徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
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世界の車窓から ~古都ラヴェンナ モザイクの絢爛~ 

2016年08月07日 | 旅行
世界の車窓から ~イタリア紀行 2016年夏~ 

古都ラヴェンナ モザイクの絢爛 
(4年前の記事になります)




 ☆

1年2ヶ月ぶりのイタリア。
そもそもはGWの渡欧を仕事で諦めざるを得なくなり、代償として(笑)気の早い夏休みをとると談判して勝ち取った、そして「一人でイタリアに行きたい」というワガママから実現した休暇である。



ウィーンからボローニャへの直行便が飛んでいる、というのはエクスペディアのおかげで知った。商都ボローニャらしく、調べれば欧州各地からフライトがある。それこそ20年来ミラノかローマに飛んでから列車移動、が板についてしまっている自分には「おおおう!」と感動するほど、便利な選択肢である。
とはいえ。ウィーンからは小さなプロペラ機。しかも!予定外の機体トラブル&フライト遅延で、ようやく20時過ぎにボローニャ空港へ到着した。
ボローニャのマルコーニ空港を使うのは初めてだったが、中小都市の空港は概して中心部からそう遠くないのが普通。思ったより(失礼!)ターミナルビルもフライト数もそこそこあって「これからはイタリア行く時は、遠いミラノよりボローニャ発着の方が便利だな♪」などと思ってしまった。



「駅に近いだけが取り得w」と選んだ、駅前の某有名チェーンホテルのコンチネンタル朝食は、取り立てて豪華では無いものの、フルーツ、野菜、ハムやサラミ、チーズ、パンが一通り。何が嬉しかったかというと、大皿に山と盛られた切りたてのモルタデッラハム!さすが特産品!遠慮なく山盛りがっつりいただきました。

西行きの旅では朝とても早く目が覚める。
今日はさてどこに行こうか♪と食後のコーヒー飲みながら思案。実は今回の「ちょっと早い夏休みinイタリア」では、今まで行ったことがない町に行こう!というのがテーマのひとつ。

候補はどちらも世界遺産。

☆ラヴェンナ(ローマ~ビザンチン帝国時代のモザイクで有名)
☆サンマリノ共和国(世界最小の国のひとつで現存する最古の共和国)

ボローニャからは列車(とバス)で2時間程度。
急ぐ旅ではないし、駅に行ったとこ勝負で決めよう(笑)と、ホテルを出た。



イタリア(旧)国鉄には、それこそ学生時代からずいぶん乗ってきた。民営化されてからサービスはともかく(笑)特にこの数年主要駅のハード面での改善は目覚ましい。ボローニャ中央駅も、ミラノ~ボローニャ~フィレンツェ~ローマ間やヴェネツィア~ボローニャ~ミラノ/ローマ間といった大都市を結ぶ超高速鉄道(いわば日本の新幹線みたいな位置付け)の専用地下ホームが完成して、窓口だけでなく自販機で多言語対応&カード決済可能になったり、昔を知る人間としては「便利になった」に尽きる。

さて。自販機で検索すると、一番早い09:05発のリミニへ行く特急フレッチャビアンカは売り切れ、と出た。区間快速では時間がかなりかかる。急に行くのでなければ事前購入が安心か、と今日はラヴェンナに行くことにした。幸い、9時発の区間快速があったので、切符を買って2階建ての新型車両に乗り込んだ。

ボローニャ 9:30 ~ ラヴェンナ 10:30 直通(REG)
料金 7ユーロ10セント



9:45 カステルボロネーゼに到着。(リミニへはここから乗り換えもできる)
で、定刻は42分なんだけど50分になっても動かない。だがイタリアではこのくらいは遅れるうちに入らないw。

52分、線路のシステムの事情で発車が10分遅れています、進捗はまたお知らせします。とアナウンス。
想定内!!で、追加のアナウンスはないまま10:02に発車。

イモラで乗ってきた母子連れの、5才くらいのお嬢ちゃんが金髪で可愛くて、母親が携帯で話し込んでいる間とても退屈している様子だったので、折り鶴を作ってあげたらとても喜んで「ありがとう」と笑顔を見せてくれた😊

途中駅のルーゴで既に30分遅れ。
しかし急ぐ旅ではないので、ノンビリ車窓を眺めて過ごす。

ルーシ駅のアナウンスは「20分遅れ」
飛ばしている様子もなかったのに?電光掲示板は「30分遅れ」嘘つきめw。流石イタリア。細かいことはいいんだよ。

結局ラヴェンナには10:50到着。



駅から中心部までは歩いて10分もかからない。チケット買うのに難儀する。
6ヶ所のモザイク展示教会が共通券で9.5ユーロ。昔に比べて高くなったな。しかし全部見てこれはかなりお得。














暑くて誘惑に負けて食べたピンクグレープフルーツのグラニテ、美味しかった!小で3ユーロ。量的には充分!生き返った!
2時までに全部見終わり、切り売りの安いピザ(一切れ1.2ユーロ)食べて、水飲んで、郊外のクラッセにある教会へ。

バスは176番の方が本数は少ないが真っ直ぐ行くので10分程で着く。
一時間に二本ある4番のバスは、ラヴェンナや近郊の町をぐるぐる回るので20分はかかる。料金は同じ1.2ユーロ。

クラッセ教会は入場料金は6ユーロ50セント。行く価値&払う価値はある。



帰りは16:03のバスで16:25にラヴェンナ駅到着。
既に脱水症状に近く、スポーツドリンクを買って、16:33のボローニャ行きに乗れてホッとした。

ラヴェンナ発ボローニャ行きの列車は平均すると昼間は一時間に一本。毎時33分。
ごく稀に特急があるが1日に何本もないようす。所要時間は90分。朝夕はもう少しあるみたいだった。

それにしても、今日の気温は町中の表示見たところ、何と35℃!日本と変わらない暑さだと思った。
思い返せば20年前の初イタリアも炎暑で死にかけてた。歴史は繰り返す。

帰りはカステルボロネーゼまではふつうに来たが、乗り継ぎのリミニ行きは遅れているらしい。
何というか、これはやはり「遅延込みで」計画を立てないと(笑)。1日1都市でかなりノンビリはしているつもりだけど。個人旅行&リピーターの強みである。



沿線はブドウ畑に青々と葉が繁り、リンゴやアンズは収穫を終え、トウモロコシが背丈よりも高く伸びて、夏真っ盛り。時々こげ茶色の土がほくほくと掘り返されているのは、じゃがいも畑。金茶色の小麦畑、隣では刈り取られた後の牧草ロールがころがっている。小川沿いや放牧地の境によく植えてあるすらりと背の高いポプラ並木。時おりオリーブの木、豊かな枝でこんもり木陰を作る樫の大木。白や薄桃色の夾竹桃、朱色のザクロの花。遠目にも目立つ大きなトマト。
その合間に、テラコッタ色の壁と瓦のエミリアロマーニャ風農家がポツンポツンと建っている様子は20年変わらない。そんな景色の中で、田舎の無人駅の駅前に(パーク&ライド用の)真新しい駐車場ができていたり、ときどきソーラーパネルがずらりと並んでいるのだけが「変化」と言えるのかもしれない。

18時前で、まだまだ日没までは二時間、夕食気分でもなかったので、街歩きへ。






夕食はホテルのお姉さんにオススメのレストランを聞いて出掛けた『ブカ・マンゾーニ』ハムとサラミの盛り合わせだけで満腹感...ああ、お一人様に優しくないイタリア食事情w。イモラ産の白も赤も美味しくて、クオリティーもお値段(20ユーロ、サラミとフォカッチャお持ち帰りつき)的にもGOOD!



この日は久しぶりにワインが美味しくて、帰ってからあっという間に寝てしまった。
よく歩くとワインも回りやすいものである。(笑)