迷宮映画館

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モンテーニュ通りのカフェ

2008年12月11日 | ま行 外国映画
いかにもおフランス!という空気が漂っている。このフランス風味が鼻につく人は相容れないのだろうけど、あたしは大好きです。

おばあちゃんに育てられたジェシカ。昔パリで過ごしていたおばあちゃんの話を聞いて、パリに行こうとする。でも、なかなか仕事は見つからない。

パリ8区の昔ながらのカフェ。ギャルソンしかいないのが伝統だったが、人手が足りずに、やむを得ずジェシカを雇うことに。このカフェには様々な人がやってくる。

有名人に、俳優に、ピアニストに、裏方さんに、掃除人。誰もが皆同じお客様だ。

忙しいのは数日後に、向いのギャラリーで、オークションはあるは、コンサートはあるは、舞台はあるは!!

そのオークションに自分のコレクションをすべて出そうとする収集家と、どうしても格式ばったピアニストがいやなピアニストと、昼メロの女王と呼ばれる今一歩前に尽き抜けない女優の、それぞれの今が描かれる。

何ということはないさりげない会話だったり、晴れの舞台に向かうまでも葛藤だったり、自分を売り込もうとする健気な孤軍奮闘だったり、それらがまぜこぜなようでありながら、ちょっとずつリンクして行く。

会話がいいんだなあ。「結局、ビノシュやアジャーニなのよね!」なんて言ってしまったり、締めは「べルッチよ!!」だし。

これが本当に最期の姿のシドニー・ポラック扮する監督に、「『タクシー・ドライバー』はよかった・・・」とか。

カトリーヌ・ド・メディシスを好きなフランス人はいないと思うが、その辺を見てる方に媚らず、あっさり言わせちゃうエスプリ等々。いいなああ。

素敵なのは収集家と、ギャラリーに勤める老管理人。いいわあ。

ちょっとしたサプライズに、粋な生き方をするパリっ子たちを羨む映画かもしれないが、醸し出す空気がとっても素敵だった。

前作の「シェフと素顔とおいしい時間」がちょっといまいちだったのだが、さすが「王妃マルゴ」の脚本家。妙に迎合せずに、らしく書いた方がとってもいい。

◎◎◎◎●

『モンテーニュ通りのカフェ』

監督 ダニエル・トンプソン
出演 セシール・ド・フランス ヴァレリー・ルメルシエ アルベール・デュポンテル クロード・ブラッスール クリストファー・トンプソン ダニ ラウラ・モランテ


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうですね~! (miyu)
2008-12-12 23:13:01
いかにもおフランス!な雰囲気が良かったですね~♪
エスプリのきいたセリフの数々、
なかなか粋な映画でしたね~。うんうん。
>miyuさま (sakurai)
2008-12-14 20:21:16
粋な空気がとっても素敵でした。
みる方に媚売ってないのもよかったなああ。
こういう雰囲気、好きです。
よかったですね (武子丸)
2008-12-16 07:42:13
私もこういう映画、大好きです。主人公の女性は、ショートヘアのせいか、ジーン・セバーグ似だなぁなんて観てました。
>武子丸さま (sakurai)
2008-12-16 08:55:01
そうですね。
似てる、似てる。
Gジャンざっくり着たり、何気ない服装や髪形が、おフランス風味でしたね。
素敵な映画でした。
Unknown (はくじ)
2008-12-18 21:09:35
こんばんは。
TBならびにコメントありがとうございます。

この映画は個人的にはすごい好きでDVDも購入してしまいました。
>はくじさま (sakurai)
2008-12-18 22:50:26
DVDも出ちゃいましたね、すでに。
でも、やっぱ映画館で見れて、とっても良かったです。
ギャルソンの (メル)
2009-02-11 11:20:06
恰好がとてもよく似合ってた、キュートな女性でしたね~♪
彼女の明るさとか彼女のおばあちゃんの前向きなところとか、全体的に凄く好きな雰囲気でした。
そう、それに会話!面白かったですよね~♪
私も、「ピノシェやアジャーニなのよね」には笑っちゃったし、呼び捨てでかなりお怒りだった(^◇^;)
「ベルッチよ!」には参った!^^
面白くて面白くて~。
そこと、監督(シドニー・ポラック)とのレストランでの会話が一番面白かったかな~^^
勿論他の部分も面白かったですが。
こんなカフェで働いてみたいわ~って(大変だろうけど)思いました♪
>メルさま (sakurai)
2009-02-12 12:20:12
見る前は、そんなに期待してなかったのですが、見ているうちにあまりの上手さに、どんどんと引き込まれていきました。
素敵な映画でしたわ。
彼女のキュートさもこの映画の大きな魅力でしたね。
あの会話の妙がわからないと、映画の面白さも半減しちゃうでしょうね。
そういった作り方も超然としてて、好きでした。

「王妃マルゴ」はごらんになりましたか?
あれはまたおどろおどろしいのですが、凄い映画でした。傑作ですわ。
粋なフランス映画 (中年ジュリー)
2010-04-10 09:07:30
コメント有り難うございます。

こういう映画を見ると、フランス人は人生の機微を知っている、と痛感しますね。
好きなタイプの作品です。
ヒロインも健気で、応援したくなりました。
がんばれジェシカ。
>中年ジュリーさま (sakurai)
2010-04-12 12:34:42
そうでしたね。
粋っていうのが何なのか・・・。
構えずに知ってるのが、フランス人ですね。
当たり外れも多いのが、フランス映画ですが、これは大当たりでした。

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