もらとりあむタマ子

大学は出たけれど・・ってやつ。なんだかうちの娘を見ているようだった。遠くの大学に行ったもんで、帰ってくるのは２年に一回くらい。そのほんとに、ごくごくたまに前ってくるとまじにトド状態。いや、トドに失礼かもしれないくらいにぐでーーーーっとしてた。いつまでも寝てる。飯！にしか反応しない。３日以上いるとしても、帰ってくるときの彼女の荷物は、パンツも入らないくらいに小さなやつ。

何だと思いますか？パンツ一枚、靴下一つ持ち帰らず、直行「ジャスコ」に！服を買えという圧力っす。んな生活してて、いったいどうやって生きてるんだ？と。一度行きました、はい。彼女のアパートに。ベランダに積まれたごみ袋の山！！！部屋に散乱しているペットボトルと酒瓶と漫画の山脈。ホント、つくづく思った。自分の教育力のなさを。

いや、んなことはない。自己責任っす。自分が悪いんす。タマ子ちゃん、あんたもだよ。

分かってんだよねえ。どうしようもないのは。わかってるんですよ。何とかしなきゃいけないのは。でもね、でもね、できないのよ。こればっかりは、どうしようもない。頭じゃわかってるんだけど、世の中が悪い！っていうふうに言っちゃう。。。

などという、結局はお父ちゃんに甘えてる娘のお話でした。就職できずに実家に帰ってきたタマ子ちゃん。一応夢とか、なりたいかもしんないものとかもあるんだけど、とりあえず今はぐうたらした。できれば、ずっとぐうたらしたいんだけど、そうもいかないものわかってるけど、いまん所ぐうたらするのが自分の仕事みたいな。。

そんなぐうたらな様子がとっても似合ってました、アッちゃん。ブスい表情が似合うんだ、また。よくこんだけの役をやったもんだ！えらい。いちいち、わかる～っていうのと、ただの甘えジャン！っていうのが、ほんとに滲み出てました。甘えられるお父ちゃんの存在がこれまた効いてる。こまごまと掃除し、洗濯もちゃちゃっとやっちゃう。でもって、料理がまたうまい。昆布とかつおで本格的に出汁とっての年越しそばっすよ。

タマ子の心の支え（？）になってた中学生がいい味出してましたな。「恋と部活に忙しいだよ！」なんて、普通出ませんぜ、んなセリフ。

AKBなんちゃらの様子は全然知りませんが、役者としての才能は非凡なものがあるっす。むくれた表情がこれほど似合うのは稀有です。

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「もらとりあむタマ子」

監督　山下敦弘
出演　前田敦子　康すおん　伊東清矢　鈴木慶一　中村久美