時から家庭生活の訓練を受けて行かなければなりません。

まさに現在のさんあいの生活様式と理念が100年以上前の小説に児童養護施設の生活様式の理想像として描かれています。さんあいは、園舎が集団式小平屋であることにこだわりました。上下に分断されない空間で生活する。そして一つひとつの独立した平屋が繋ることにより、お隣同士の助け合いと理念を共有する施設としての一体感を保っています。人は環境に影響を受けます。のんびりとした農村の集団式小平屋は、子どもたちと職員の成長に沢山の良い影響を及ぼしていると考えています。

 

子どもたちの成長を真剣に考えてつくられた園舎。 ここには多くの方々の熱い思いが集積されている。

 

建てた後も常に良い環境を維持することが出来るのは、職員が思いを共有しているからだ。

 

 

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子育ての失敗

2018-01-17 16:40:03 | 愛すべき子どもたち

キリスト教の旧約聖書を概観すると、子育ての不調や失敗と思われる記事の連続であることがわかる。人類の祖であるアダムとイブの初子カインは弟アベルをねたみから殺してしまう。アブラハムの子イサクとその妻のリべかは偏愛により双子の兄弟であるエサウとヤコブの間に大きな諍いの種を作ってしまう。 そのヤコブは、子宝に恵まれたがやはり偏愛が原因で兄弟間に大きな諍が起こってしまう。神の祝福により羊飼いからイスラエルの王にまでなったダビデでさえ、我が子の非道な行いに苦しみ、最後は敵として争うことになってしまう。

聖書は、子育ての失敗というような描かれ方はしていないが、実にリアルに親の限界や子が別人格であることを明らかにしている。 そしてそんな失敗したと思われる子育ての結果も時として祝福の種として替えてくれる神の愛が描かれている。 養育者は時として、この神の愛を信じて子育てするしかないように思える。

 

時々、神様が人にも子育ての本能を与えてくれたらと思う時がある。

 

 

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子どもの最善の利益

2018-01-15 15:56:17 | 愛すべき子どもたち

「子育てに正解はない」とよく言われるが、その通りだ。 子どもひとり1人には個性があり特性がある。そして家庭環境や養育環境も違う。 他の子の成功例を我が子に当てはめることはできないし、逆も然りだ。かといって其々の保護者が一から手探りで子どもを育てることもできない。これは絶対に外せない子育て事項とそうでない事項の区別をしっかりと見極めて進めるべきだ。単純な例だが、子どもへの暴力は絶対にだめだが、叱り方は子どもの個性を考えて様々な方法があっていい。

児童福祉の現場で養育の基本となっているのが、「子どもの最善の利益」と言う言葉だ。 基本的には子どもの権利擁護を中心にして養育することとも言えるが、虐待や不適切な養育、安心安全の確保等は、その根幹として外せない。ただ詳細な各論部分は、「子育てに正解はない」のと同じように「子どもの最善の利益」にも正解がないといえる。

いやむしろ各論の部分に於いては「正解がない」という立ち位置で、養育者は悩み、学び、関係機関や子ども自身と対話しながら進めるべきではないだろうか。理由は、最初に述べたように子どもにはそれぞれ個性があり、当然ながら実親を含めて養育者は完ぺきではないからだ。

だからと言って「こどもの最善の利益」は絵に描いた餅とするのではなく、個々のケースの中で試行錯誤しながらも常によりよい方法を求めて行く真摯な態度が必要とされている。 そして、その真摯な態度こそが子どもとの信頼関係を築くことに繋がる。

足で漕ぐタイプの自転車で練習中のkちゃん、補助輪付きよりこの方が好きみたいだ。

 

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トントン30回

2018-01-12 15:54:09 | 愛すべき子どもたち

小1のKくんは、小柄でまだ幼いところがある。 就寝時は、必ず職員に背中をトントンしてもらいながら入眠する。 「今日はトントン30回してギューしてからJくんのところ行ってね。」 Jくんとは同じユニットの年中児で、やはり就寝時にトントンの必要な子だ。

 Kくん年末年始に帰省できなかったからだろうか、最近甘えが強くなっている。 一時だけでも職員を独占したい気持ちだろうが、年下のJくんのことも職員のことも考えている。 彼のお兄ちゃんぶりを喜ぶ以上に我慢している小さな心に切なくなる。

 

深谷地方は、寒さが増しているが毎日良く晴れている。 干した布団はふかふかで入ったときが気持ちいい。

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餅つき

2018-01-07 07:00:00 | 愛すべき子どもたち

1月6日快晴 さんあい新年恒例の餅つき大会の日だ。 毎回、卒園生や元職員にも案内を出すが、今年は2家族と2名が参加してくれた。 部活やアルバイト、体調が悪い子以外は全員参加して餅をつき、美味しい餅料理の昼食を食べた。 1人鍋が静かなブームらしいが、さすがに餅を一人でついて食べる人は日本広しといえど少なかろう。 そぉ、お餅はみんなでついて、みんなで食べるから楽しいし美味しさも倍増する。 

 

まず理事長先生が最初につきました。

 

そして子どもたちが順番に歳の数だけつきました。

 

ついたお餅は、こしあん、海苔、大根おろし、納豆、きな粉に絡めて食べました。

 

一口大だけど、50個もたべた子もいました。

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帰園

2018-01-05 14:19:03 | 愛すべき子どもたち

年末年始に帰省していた子たちがさんあいへ帰って来た。 送ってきた家族と名残惜しそうに別れる子、玄関に迎えに出た職員に機関銃のように楽しかった様子を話す子、送る家族にも迎える職員にも恥ずかしそうにする子、様々な別れと再会がさんあいの玄関に展開する。一つだけ共通することは、みんな笑顔で満足げな様子だったということだ。 

明日1月6日は、さんあい新年恒例の餅つき大会だ。 このイベントを機にさんあいの通常生活が再スタートする。 そして来週から3学期が始まる。受験に臨む子、就職が決まり3月で退所する子、様々な生活と心模様がさんあいの中で再スタートする。

 

帰園して、早速中庭で遊ぶ子どもたち。 冬休み中に二重とびができるようになったらしい。

 

こちらは庭越しに隣のユニットの子と同士で、冬休みの宿題チェック。 9日から3学期が始まる。

 

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さんあいの元旦

2018-01-01 13:21:29 | 愛すべき子どもたち

明けましておめでとうございます! 本年もよろしくお願い致します。

さんあいの元旦は、普通の家庭のように、子どもたちはいつもより遅く起きてきてくる。 大晦日のテレビ番組は「絶対に笑ってはいけない」が圧倒的人気だったようだ。 幼児さんたちは、何時ものように9時前後で就寝するが、中高生たちの中には除夜の鐘を聞き、その後深夜映画など明け方まで見る子もいる。まぁ、一年に一度のお祭りだ、非日常的な生活リズムも大目に見ている。

元旦の深谷地方、朝は氷点下にはなったが太陽が上がると快晴無風の良い天気となった。元気な子はいつものように、中庭に出てきて縄跳びを始めた。 その横では布団が干されている。 子どもたちは様々な困難を経てさんあいで暮らしているが、ここには、元旦でも平穏な日常がある。

元旦の朝は、栄養士さんが用意してくれたおせち料理を食べました。 やはり日本の食の伝統は守りたい。

 

小学生たちは、教会にいって牧師先生から新年の祝福のお祈りをしてもらいました。

 

 

それから皆でホールに集まって、新年のお挨拶をしてお年玉をもらいました。

 

小さい子から大きい子までひとり1人園長先生からお年玉をもらいました。

 

ポカポカな天気、元気な小学生たちは中庭に出てきました。

 

陽だまりの中で干された布団、平穏の象徴のように思える。 今年も子どもたちの心が平穏でありますように。

 

 

 

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