蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ブルックリン

2017年05月03日 | 映画の感想
ブルックリン

主人公は、知り合いの神父の紹介でアイルランドからニューヨークへ働きに出てくる。気の合わない下宿先の住人たち、思うように能力を発揮できないデパート勤務などに悩むが、やがてイタリア人の彼氏ができて・・・という話。
(以下、その先の筋も書いてしまいます)

主人公はそのイタリア人と結婚するのですが、直後、アイルランドにいる姉が亡くなって1カ月ほど帰郷することになります。
アイルランドでは、あっさり?手近の男と仲良くなってアメリカには戻らないと(多分)決意しますが、近所のいじわる婆さんに既婚者であることがバレると、さっさとアメリカに帰り夫と固く抱擁するのでした。

主人公(を演じるアーシャ・ローナン)は、あまり美人でもなく、やけに首が太くてスタイルもイマイチ(すみません)。そんなおぼこな娘がアイルランドから単身出てきて苦労を重ね(といっても画面上からはたいした苦労には見えないのですが)、ついには純朴そうな彼と巡り会って幸せになる・・・そんな「おしん」的な映画だと思って見ていたら、アイ
ルランドに帰ってからの二転三転の変わり身のなんとまあ早いこと!
愛でもなく、金勘定でもなく、自らの世間体のみが決定要因というのが、また、何とも言えません。

え、なんて奴だ、と誰しも思いますよね。でもまあ、誰しも人生の選択なんて(あんまり深く考えず)この程度のものなのかもしれません。

だからこそ(清廉潔白な乙女みたいな)非現実を経験してみたいから映画を見るんだと思うんです。
そういう意味ではそういった常識を打ち破る意外感あふれる終盤といえるかもしれません。

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