小平だより

午後の一般診療時間は4時から5時45分です。それ以前は予防接種時間のため予約外の方の入館は例外なく一切お断りします。

ボツリヌス菌と抗生物質

2017年04月10日 16時57分26秒 | 重要な医療情報
乳児にはちみつを与えることでボツリヌス菌中毒で死亡した事例が話題になっていますね。

メカニズムは単純です。

ボツリヌス菌は条件が悪いと芽胞という遺伝子だけをカプセルにしたような状態に固まります。
この状態だと簡単な消毒程度や普通の調理器具の加熱程度では死ななくなります。

大人ですと、摂取して腸管に入っても、多種多様大量の正常細菌叢との競争に負けて増殖できないまま排泄されますが、赤ちゃんの場合はビフィズス菌など単叢でしかも数が少ないため、腸管の中で繁殖条件となって容易に繁殖します。

繁殖したら強力な神経毒を放つため呼吸停止して死に至ります。


ここで、ビフィズス菌などの単叢ではダメ、ということに注意して下さい。
小児に安易に抗生物質を使うと、複雑な正常細菌叢が壊さます。
何とか正常細菌を復活させようと、抗菌剤に耐性を持つ善玉菌製剤を同時に投与します。
そうするとビフィズス菌などの単叢になってしまいます。
(なぜか、そういう善玉菌製剤すら使わない先生も居て、安全性をどうお考えなのかいっぺんお聞きしたいのですが)

もちろん、肺炎など重篤な疾患のために抗生物質を使うのは別のもっと大きなリスクを回避するために必要な医療行為ですが、鼻水に色がついた程度で抗生物質を乱発することは正しくない、というのはこういう点でもお分かりいただけると思います。


現代のまともな安全ガイドラインを守る限り、開業医レベルで抗生物質を使用するケースは極めて稀なのだ、ということはよく覚えておいて下さい。

あと、ボツリヌス菌は嫌気条件(密閉して空気が入りにくい条件)で容易に繁殖します。
ボツリヌスに限らず、嫌気条件で一気に増殖する病原菌は非常に多いのです。

一昔前に、ジャーサラダという手作りの生野菜瓶詰めが流行しましたが、食中毒連発の危険な代物でした。

また、ハムやソーセージに亜硝酸塩が入っていると体に悪い、と手作りする人もいますが、亜硝酸塩がないと全国規模で発売するとほぼ確実に何名かはボツリヌス中毒が生じるため、メーカーは安全上限を守って入れています。亜硝酸塩無しでボツリヌス菌のリスクがゼロになるには加熱でしょうけど、120℃と肉がコチコチになるところまでやらないと無意味です。食べ物としては売れないでしょう。

ボツリヌス菌にせよ破傷風菌にせよ、そこらの土の中に普通にいる常在菌です。
予防接種や現在の食品衛生基準を守っていればどうという事はないのですが。

「自然の」というキーワードが付くと深く考え抜かれた安全のための科学的知識が全く無いのに、完全思考停止してありがたがる習慣。
そういう土俗を止めない限りこういう事故は後を絶たないでしょうね。

あと、余談になりますが、地面の下に危険物があるからその建物を使ってはいけない、と言うのなら、史上最強の毒素を吐き出す細菌類が棲む土の上に立った建物は全て住めなくなりますよ(笑)ニュースを見ていて、言うことに科学的合理性がないなぁ、と呆れています。

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4月21日(金曜)は技師休暇のためスパイログラム検査などはできません

2017年03月17日 11時27分14秒 | 休診情報
その他の診療は実施しております。

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アトピー性皮膚炎は予防可能

2016年12月31日 20時35分35秒 | 重要な医療情報
かねてから当院では、ワセリンでアレルゲンの侵入を阻止して3歳まで粘ればアトピー性皮膚炎はスイッチが入らずにならずに済む、と指導してきましたが、正しかったことが理研により証明されました。

石鹸で汚れを落とす。
皮膚バリア機能を損なわないためにガーゼは使わず、タオル生地をぬらして拭き取る。
その後、薄い皮膚をワセリンやプロペトで保護してアレルゲンの侵入を防ぐ。

0歳から3歳まで、こうやって皮膚を保護することでアトピー性皮膚炎は激減するのは経験則で間違いありません。

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PM2.5の説が証明されました

2016年12月30日 04時01分14秒 | 重要な医療情報
PM 2.5と気管支喘息の増悪には相関があるとかねてから申し上げてきましたが、阪大にてそのメカニズムが証明されました。

観察していると、大陸由来と国内由来の二系統があります。責任の所在が明白になった以上、政府は交渉にて原因の遮断に動くべきです。

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キノロン系抗菌剤の怖さ

2016年09月22日 10時52分26秒 | 重要な医療情報
基本的に集中治療室ではない、開業医レベルで外来の風邪症状に対してキノロン系抗菌剤を使うのはこういう危険性があります。

結核の診断は非常に難しく、特に成人の咳症状のある場合は胸部レントゲンで確認を取ってから使用していますが、それでもある程度は見つからないケースがありえます。
まして、子供の風邪症状にキノロン系抗菌剤をばら撒くのはどう見ても極めて無意味でハイリスクな行為です。
近隣で安直に処方されるケースが目立っていますが、いずれ大事故になるでしょう。

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