ひょうごの在来種保存会

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250503西脇市 高嶋のたけのこ

2013年05月06日 | Weblog
 西脇市の農産物直売所「旬菜館」でお客さんが取り囲んで筍談義の中心となった「高嶋のたけのこ」。
この産地を調査してきました。
 お話を伺ったのは、高嶋のたけのこ生産者お二人で、共に北田さんです。旬菜館とフレスコに出荷されています。
 明治中頃、山本ウノスケさんが、京都亀岡から竹を5本買い、荷車引いて一日かけて帰ってきました。この5本を元に増やしてきたのが高嶋のたけのこです。
 竹林は約3ヘクタール、10件ばかりの方が所有されています。昔は市場にも出荷していましたが、現在は4件くらいが地元の直売所等に出荷しているだけで、他の方は自家用か、残念ながら手入れをされていないところも多いようです。

 筍の作業は冬の竹林づくりが最も大切です。
 というのも、竹の根は毎年広がっていくので、手入れをしないと土中に根が張りすぎ、土中が詰まってしまいます。土入れがなされず、地表に出てきた根。(写真)


 こうなると、筍は小さくなるとともに、根の合間からでるため、堀りにくく形も悪くなります。
 そのため、竹林では毎年、5センチから10センチくらいずつ、土を上に載せて増やしています。
 昔は古くなった畳を敷くやり方もあったとのことです。
 毎年、少しずつというのが大切であり、一年で数十センチも積むと土中で竹になってしまうとのこと。毎年の作業が必要なんですね。

 上に盛る土は、夏の間の草や落ち葉など田山の有機物と、竹林の一部の区画から掘った土です。竹林の一部の区画を掘って、筍を生育させる区画に土を移動します。
 土をとってしまった区画は竹も根も掃除してしまうこととなりますが、また周辺から土をとったそのまた下に根が伸びてきますので、数年後はその区画がたけのこを収穫する区画となります。当然、その時は周辺の別の区画から土が毎年供給されるというシステムになっています。
 年月をかけて土が竹林内をぐるぐる回っているのです。養分も、筍を出荷して外に出て行く分だけ、外から田の草などの有機物が供給されていて、まさに資源循環された世界です。

 ※土が回転している竹林は高低差ができている


 土づくりのほか、竹の管理も大切です。手入れされた竹林は竹と竹の間が広く、適度に本数管理されています。「傘をさして歩くことができる」というのはよく言ったもので、筍にじゃまにならず、土に日が適度に当たり、作業性も良い間隔で管理されています。



 また、生えている竹も「親竹(おやだけ)」と言い、周辺には他の竹は増やさないように大切に管理され、何年間も筍を産む親となります。
 北田さんの園では親竹に生えた年が刻まれており、これを目安に数年から十年程度の間に「親竹の更新」が行われています。
 ※昨年(平成24年の親竹)


 更新は一定の年月が経った親竹周辺で、目に留まった筍をそのまま大きくされ、4メートルくらいになった6月頃、大きく左右に振られます。振られた若い竹はまだ強度ができていないためか先が折れます。
 一定の高さで先が折れるとその上には伸びず、枝を張ることとなります。こうすると雪により倒れることも少なくなるということでした。伝統の知恵ですね。


 30年ごろ前には共同のたけのこ加工場が設置され、ゆでたけのこを缶詰(一斗缶)や瓶詰めにして周辺の飲食業や市場で販売していたそうです。今は生産量が少なくなったため共同加工は行っていませんが、一部の家庭で缶詰加工は行っているとのことです。
 たけのこ栽培は10月に米づくりを終えた後、11月から冬の間、家族で山の手入れ作業を行い、5月まで収穫を行うという、一年間の作業が米づくりと相性が良いようです。北田さんも「子供の頃、鍬もって家族総出で土を動かした。」そうです。

 お話を伺ったあと、園に行って収穫方法を見せていただきました。美しく手入れされた竹林の一部にひび割れた地面があり、北田さんが「ココに1本、出かけてます」と。


 これだ!
 これがテレビで見た筍収穫のお決まりの光景です。でも実際に見ると起伏や枯葉もあり、結構わかりづらいものです。

 「(筍先端の)葉が見えれば、どの方向に生えるか、わかりますよ。方向がわかれば、地中の姿や根の位置もわかるので、傷をつけずに収穫できます。」
 北田さんは地面の割れたところを丁寧に鍬で掘り始められます。
 しばらく掘ってみるが、あれ?出てこない。。。。ハズレか?・・・と思った瞬間、地中からまだ黄色い葉先が見えてきました。てっきり地面にひび割れができているものだから筍はすぐそこのところにきているのかと思いましたが、10センチも深いところにありました。















 丁寧に周辺の土を取り払われると、特別の鍬の登場です。
 なんと刃が1メートルもある特注。これはテレビでも見た事無い。
 「もう少し長いものが欲しいのですけどね。」と北田さん。
 こんな鍬、いったいどんな使い方をするのかと思えば、テコの原理で掘り起こされるんですね。










このあたりは、まさに匠の技です・・・







 根の位置をしっかり確認してこの特注鍬で「グサッ。グイグイ・・・ぽこっ。」と。
 30センチくらいでしょうか、「筍から土の表面まで伸びる間があったからまだまだ土の中で大きくなるけど、実際に食べるとなるとこのくらいが美味しい。」というサイズだそうで、直売所に出すとなると600円くらいだそうです。

 掘った後の穴は鶏糞をひしゃく2杯、「お礼」に入れて綺麗に埋め戻します。いろいろ説明いただきながらですが堀始めから20分くらいかかったでしょうか、この手間による対価として考えると、かなりサービス価格でないかと思います。








 高嶋のたけのこは前のブログに写真を載せましたとおり白く太く美しいたけのこです。
 たけのこは日に当たると皮に色が出るとともに、地上に出た筍としては動物に食べられないようにアクを発生させるのですが、日に当たる前に掘り出す高嶋のたけのこはエグ味も無く、柔らかくいただけます。
 私も旬菜館で買ったり職場の方からいただいて食べましたが、太い部分も「かみ締める」というより「束がほぐれる」といった感じです。
 「アクが少ないのでヌカがいらない」というのも納得。筍の刺身は苦手なので、軽めの水煮でいただきましたが、香り高く歯切れ良く、当然ヌカの臭いも無いので塩も醤油も無くおいしくいただけました。

「この竹林からこのようなすばらしい筍が出来る。この先人の残した財産をなんとか次世代につなぎたい。」
 と北田さんお二人。高嶋のたけのこが新しい動きを見せ始めました。



参考

 ※北田さんの鍬(鍬なのかな・・・?)


 ※手入れがされない竹林
  竹が生い茂り、地面に光が入らず、たけのこの姿も見られません



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