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地方活性化に向けて(2)――岩手県紫波町「公民連携(PPP)による街再生」の例

2016年10月16日 12時14分10秒 | リバティ 学園 幸福実現党 関連  

地方活性化に向けて(2)――岩手県紫波町「公民連携(PPP)による街再生」の例[HRPニュースファイル1706]
http://hrp-newsfile.jp/2016/2933/
 HS政経塾4期卒塾生 西邑拓真(にしむら たくま)

 ◆駅前の未整備地区の開発に成功する「オガールプロジェクト」

岩手県盛岡市と花巻市の間に位置し、人口約33,000人を抱える同県紫波町に2012年、複合施設「オガールプラザ」がオープンしています。
「オガールプラザ」は、紫波町が取り組む都市開発事業「オガールプロジェクト」の中核施設となっており、図書館、民営の産直販売所、カフェ、医院などを備えています。
同事業が対象とする地区は、JR紫波中央駅前にある11.7ヘクタールの町有地です。この地区は、財政難により整備できない状態が続き、10年以上、未利用のまま塩漬け状態となっていました。
この状況を打破しようと、PPP(公民連携)を念頭に、当プロジェクトが2009年に開始されます。

「オガール」とは、「成長する」という意味の方言「おがる」と、フランス語で「駅」を意味する「ガール」をかけ合わせた造語を意味します。
同事業は「オガールプラザ」を核に、バレーボール専用体育館やホテルを有する「オガールベース」、紫波町が造成・分譲する住宅地である「オガールタウン」、日本サッカー協会公認グラウンド「岩手県フットボールセンター」などから成ります。
事業開始から7年が経ち、今や、町の人口の25倍に相当する、年間90万人近くが、同地区を訪れるような状況にまで発展しています。

 ◆成功の「カギ」となったPPPの活用
このプロジェクトの成功の「カギ」となったのは、PPPです。

PPP (Public Private Partnership)とは、「官」と「民」が連携して公共サービスの提供を行うスキームで、事業の企画段階より民間事業者が携わる仕組みとなっています。
PPPを活用することによって、インフラ整備の際の財政負担を軽減することができるというメリットがあります。
オガールプロジェクトにおいても、東北銀行から融資を受けるなど、民間資金が十分に活用されています。
「PPPといえども、これは民間事業。金融機関がカネを出してくれなくては成立しない」という意識からも、オガールプラザの建設時には、大枠の施設の規模や建設費用が先に決められ、また、コストを極力抑制する建造設計がなされるなどしました。
その結果、オガールプラザの工事費は10億円余りと、公共建築としては極めて低コストに抑えることに成功しています。
また、「甘い見込みでテナントが埋まらないような駅前施設」にはしないために、設計前に見込みテナントが固められるなど、健全な経営感覚に基づいた判断がなされています。
さらには、「来館者同士の交流を促進させ、活気を生み出す」というコンセプトの下、民間の知恵も大いに活用されました。
図書館の新設や産直所に関しては、住民の強い声を拾い上げた結果として、設置されたものとなっています。

このように、民間の資金と知恵を活かすPPPをうまく機能させたことが、同プロジェクトを成功へと導いたというわけです。

 ◆民間活力を最大限活用することこそ、地方活性化の道!
大幅な人口減少と、深刻な財政難を抱える地方自治体は多く、確固たる「地方活性化策」の推進が今、急がれています。
しかし、国から、「危機」の中にある「地方」にお金を委譲して、それを使わせることだけが、必ずしも地方を活性化させるための最善策であるとは限りません。
やはり、地方活性化のためには、「民間のアイデアや資金を最大限活用する」という発想を持つ必要があるでしょう。
岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」は、健全で発展的な「まちづくり策」の良い例を示していると言えるのではないでしょうか。

参考文献
竹本昌史 『地方創生まちづくり大事典』, 国書刊行会, 2016.
日経アーキテクチュア2012年7月10日号「オガールプラザ 産直、カフェ、図書館が一堂に-コストを抑えた木造施設に、エリア全体で集客」
日本経済新聞(地方経済面東北版)2014年2月15日付「塩漬けの土地街の顔に」


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