蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

さいごの毛布

2017年05月03日 | 本の感想
さいごの毛布(近藤史恵 角川文庫)

人間関係の構築が苦手で失業中の主人公は、知人の紹介で老犬施設(飼い主が面倒みきれなくなった老犬を(有料で)預かる施設)に住み込みで就職する。
やり手の経営者(元教師)としっかり者の先輩、経営者の元教え子の何でも屋に囲まれて主人公は成長していく・・・という話。

世の中には、飼い犬に、(子や孫に相続させるより多い)遺産を残す人もいるそうです。子や孫と違って決して自分に逆らわない犬はそれだけかわいいものなのでしょう。
3年ほど前、私も人生初めて犬を飼いました。
もちろん、名前を呼ぶとしっぽを振り回しながら走ってくる姿なんかは「カワイイ」と思うのですが、犬に遺産を残す人が持つような「無条件にカワイイ」というほどの感情は抱けません。

でも、この本を読んでいると、犬と人間の関係性の成立の過程みたいなものが上手(クドくなくて、そこはとなく立ち上ってくるような描写がいい)に描かれていて自分の飼い犬も妙に愛おしく感じられてきました。読み終わった後、散歩の時間がちょっと長目になりました。
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