蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

リーダーシップの旅

2007年03月31日 | 本の感想
リーダーシップの旅(野田智義 金井壽宏 光文社新書)

日経新聞の夕刊の書評欄でベタボメだったので、読んで見ました。

著者がいいたいことは、
「リーダーシップとは、私たち一人一人が自分自身と対峙し、「見えないもの」を見ようとして一歩を踏み出し、旅を歩む中で人からの共感を得て、結果としてリーダーになる現象だ。」(181ページ)

上記の主題が何度も繰り返されるのですが、具体的な方法論はなく、全体的なムードとしては新興宗教の教本のサイドリーダーみたいな感じです。
また、なぜ我々が苦難を伴うリーダーシップの旅に出なければならないか、については何もかかれていません。まるでそれは「リーダーシップ教」では自明の事実であるかのように。

著者は別に怪しげな人ではなくて、リーダーシップを学問的、実践的に研究している人のようですが、目にみえない、手につかむこともできないモノをつきつめると、外見は宗教っぽくなるのはいたしかたないことなのでしょうか。
日本のカリスマ的企業創業オーナーが、晩年妙に宗教がかった言動が目立つようになるのと通底するものがあるような気もします。

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