ジリリリリ~ン!
『うわっと!ビツリク!』っと、一体何年生まれなんだ?と誰でも突っ込みを入れたくなる様な
オヤジ言葉を発しながら、掛け手から受け手の気持ちに瞬時に切り替えると、液晶の表示は友人
の一人であった。
『へいへい、諭吉商店でござい~!って何用じゃ?』
暫くその相手と話をすると、急に残りの朝食をムシャムシャ口に放り込み、まだ通話が
切れてないうちに、今度は口をモグモグしながら外出用のジーンズに器用に履き替えはじめ、
最後の一口をゴクンとやったかと思うと、上手い具合に会話が終わったのか『じゃ!』と
お決まりの一言で通話に区切りをつけ、キーや財布など必要最低限の持ち物を片手に
『ちょっとオレ出てくるわ!この話はまた後でナ!』と玄関を出ようとする諭吉。
『お~い!コラコラ!なんなのそのマイペースは!どこまで行くのよ?』と半ば呆れ顔で
目線だけ後を追う春子に『ん~、ちょっと横浜まで行ってくるわ!ダチが事故ったみたい』
と、背中で答えるとそのまま振り返る事もなく出て行った。
『お~い!コラコラ!お~い・・・コラコラ・・・って誰も居ない玄関に言うのもむなしいわ。
ったく!あの性格。誰に似たのかしらね。今に始まった事じゃないけど・・・』と、やはり
空しい感じで一人言を言う春子。とりあえず自分も食事を先に済ませてしまおうと、こちらも
残った朝食をやっつけることにした。
暇つぶしにTVをつけ、時々自分の携帯のメールなどをチェックしながら、起用にながらで
朝食を平らげていく春子だったが、途中、ニュース番組のアナウンサーの一言に耳を
疑った。何かの聞き違いかとTV画面に注目し、再び繰り返されたそのニュースの内容は
【横浜市内の閑静な住宅街で立て篭もり 犯人は金原正一と名乗る】であった。
『えっ?えっ?何っ?ちょっとユキ・・・』と玄関のほうに言いかけて、諭吉が居ないことを
思い出し再びTVの画面に注視する。『ちょっと何これ!キンパラて・・・』と独り言を
言いながら携帯をどこに置いたか部屋のあちこちを探したあげく、手元にあるのを思い出し
急いで諭吉を呼び出した。
移動中なのか何度呼び出しても繋がらないので、普段のやり取りに使うLINEを起動し
メッセージを送る。LINEであれば既読機能があるので、本人が気づけば少なくとも
超マイペースな諭吉とのやり取りも間違いないのである。少し待っているとメッセージが
既読となり、電話が掛かってきた。
『どどどど、どないしたん?』
関西に一度も住んだことのない諭吉であるが、急いでいる時かおどけている時は何故か
関西弁になる。あまり上手くない関西弁なので、関西出身の人間には冷ややかな目を
向けられることが多いが、本人はイケテるつもりなので一向にやめる気はないようだ。
『ちょっとアンタ!TV見られるところない!?キンパラセンセーが事件よ!』
キンパラセンセーが事件?何を言ってるんだ?と思った所に携帯への速報ベルが鳴り、
一旦画面を確認すると『横浜で立てこもり』との一行が確認出来たが詳細は不明。
ひょっとしてこれのことかと推察し、会話に戻ろうとすると通話は切れていた。
『うわっと!ビツリク!』っと、一体何年生まれなんだ?と誰でも突っ込みを入れたくなる様な
オヤジ言葉を発しながら、掛け手から受け手の気持ちに瞬時に切り替えると、液晶の表示は友人
の一人であった。
『へいへい、諭吉商店でござい~!って何用じゃ?』
暫くその相手と話をすると、急に残りの朝食をムシャムシャ口に放り込み、まだ通話が
切れてないうちに、今度は口をモグモグしながら外出用のジーンズに器用に履き替えはじめ、
最後の一口をゴクンとやったかと思うと、上手い具合に会話が終わったのか『じゃ!』と
お決まりの一言で通話に区切りをつけ、キーや財布など必要最低限の持ち物を片手に
『ちょっとオレ出てくるわ!この話はまた後でナ!』と玄関を出ようとする諭吉。
『お~い!コラコラ!なんなのそのマイペースは!どこまで行くのよ?』と半ば呆れ顔で
目線だけ後を追う春子に『ん~、ちょっと横浜まで行ってくるわ!ダチが事故ったみたい』
と、背中で答えるとそのまま振り返る事もなく出て行った。
『お~い!コラコラ!お~い・・・コラコラ・・・って誰も居ない玄関に言うのもむなしいわ。
ったく!あの性格。誰に似たのかしらね。今に始まった事じゃないけど・・・』と、やはり
空しい感じで一人言を言う春子。とりあえず自分も食事を先に済ませてしまおうと、こちらも
残った朝食をやっつけることにした。
暇つぶしにTVをつけ、時々自分の携帯のメールなどをチェックしながら、起用にながらで
朝食を平らげていく春子だったが、途中、ニュース番組のアナウンサーの一言に耳を
疑った。何かの聞き違いかとTV画面に注目し、再び繰り返されたそのニュースの内容は
【横浜市内の閑静な住宅街で立て篭もり 犯人は金原正一と名乗る】であった。
『えっ?えっ?何っ?ちょっとユキ・・・』と玄関のほうに言いかけて、諭吉が居ないことを
思い出し再びTVの画面に注視する。『ちょっと何これ!キンパラて・・・』と独り言を
言いながら携帯をどこに置いたか部屋のあちこちを探したあげく、手元にあるのを思い出し
急いで諭吉を呼び出した。
移動中なのか何度呼び出しても繋がらないので、普段のやり取りに使うLINEを起動し
メッセージを送る。LINEであれば既読機能があるので、本人が気づけば少なくとも
超マイペースな諭吉とのやり取りも間違いないのである。少し待っているとメッセージが
既読となり、電話が掛かってきた。
『どどどど、どないしたん?』
関西に一度も住んだことのない諭吉であるが、急いでいる時かおどけている時は何故か
関西弁になる。あまり上手くない関西弁なので、関西出身の人間には冷ややかな目を
向けられることが多いが、本人はイケテるつもりなので一向にやめる気はないようだ。
『ちょっとアンタ!TV見られるところない!?キンパラセンセーが事件よ!』
キンパラセンセーが事件?何を言ってるんだ?と思った所に携帯への速報ベルが鳴り、
一旦画面を確認すると『横浜で立てこもり』との一行が確認出来たが詳細は不明。
ひょっとしてこれのことかと推察し、会話に戻ろうとすると通話は切れていた。