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Jenny Sorrenti PROG (I) and 2017 update ジェニー・ソレンティ近況

2017-02-21 | プログレッシブ・ロック

ジェニー・ソレンティ伊PROG誌記事と近況報告

Jenny Sorrenti, PROG (Italia) article and 2017 update talk

 2015年の来日公演でも変わらぬ歌声と美しい姿を披露したジェニー・ソレンティ。その歌声と華麗なステージ姿が印象に残っている方も多いと思います。

2016年10月にローマ滞在中に偶然ジェニーと連絡が取れ、現況と今後の期待について話しをする機会に恵まれました。滅多に表に出ないジェニーの印象についてお伝えします。

 

(c)Rockprogresso

現在ですが、時間はかかってはいるが、兄アランとPROG EXPLOSIONのCD化の制作はライブの合間を縫って進行しているとのことです。完成時期は現時点では未定ですが、日本の皆様にはぜひ完成をお楽しみ、とのことでした。

(c) Irene Fittipaldi

ジェニーの印象ですが、あれだけ美声を維持するにはさぞかし努力をしているのでは、と思いましたが、やはり来日時もプロポリスを常備するなど、自然のセラピーを重要視していました。喉が痛くなっても化学製剤は可能な限り使わず、自然の成分で治すことを心がけているようでした。まったく年齢を感じさせないスタイルも自分な好きな食べ物をおいしくいただくように心がけているということでした。芸術家に若い、若くないなどまるで不要な分類だと実感しました。

やはりジェニーの真の変わらぬ秘訣はその探求心と好奇心にあると気づきました。この記事でステイーブン・ウィルソンがお奨め盤として挙げていますが、ジェニーは実によく現在進行形のプログレを聞いているのにはびっくりしました。しかし新しい音を模倣するのでなく、時代の息吹を感じて、自分の音楽として息を吹き込むのです。この世代にありがちな現在のネオプログレはつまらない、過去の焼き直しだという批判など一切せず、時代の息吹を常に熱心に感じ取ろうとする姿勢でした。

(c)Rockprogresso

またジェニーの音楽修業はあまり知られていませんが、クラシック出身ではないジェニーはここ20年くらいから声楽のレッスンを開始していたのです。それまで自己流でもわりと声は出ていたが、やはり訓練の有無は違うと謙虚に語っていました。その成果は来日公演でも顕著に表現されていたのではと感じました。

今月はローマでライブに備え準備中とのことです。今後もサンジュストはじめ、ローマプログレ人脈のプロジェクトなど活発に活動するジェニー・ソレンティにご注目ください。

(c) Irene Fittipaldi

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 ジェニー・ソレンティが音楽的ルーツを語る伊PROG誌の記事をご紹介します。

MUSICAL BOX - Jenny Sorrenti

伊PROG誌No.10  掲載記事より (翻訳掲載許諾取得済)Permission for translation obtained. (all rights reserved)

 

72-73年頃、ウェールズ出身の母が兄アランと私のためにロンドンから満杯にして持って帰ってきたスーツケースを「夢のスーツケース」と呼んでいました。スーツケースの中にはあらゆるものが詰まっていました。キャンディ、置物、当時流行の中世風の花柄のエンパイア・ドレスや日用品などです。

ナポリのヴォーメロの丘に住むお年寄りの家は自分たちがロンドンに滞在する時に自宅を私たちに使わせてくれました。当時もう子どもと呼ばれる年齢の終わりだった私たち兄弟はそこで新しいイギリスの音楽を聞いていました。

フェアポート・コンヴェンション、スティーリー・スパン、ペンタングル、ジ・インクレディブル・ストリング・バンドなど当時のブリティッシュフォークロックを聞いて夢中になり、いつかシンガーになってロックバンドで歌いたいと思うようになりました。

(c) Roberto Vignolo

兄アランの友人のトニー・グリーンがギターのコードを教えてくれました。私は最初に演奏した曲はフェアポート・コンヴェンションのWho Knows Where the Time Goesでした。トニーはベースプレイヤーで、少しずつ私をロックの世界に導きました。レッド・ツェッペリン、ピンクフロイド、ジェネシス、ジェファーソン・エアプレーン、トラフィック、サードイヤーバンド、イーストオブエデンなども聴くようになりました。

 

父はフランク・シナトラ、ハリ―・ベラフォンテ、ディーン・マーティンやナポリ歌謡について教えてくれました。車庫や屋根裏部屋で歌を歌いまくりました。ドラムやエレキギターの大音量緩和のために壁には卵のパッキングを防音用に貼りつけました。冬の夜はずっとジャムセッションをしていました。殆ど寝ていなかったと思います。

一日中音楽の中で呼吸していたような感じでした。でも私の心はどこか虚ろでした。母は私が大学を卒業することを望んでいました。父は私の味方で応援してくれました。心は音楽に向かっていましたが、現実との選択に悩みました。結局マジカル・ヒッピーの道を選び、シンガーとなり、作曲家として、プログレッシブ・ロックグループのリーダーになる道を選びました。これがサンジュスト誕生のきっかけでした。

ミュージシャンを増員してイタリアに向かいました。フェスティバルや当時の演奏する場所の定番であった政治団体主催の集会で演奏しました。

サンジュストのアルバムTHE HOME OF THE LAKEはローマ、ブラッチャーノの湖で曲を書きました。もうそれ以来ずっと音楽を書き続けています。曲作りは大変な労力、あらゆる犠牲、睡眠不足を要しますが、全てが完成時には笑顔に変わるのです。自分の中の「詩作」を受け止め、内なる炎はまだまだ自分の中で燃え続けているのがわかります。この炎は消えることはないでしょう。

 

ここで、私にとって大切な曲についてお話しします。

 

BLUE - Joni Mitchell (1971)

人生の問題について自分に問いかけていたとき、そして自分がどうありたいか、について考えていた時に出会った曲です。

この曲は私にとって内省、そして瞑想の曲です。私はバンド内での独立した役割を考えた時にキーボードとピアノを習得しなければならないと気が付いた曲です。

本当に名曲だと思います。女性で作曲、演奏、歌を一人でこなした最初の女性アーティストでした。このアルバムの曲を全曲そらで歌えます。

 

ATOM HEART MOTHER - Pink Floyd (1970)

私にとって転機になったアルバムです。初めて聞いたとき、夏のいいお天気の日、屋根の上に座っていました。このアルバムはあらゆるニュアンスを含む旅や映画のように感じました。このアルバムを聞いていると欺瞞に満ちた社会と戦場で戦っているような気になりました。私の人生で最も大切なアルバムです。

 

ASHES ARE BURNING - Renaissance (1973)

クラシックとロックのミックスはずっと好きでした。よりプログレな音楽はあらゆるジャンルがミックスされているものです。このアルバムはデリケートだけれども強いクラシック性があります。アニーハズラムの登場まではロックを歌うことは叫ぶと同義でした。ジェーンレルフもアニーと似たような存在感でした。

 

ASTRAL WEEKS - Van Morrison (1968)

このアルバムを聞く人を真っ二つに引き裂きます。作り手の苦悩が聞き手を突き刺します。文字通り心臓に突き刺す剣です。当時ロンドンにいて、行く先々の通りからASTRAL WEEKSが聞こえてきたことを覚えています。もう全部覚えてしまうくらいよく聴きました。ヴァンモリソンは天才ですね。

 

Surrealistic Pillow - Jefferson Airplane (1967)

ジェファーソンのサイケロック。ウッドストックは視覚と幻想の音楽の発見。グレーススリックは女性リーダーで傑出した声の持ち主です。曲は美しく、歌詞は当時の世代の考えを反映しています。誓うことは全て現実になる。若い頃の夢は現実になると思いました。

MR FANTASY - Traffic (1967)

ジャズ、ロック、アラブ音楽の混濁。トラフィックではいちばん美しい曲だと思います。スティーブウィンウッドが若く、その天才性や創造性においても頂点の時期だと思います。

 

U - Incredible String Band (1970)

シアトリカルな音楽の融合。何と定義していいのか。マジックサーカス、彷徨えるミュージシャン?音楽にはジャンルの壁がないことがわかります。リコリスの素晴らしい声。シンプルでありながらも傑作が沢山あるアルバムです。

 

UNHALFBRICKING - Fairport Convention (1969)

この中のWho Knows Where the Time Goesは初期の頃よくギターで弾きました。英国フォークはエレキギターやドラムがあり、ロックっぽいので好きでした。イタリアではトラッドはアコースティックしかありませんでした。

 

MANHOLE - Grace Slick (1974)

熱さと優しさを兼ね備えたアルバムですが、私にとってはとても悲しい一枚です。この時期、サンジュストがもう先が長くないと悟り、じきに私がソロで活躍しなければいけないことが見えていたからです。ジェファーソンでのグレースもそうでしたね。Jayは純粋な詩で、グレースの作品では最も美しい歌だと思います。

 

HAND. CAN NOT. ERASE. - Steven Wilson (2015)

ポストプログレまたはネオプログレでしょうか。定義はともあれ、ウィルソンは70年代のプログレの味わいと特徴をうまく取り出し、自分なりの解釈で飽きさせることなく聞かせてくれます。エレクトロポッププログレ?でしょうか。とてもうまくデザインされたミックスで、Perfect Lifeなどは感動します。

 

★ジェニー・ソレンティについて★

イタリアンプログレにおける最高の女性シンガー。サンジュストよりアルバムを2枚発表(Saint Just [1974],  LA CASA DEL LAGO [1974])。ソロとしてSUSPIRO (1976)を発表。ゲストにルーチョファブリ、ピノダニエレ、ペーテルカウコネンが参加。2011年にサンジュストを再結成、PROG EXPLOSIONを発表。現在は新結成のサンジュストとライブ活動を行っている。新作アルバムを制作中。

(c) Roberto Vignoli

 

★ジェニー・ソレンティ最新情報★

www.facebook.com/jenny.sorrenti.3

 

他のイタリアンプログレ最新情報はhttps://www.facebook.com/RockprogressoItalianprog/?fref=ts をご覧ください。

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