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十三人の刺客

2010年10月01日 | さ行 日本映画
オリジナルは未見。名前だけは知っておりましたが、見る機会もなく、残念。

時はエドの12代将軍の頃。ここはとっても大事で、11代将軍というのは、あの大御所時代を築いた将軍家斉の後を受けた時代なわけでございます。
かの有名な家斉は、側室の数も、その即室に産ませた子供の数も、たぶん歴史上、日本一と思われます。子供の数は、ざっと50人以上。

問題は、その後のことで、将軍の子息となったら、下手なところに嫁にやったり、養子にやるわけにもいかない。それ相応の受け皿を作り、丁重に迎え、出来ない子供だろうが、できる子だろうが、そんなことは一切関係なく、徳川のご威光に縛られるわけでございます。

ま、こんなバカ殿も当然アリで、ものすごく説得力のある話なのでござりまする。
実際、明石藩に斉韶というお殿様はいたようですが、それがバカ殿かどうかは定かではござりませんが、明石藩にも、無体な要求を突きつけたのはアリのようです。

吾郎ちゃんのあまりバカ殿っぷりが素晴らしく、なんて役者なんだ~と感心することしきりですが、どこか厭世的、ちゃんと己をわかってて、こんな自分を使わざるを得ないような世の中にしてしまった徳川の世を嘆き、なかば突き放しながら、そこでしか生きる術のない殿様の心情がにじみ出てる。ちょっと感心してしまいました。

さあて、この主君のあまりの暴虐ぶりに、身を投げ出して訴えに出た家来の命など、屁とも思っていない。いづれは自分は老中になるのだが、どれだけ自分の暴君ぶりが許容されるのだろうかと、まるで試しているかのように、ますますの暴虐ぶりを発揮する。

このままでは幕府の権威までもが崩れてしまう・・・。意を決した土井大炊頭利位が、御目付の島田新左衛門に斉韶の暗殺を命じる。これは命を捨てろということと同じ。泰平の世に武士として、命をかけることなど思いもかけなかった男が、立ち上がる。

ここからは、ほとんど前振り。すべては落合宿に斉韶一行をくるように仕向け、仲間を集め、命をかけて本壊を遂げようと画策する。徐々に集まる刺客たちだが、この際キャラも二の次。怒涛の50分間のチャンバラがすべてだ!!

さすが、見てる方が疲れるほどにやれ!これ以上できない!!というところまでやれ!といった監督の気持ちが伝わってくるほどの粘っこいチャンバラで、超満腹でござります。おいしいとこ独り占めの伊原も、なかなかの槍使いの古田も、さすがの存在感の市村も、どれもこれもみんないいっちゃ、いいのだが、これぞ真骨頂!!を見せてくれたのは、何といても松方弘樹様!!!

いやーーー、さすがの貫録。刀の手さばきが並みでない。手にしっくりなじんでる。さすが近衛十四郎ジュニア(ちょっときついか)!!いやーーあっぱれすぎて、見入ってしまいました。

それぞれいいキャラ立ちで、伊勢谷君は、やり過ぎですが、とことんカッコよく、男たちの壮絶な立ち回りをタップリ見せていただきました。ありがとうございます。

宿場は5月に行ってきた庄内映画村だが、行ったときには、この痕跡はあちこちにあったなあ・・とちょっと感慨に浸れました。高岡君は、「座頭市」に続いて、庄内に来ていただいたんですね。ご苦労様です。「座頭市」とは、姿は似てるけど、真逆なキャラで、面目躍如でしたね。

それぞれがんばってはいましたが、なにせ数が多いもんで、一人一人の際立ちが薄くなるのが残念。その中で、久しぶりにお目にかかった松本幸四郎の重厚な存在に胸打たれました。

男なら、どうせ出るんなら、こういう心からのチャンバラに出たくなる!そんな思いを抱かせていただきました。

◎◎◎◎

「十三人の刺客」

監督 三池崇史
出演 役所広司 山田孝之 伊勢谷友介 沢村一樹 古田新太 高岡蒼甫 六角精児 波岡一喜 近藤公園 石垣佑磨 窪田正孝 伊原剛志 松方弘樹 松本幸四郎 稲垣吾郎 市村正親
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14 コメント

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Unknown (ume)
2010-10-01 22:34:32
うん、観たい気持ちはあるんですがね・・・。
どうもパワーが要りそうな気がして、この頃疲労気味の身体には堪えそうな気が・・・。
元気になって観たいもんです。
Unknown (KLY)
2010-10-02 00:09:25
松方さんですよ!素人目にも明らかに一人だけ輝きが違う!レベルが違う!
流石は東映時代劇の生き残りです。なんだろう、もうきっと私たちの目で判別がつかないような細かいところまで完璧に意識してるんでしょうね。
あら、落合宿は庄内映画村ですか。確かに広くないと無理だろうしなぁ。実は今日「桜田門外の変」を見てきたのですが、桜田門外と彦根藩屋敷のセットはどこに作ったのかななんて考えてました。あれはでも流石に違うのかな。
チャンバラ映画 (mariyon)
2010-10-02 00:17:50
いやぁ~~、ほんと、切って切って切りまくれ~~って、予告のとおりでしたが、そこに至るまでが、なかなかうまく描かれていました。
テキトーに笑いもあって、退屈もしない。

吾朗ちゃんの悪役は話題作りももちろんあるんでしょうが、ぴったりでした。

山田君のちょっと暗そうな世の中をハスに観てる感じがけっこう好きです。
その反面、伊勢谷くんは明るかったですね。
>umeちゃーん (sakurai)
2010-10-02 22:19:38
大丈夫、大丈夫。
長いけど、その長さはほとんど感じないし、パワーはあふれてますが、結構コメディタッチなところもあって、気を緩めるとこもいっぱい合るんで、是非。
あたしが行ったときは、年配のご夫婦が多かったのですが、かなり笑いもおきてましたわ。
>KLYさま (sakurai)
2010-10-02 22:25:45
本当に松方さんには脱帽でした。
刀さばきが全然違う。もう手になじんでる。
あれほどの刀さばきは、久しぶりにお目にかかりました。
さすが、近衛十四郎ジュニアっすよ。
ああ、、素浪人シリーズが懐かしい。
やっぱあたしは、ねっからチャンバラが好きなようです。

庄内映画村、東京ドーム20個分!とか言われてますが、どこまで見ても電信柱一本もない!てのが売りですので。
「桜田門外」は違うようですが、これからもがんがん撮って欲しいですわ。
ただし冬は無理ですね。あの辺の雪は半端ないんで。
>mariyonさま (sakurai)
2010-10-02 22:28:34
それぞれのキャラが立ってて、なかなか面白く見ました。
原作の作りがいいのでしょうが、時代の描き方も納得がいきました。
吾朗さんは、すごいですね。
アイドルなんてのは、ああいう役は引き受けないもんでしょうが、あまりにはまりっぷりに、この後大丈夫かと、老婆心ながら・・・。
Unknown (ヨッピー)
2010-10-04 16:31:14
>KLYさん
「桜田門外の変」などの城下町ロケは茨城で撮影しているそうです。
最近の町屋ロケはほとんどココだそうです。

茨城県つくばみらい市
「ワープステーション江戸」
http://www.wsedo.co.jp/
>ヨッピーさま (sakurai)
2010-10-04 20:42:49
「桜田門外・・」は、茨城県がかなり力を入れて作った!!とか。 
撮影もその地でやってるというのは、聞きましたが、結構な施設を作ってるんですね。
日光江戸村もかなり寂れて、修学旅行のポイントからはずされてるみたいですから、新たなポイントでしょうかね。
こんばんは~♫ (由香)
2010-10-05 23:05:05
お邪魔します・・・
かなり評判がいい映画なのに、思いっきり辛口感想を書いたもので、、、今更ながらビクビクしています(泣)
でも~どうしてダメだったんですぅ~(泣)
なんだろう?とにかくアチラコチラで生理的に合わない描写がありまして、観たことを後悔するくらいでございました。残念無念(泣)
>由香さま (sakurai)
2010-10-06 15:55:17
私は撮影の現場も行ってきたんで、普通以上に思い入れがあるかもです。
頭かしげるところも多々ありましたが、すべては三池監督なんで、折込済みと思ってみてました。
でも、あれだけ見せられて合わないと、ちょっと悔しいですよね。
そうか~。 (mori2)
2010-10-14 21:23:42
なるほど、庄内映画村ですか。
sakurai様にとっては、“ご当地ムービー”ですね。

吾輩もオリジナルは未見なのですが、ココまでやっちゃったら、コレはコレでありかな?と…。
>mori2さま (sakurai)
2010-10-15 21:17:40
はーい、落合宿はとんと遠いとこですが、撮影は御当地でした。
ここまでやったら、天晴れあげてもいいかなと思いました。
男ですよねええ。
半々。 (KON)
2010-10-21 09:28:25
ようやく見ました。前半のおどろおどろしい感じから、一転してお笑いパート、後半怒涛のアクション三昧。
いや~50分のチャンバラに全てをかけた!というのは痛いほど伝わりましたよ。しかし・・長すぎて。13人対300人なんだから、もっと爆弾使った方が・・とか、言ってもしょうがないことが頭から離れず・・。男のロマンというやつなのか。ここを楽しめるかどうかがこの映画の鍵ですね。
ベテランの役所さんや松方さんや幸四郎さんが素晴しすぎて、若手の頑張りが浮いた感じになったのは残念です。吾郎ちゃんの演技も、私には稚拙に映りました。この時代が生み出した「怪物」を表現するに相応しい役者がもっと他にいるような気がします。
とはいえ、メリハリが利いたエンターテイメントとしてなかなか楽しめました。監督ならではのこだわりや遊びもあるし。半々です。
>KONさま (sakurai)
2010-10-22 07:56:28
半々って感じる気持ちも良くわかります。
この映画、評価は完全に二分されてますもんね。
私も映画の中で、膝を打つ場面と、なんかなあと思う場面がありましたもん。
いろいろと突っ込みどころはアリですが、そこをぐっとこらえてあり得ねえ展開を楽しむのが常套だと思いますわ。
若手が青く見えるのはその通りでしょうね。なんせ13人もいるわけですから、その中にいろいろといる、ということが逆に表わされているんじゃないでしょうかね。
すべてがみんなすごすぎたら、どんな映画になるか想像もつかないです。満漢全席みたいな。
あのくらいの中和が良かったのかもですね。
稚拙に見えたのももしかしたら計算のうちかもしれないですよ。一切深みもなく、浅はかな人間なくせにそれほどの力を持ってしまった齟齬かもです。

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