味噌汁 第15話

2016年07月25日 | 味噌汁(小説)
ジリリリリ~ン!

『うわっと!ビツリク!』っと、一体何年生まれなんだ?と誰でも突っ込みを入れたくなる様な
オヤジ言葉を発しながら、掛け手から受け手の気持ちに瞬時に切り替えると、液晶の表示は友人
の一人であった。

『へいへい、諭吉商店でござい~!って何用じゃ?』

暫くその相手と話をすると、急に残りの朝食をムシャムシャ口に放り込み、まだ通話が
切れてないうちに、今度は口をモグモグしながら外出用のジーンズに器用に履き替えはじめ、
最後の一口をゴクンとやったかと思うと、上手い具合に会話が終わったのか『じゃ!』と
お決まりの一言で通話に区切りをつけ、キーや財布など必要最低限の持ち物を片手に
『ちょっとオレ出てくるわ!この話はまた後でナ!』と玄関を出ようとする諭吉。

『お~い!コラコラ!なんなのそのマイペースは!どこまで行くのよ?』と半ば呆れ顔で
目線だけ後を追う春子に『ん~、ちょっと横浜まで行ってくるわ!ダチが事故ったみたい』
と、背中で答えるとそのまま振り返る事もなく出て行った。

『お~い!コラコラ!お~い・・・コラコラ・・・って誰も居ない玄関に言うのもむなしいわ。
ったく!あの性格。誰に似たのかしらね。今に始まった事じゃないけど・・・』と、やはり
空しい感じで一人言を言う春子。とりあえず自分も食事を先に済ませてしまおうと、こちらも
残った朝食をやっつけることにした。

暇つぶしにTVをつけ、時々自分の携帯のメールなどをチェックしながら、起用にながらで
朝食を平らげていく春子だったが、途中、ニュース番組のアナウンサーの一言に耳を
疑った。何かの聞き違いかとTV画面に注目し、再び繰り返されたそのニュースの内容は

【横浜市内の閑静な住宅街で立て篭もり 犯人は金原正一と名乗る】であった。

『えっ?えっ?何っ?ちょっとユキ・・・』と玄関のほうに言いかけて、諭吉が居ないことを
思い出し再びTVの画面に注視する。『ちょっと何これ!キンパラて・・・』と独り言を
言いながら携帯をどこに置いたか部屋のあちこちを探したあげく、手元にあるのを思い出し
急いで諭吉を呼び出した。

移動中なのか何度呼び出しても繋がらないので、普段のやり取りに使うLINEを起動し
メッセージを送る。LINEであれば既読機能があるので、本人が気づけば少なくとも
超マイペースな諭吉とのやり取りも間違いないのである。少し待っているとメッセージが
既読となり、電話が掛かってきた。

『どどどど、どないしたん?』

関西に一度も住んだことのない諭吉であるが、急いでいる時かおどけている時は何故か
関西弁になる。あまり上手くない関西弁なので、関西出身の人間には冷ややかな目を
向けられることが多いが、本人はイケテるつもりなので一向にやめる気はないようだ。

『ちょっとアンタ!TV見られるところない!?キンパラセンセーが事件よ!』

キンパラセンセーが事件?何を言ってるんだ?と思った所に携帯への速報ベルが鳴り、
一旦画面を確認すると『横浜で立てこもり』との一行が確認出来たが詳細は不明。
ひょっとしてこれのことかと推察し、会話に戻ろうとすると通話は切れていた。

駅ジオラマ作り③

2016年07月19日 | さくらさく鉄道㈱
ちょいと時間が空きました。


どのように発展させていくべきか考え中の駅前。先日、ウヒョー!というポイントを頂きましたので早速『駅前商店街』を充実させようと思ったのですが、なかなかイメージが湧きません。


今現在有るストラクチャー(建物)は雑貨店、電気屋、そしてタクシー屋さんです。例のジオラマワールドは制作時期が古い為、駅前の商店は古くからあるTOMIXの商店セットを使っているようですが、正直、色々なもののリアリティが高い現在ではちょっと興ざめなので利用しません。その代り、『ジオラマコレクション』の建物シリーズで雰囲気よさげなものを少しづつ集めています。


問題は、参考にしたジオラマワールド程横幅が無い為、オリジナルに駅前の雰囲気を作っていかないとならない事です。特に駅前側は思ったより狭くなってしまった為、建物類は片側にしか置けない予感。。。そして色々模索した結果・・・


ドスン!さてこれは・・・?(w


はい、まずは門?


そして本殿。


最後に5重の搭です(wwwwwwwwwww。


このように、有名な寺院がある山間(やまあい)の街にしようと考えました。一時、温泉街にしようかと思ったのですが・・・


この様に、駅から出ると、有名な寺院までの参道にそってお店が並ぶ、所謂ひとつの『表参道』的に発展させて行こうかと思います。

一応、メインの『何か』が決まりましたので、次回より地面作りに入って行きたいと思います。



君は占いを信じるか?

2016年07月11日 | 雑談
女性は割と好きな人が多いような気がしますが、男性の場合、この手の類を信じる人は少ない・・・かな?ま、無料と言う事で試してみましたところ(その先は有料(w)・・・



※出てきた画面を携帯で撮影したものです


このように占い系のものは『良いところはよく解釈し悪い所は気にしない』のが良いかと思いますが、自分自身も含め『さくさくさんと言う人物と長く付き合いがある』、もしくは『嫌がらずにさくさくさんという少し変わった人物をよく観察している』方は、正直こう思うでしょう。


『すげーーーーーーーーーーーー当たってる!(wwwwwwwww』


もっとも、他人様が思うのは前半のクダリ、であり、ボク自身が皆さんに強く言いたいのは後半のクダリ、ですが、ま、みなまで言うまい(w。

もののけの里に行って来ました。

2016年07月07日 | 写真
たまたまジムで自転車漕ぎしてる時にTVでやってたので行って来ました。TVでは『ハイキングに』との趣旨でしたが。



富士山スカイラインの途中、西臼塚駐車場近くです。



おっことぬしの亡骸?



誰も居ない静寂の中、風と小鳥のさえずり。わずかな陽だまりに何かが見える気がします。



ダンボーさん連れて行けばよかった。とても癒されました。



味噌汁 第14話

2016年07月04日 | 味噌汁(小説)
中学で仲良しだったひろこと房子だが、進学とともに一旦疎遠になったものの、再開の日は
意外なカタチで現れた。ひろこのように肉感的な体型ではなかったものの、若い女性らしく
いつもその体型は気にしていて、ある日、意を決して駅近くのフィットネスジムに通う事にした
房子だが、なんとそこでアルバイトをしていたのがひろこであった。

まだバイトとして採用されて半年ぐらいであったのだが、そのユニフォームの効果もあってか
あっと言う間に男性会員、特に中年男性に人気を得、快適な職場、になるはずであった。
もともと地味目であったひろこが『ある意味』社交的になった(ようにみえる)のは、ここでの
バイト経験が活かされたものである。

一見華やかそうなこの職場も、実は裏ではドロドロした人間関係でなりたっていて、特に
立場上『お客様には笑顔で』の接客にすぎないのだが、男性女性に関わらずそれを勘違いし
一方的に好意を寄せられることも少なくなかった。

半年もすると大抵の誘いは軽く受け流す事が出来るようになったのではあるが、ある日、
店のSNSに誹謗中傷する輩が現れ、それがどうもひろこに好意を寄せる現役の男性会員
であることが判明。店側の警告によりその男性は退会することになったのだが、その後も
ひろこの入退店時などに示し合わせた様に付近で見かけたりする事が度々あったので、
身の危険を感じて店を辞めることにした。

一方で、全く声を掛けられることもない房子はその後も会員を続けており、今ではすっかり
店の常連と化していたのだが、その後もひろことは友人関係が切れることもなく、時々は
夜の街に出かけたり、こうして何かの機会に時間をともにすることは欠かさなかったのであるが
まさかこのような展開が待っていようとは、お互い知る由もなかった。


キャハハハハハ!


店の一番奥に陣取る普段は見かけない若者の集団が一瞬大きな声を上げたのに、二人して
身を潜めるような仕草をした後、同じく二人して目を合わせてクスリと笑う。
悪いことをしてる訳ではないのだから何も隠れる必要はないのだが、この贈り物が
自分達にどの様な事をもたらすものなのか?判断しかねていた為、自然とそのような反応が
出てしまうのであろう。


『はい!お待たせ~!』


『うわー!ビックリした!』頼みもしない店員の安藤が急に現れて再び驚く二人。
時間差で勤務時間を終えた安藤が私服に着替えて、二人の席に来ると、特に断りもなく
ひろこの横に座り、自分で持ってきたオレンジジュースにストローをさして飲み始めた。

『ちょっとアンタ!誰が座って良いって言ったのよー!座りたきゃ他に空いてる席は
一杯あるじゃない!』と、それでも店員として小声で言いながら肘を張り、安藤をベンチ
シートの端へ追いやろうとするが、安藤も負けじと踏ん張り、さながら夫婦漫才の様である。

『ほらやっぱり!あんた達どう考えても出来てるわね!白状しなさい!』と詰め寄る房子に
ハモるように『はあ?んな訳ねえべ!』と一字一句違わずにハモってしまった二人は、
一瞬顔を見合わせ、今度は末尾だけ『ねえし!』と『ねえよ!』と変えたものの、同じく
同じタイミングで言い直してしまった為、微妙に違うハモりに3人して笑いを堪えるのに
必死だった。

『んで、さっきから何をコソコソ相談されてますの?おねいたま方は』と、これまた誰にも
許可は得ていないツマミのポテトを口に運びながら、二人の会話に割って入る。
その行動が余りに自然だった為、『実はね、この鍵が・・・』とつい話し始めてしまって
『あっ!』と口に手をあて口をつぐむひろこ。一瞬、どうしよう?と目を合わせ、その後、
この際話に加わって貰うことにしようと以心伝心するのに2秒と掛からなかった。