日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

映画「二ールンベルグ裁判」を観る。

2010-04-18 09:10:00 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
3時間を越える長編。製作されたのは1961年。
ニールンベルグ裁判は、第2次大戦後、敗戦国ドイツの戦争犯罪を裁く裁判です。
映画は、その裁判が始まって2年余り過ぎた頃の1948年。
主だった軍人らの裁判はすでに終わって、ナチス政権下で、ナチスが制定した法律にしたがって裁きをしていた裁判官や司法関係者が被告人になって、裁判が繰り広げられる法廷シーンを丁寧に追います。
ユダヤ人との男女交際はご法度。人種法により、劣等とされた人間の生殖機能は医学的処理が施されます。
戦後であれば理不尽と声を上げることもできるけれど、ナチス政権下では、その法に異を唱えること=職を失うことになる、という時代が裁判されているのです。

裁くのは、戦勝国アメリカからドイツに赴任してきた老判事。
裁かれるのは、法学者として世界的評価を得ているヤニング裁判官。
勿論、犯した罪を追求する検察官も、戦勝国のアメリカ人。
元裁判官のヤニング被告人を弁護するのは、彼の教え子である若きドイツ人弁護士。
証人にたった、ヤニングが師事した元裁判官は、裁判官の法服の胸に、ナチスの紋章を付けることが強制されたとき、自分は裁判官の職を辞したと。
ヤニングはなぜそのとき、やめなかったのか。
一般市民ではなく、人を裁く立場にいて、裁かれた人のその後が、どうなるのか、本当に知らなかったのか。

アメリカから来た老判事は、彼を知るために、彼の法学者としての著作を読破する。

判決言い渡し。
終身刑。

映画は1961年製作。
ナレーションが流れる。
-この時点で、この裁判で裁かれた人で、刑務所に入っていることはいません-

被災したベルリンなのか、瓦礫と化した街の映像が印象に残りました。
よく、日本の被災地の写真は目にするのですが、ヨーロッパ、爆撃を受けたドイツも同じく、ここまで廃墟となっていたのかという思いで眺めました。
10年ほど前に、ベルリンのブランデンブルグ門の辺りで絵葉書を数枚買ったことを思い出しました。どれもセピア色の敗戦後のドイツの街、人々の絵葉書でした。
この映画より後に書かれたものですが、ワイツゼッカーさんの本を読んだことを思い浮かべながらドイツを駆け足訪問したことを、思いだしました。
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