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カラヴァッジョ 天才画家の光と影

2010年06月23日 | か行 外国映画
さて、美術にさっぱり造詣の深くない私は、絵の良し悪しはとんと不調法だ。
ほとんどフィーリングと、インパクトでしか見れない情けなさ。
画家については、その人となりを描いた映画でなんとか勉強しているという始末だが、大概の絵描きというのは、非常に特異な人生を送っているように見える。

いや、特異な人生を送ったからこそ、映画になっているのかもしれないが、さすが芸術家!凡人と決定的に違うところは、人生の中の優先順位ではなかろうか。己の中からわき起こってくる何か。心の底から絵を描きたい!!と思うのだろう。

そして生みだされた絵は、見る人の心を打つ。

自分には絵を描く能力もなければ、美しい旋律を奏でる才能もない。ただそれを愛でるだけ。でも、それが一番いいのかもしれない。

さて、カラバッジョ。
恥ずかしながら、名前だけしか存じ上げていなかった。「カラヴァッジョの代表作?」といわれても、すぐには思い浮かばない。言われてから、「なるほど!」という按配で情けないことこの上ないが、その一般的な認知度の低さの原因となったことがよーく分かった。



この人物は、絵も素晴らしいが、あまりの先見性と、追求されたリアルさが一般的には理解されなかった。ここでいう一般的というのは、教会の基準に一般的ということだが、なにより優先されるのは教会のそれだったから、しようがない。

と、その激しすぎたスキャンダラスな生き方をクローズアップし、絵よりも先んじてしまうのは、われわれ一般大衆の常だ。絵筆をいつも携えている!というのではなく、いつも剣を携えていた絵描き。こんな人間だった・・・といううわさ話のネタには、ピッタリの人物だ。



聖女のモデルは娼婦、その辺にいる市井の人々こそが、聖人のモデルであり、それらの人たちと聖人となんら変わりはない。まるで、高級聖職者に喧嘩を売るようなもんだが、彼にそんな気はさらさらなかっただろう。ただ素直に注文されたものに見合った絵を描いただけ。その絵のモデルが貧乏人であろうと、金持ちであろうと、教皇であろうと、同じだったのではないか。そんな風に思えた。



というのが、映画を見て、カラヴァッジョという人物を知っての感想なのだが、映画は、中世ローマの街中の様子やら、絵を描く過程の丁寧さ、実際の絵を見て、なんと映画の人物とモデルのイメージがぴったりなことかと、しばし呆然。すごい。

もとは、2回くらいのTVドラマで、それを映画に編集し直したということだが、イタリアの作品にはこういう形のものがよくある。「マリア・カラス」や「マザー・テレサ」などでお目にかかったが、どれもなかなかの出来だ。どんなところに金をかければどんな重みの作品になるかを、よーくわかっているように思う。

で、なによりあたしを惹きつけたのが、最初は表情がよくわからなくて、いまいちだと思っていたカラヴァッジョが、徐々に、だんだん、じわじわと!!!!見ているうちに、最高に素敵に見えてくる。ひげともじゃもじゃ頭で、よくわからなかったのだが、なんとまあ、あたし好みのいい男!!!!!

もう、終わりのころには、完全にハートをわしづかみ状態。なんて素敵な人なんだろう・・・・と、惚れまくっていたところ、「輝ける青春」の、あの超超かっこよかった次男のマッテオの役者さんだったというではないか!!!!!うーーーん、あたしの目に狂いはありませんでした。



光と影を自在に描き、激しく生き抜いた彼の濃い人生と、とっても素敵な男性を堪能出来た、お見事な一本でした。

◎◎◎◎○

「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」

監督 アンジェロ・ロンゴーニ
出演 アレッシオ・ボーニ ジョルディ・モリャクレール・ケーム パオロ・ブリグリア ベンジャミン・サドラー エレナ・ソフィア・リッチ サラ・フェルバーバウム 
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4 コメント

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お見事でした (KLY)
2010-06-24 23:26:00
カラヴァッジョだけに光と陰の使い方が上手い作品でしたよね。何かシーンシーンが絵画みたいで、こういう作品て凄く好きです。
マルタ騎士団って実は以前ちょっと別件で調べたことがありまして思いいれがあったんですね。だからあの騎士団の制服や騎士たちの並んでいる姿を見てもうそりゃドキドキしてました。(笑)
>KLYさま (sakurai)
2010-06-27 20:19:59
本当にお見事な一本でしたね。
絵のことをきちんとわかって作ってる、さすがおひざ元だなあと思いました。
絵も、みんなそれっぽくて、よかったです。
へーー、マルタ騎士団に何か?
あの制服はなかなか素敵でしたね。
三銃士を思い起こしました。
人生の光と影 (ひらで~)
2010-06-28 21:13:29
初めまして。
作品に負けないくらい、光と影の部分の多い人生だったというのが、
ストレートに伝わってきて、興味深く観ることができました。

カラヴァッジョを演じたアレッシオ・ボーニ、
私も徐々にいい男に思えてきました♪
>ひらで~さま (sakurai)
2010-06-30 21:19:24
こちらこそ、どうぞよろしく。
そちらの映画事情は、結構知っております。
なぜかそちらの県の方の知り合いが多いもんで!

芸術家という生き物は、凡人はなかなか理解できず、映画も難解になるのも多いのですが、これはわかりやすかったし、絵も迫力あって、よく出来てましたね。
主人公がいい男だったのも、ポイントアップでした!

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