蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

Aではない君と

2017年05月14日 | 本の感想
Aではない君と(薬丸岳 講談社)

主人公はやり手の建設会社社員。離婚し一人息子の親権は元妻にあるが、14歳の息子とは時々会って食事したりしている。その息子が同級生を殺害した容疑で逮捕されてしまい、主人公の生活は一変する・・・という話。

面白いエンタテイメント小説は、「この先どうなるんだろう」という期待をふくらませてページをめくらせてくれます。本書は(若干説教くさくて)エンタテイメントとは言えないかもしれないのですし、ダイナミックな展開があるわけではないのですが、同じように先をどんどん読みたくなる内容でした。

というのも、私にも同じような年ごろの子供がいるので、「もし自分の子供が殺人を犯して逮捕されたら、オレってどうなるんだろう?」というリアルな??興味があったためです。(イヤ別に、私の息子が人殺ししそう、というわけではないですが)

主人公の行動があまりヒーローっぽくないというか、普通に?情けない(同僚の行為を受け止められない、再婚間近だった女性には(事件を契機として)あっさり振られる、裁判所の調査官と面接しても今後の見通しについて何も発言できない、すぐに酒に逃避したくなる等々)のがまた、我が身を見ているようでとてもリアルでした。
ただ、主人公の子供が逮捕された後、ずっとダンマリだった理由は少々不自然かなあと思えました。

わき目もふらずテーマに沿って一直線に進む物語は、社会的な問題提起もあることですし、映像化に向いてるかなあ、と思いました。
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