2017.8.22 11:45http://www.sankei.com/world/news/170822/wor1708220029-n1.html
【トランプ政権】米、南アジア新戦略を発表、4千人規模の増派と米報道 米軍史上最長の戦争を終結に導くと表明
【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は21日夜、南部バージニア州フォート・マイヤーの米軍駐屯地で国民向けに演説し、治安が悪化するアフガニスタンに関する新戦略を発表した。
トランプ氏は「アフガンの安全保障上の脅威は大きい」と述べた上で「アフガンが再び(テロの)温床となるのを阻止する」と強調、2001年の米同時テロ直後から16年にわたる「米国史上最長の戦争」を終結に導くと表明した。
新戦略は、アフガンの戦況の好転に向け、米軍部隊の追加派遣に道を開くものだ。トランプ氏は「性急な米軍の撤収はテロリストが入り込む隙を作り出す。イラクの二の舞となってはならない」と指摘した。
トランプ氏は派遣規模について明らかにしなかったが、米メディアによれば、マティス国防長官は近く約4千人規模の増派を計画しているという。
トランプ氏は新戦略について、アフガンだけではなく、パキスタンやインドも含めた南アジア全体の安定化に向けた総合戦略だと指摘。アフガンのイスラム原理主義勢力タリバンやテロ組織の封じ込めに向け、これらの過激派が国内で活動するのを一定程度許容しているパキスタンに対し、テロ対策の強化を求めた。
また、「米国は民主国家の建設には関わらない」と述べ、アフガン駐留の目的が「テロとの戦い」だと強調。一連の取り組みは「原則あるリアリズム」に基づくものだと語った。
アフガン駐留米軍はオバマ前政権下の2014年末に戦闘任務を完了。現在は約8400人規模がアフガン治安部隊の訓練や戦術指導などを行っている。
しかし、国内各地でタリバンの攻勢が強まっているほか、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)もテロ行為を活発化させており、駐留米軍のニコルソン司令官が今年2月、トランプ政権に増派の必要性を訴えていた。
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