迷宮映画館

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クライマーズ・ハイ

2008年07月11日 | か行 日本映画
1985年、いろいろと思い出深い年で、今でもいろいろなことが昨日のことのように思えてくる。まず、大学を卒業したのがこの年。就職がなくて、【家事手伝い】というやつに従事していた。

夏になって、PL学園が怒涛の活躍を見せていた。歴史に残る点差の試合をしていた。(まさかそこに勤めるとは思ってもいなかったが・・・)阪神が岡田・掛布・バースの三連発で快進撃をし、夏目雅子が亡くなった・・・。

あの日は、おやじとTVを眺めていた。やけに暑い日だった。やおら臨時ニュースが流れて、日航ジャンボが墜落した・・・の文字が流れた。お盆の前の日だった。

お盆の周辺では、あの世の魂が元気になって、大きな事故が起きるのだ・・・などという、全く科学的根拠のない話を思い出した。

500人を超える人が一度に亡くなってしまったのだ。その壮絶な状況まで思うに至らなかった。地獄絵図のような状況を表面上に押し出していた媒体はなかったように思う。

とんでもないことが起きたが、私の不安は、自分の将来のことだけだったような気がする・・・。

あの時のことを思い出して、あの時の自分の気持ちまで思い出した。

映画は巧い。良く見せている。あれだけの登場人物を、きちんと配置し、どれもくっきりと色づけされて、どの人物も人間味たっぷりだ。

いつものようにのんびりの田舎の新聞社に降ってわいた大ニュース。でも、ここは昔、【大久保清】の連続殺人事件が起こり、【連合赤軍】がベースを張った。あの時の記者魂が沸き起こる。新聞記者になったからには、大きなニュースや、大スクープは、飯より大事なことだ。それが目の前に起こったのだから。

足で稼いで、裏を取って、モノが本物であることをうるさいほどに確かめて、読者に渡す。これは、情報を与える方の戒めだろう。そのことを嫌というほど体にしみこませた記者が描かれている。

あっという間の2時間強だった。ぐいぐいとみるものを惹きつけ、迫力のある山を作り、息をのんで見入る。・・・・これが原田眞人作じゃなかったら、手放しでほめるところなのだが、なんか原眞のだと思うと、素直になれないんだなあ。これが。

少々セリフの聞きとれなった部分があって、意図的なものだったのか、何なのかはわからない。地方の新聞社のワンマン社長などというのは、どこにでもいるんだなあと改めて認識。これは架空の新聞社だったが。

現在のパートになると、説明不足の感がぬぐえず。本を読んでいるとの前提のもとで作っているようなところもいくつか見えた。本は、一度挑戦したが、現在のパートのところが・・・・で、結局挫折。本棚の肥やしになっている、ちゃんと読まねば。

つうことで、見せた。面白かった。迫力満点。

わずか20年で、隔世の感を強く感じた。今どきのハイテクな機器って、つくづく凄いものだけど、自分の記事を命がけで山を降りて伝えようなどという覇気は、今や文字通り、前世紀の遺物になってしまったようだ。

◎◎◎◎

『クライマーズ・ハイ』

監督 原田眞人
出演 堤真一 堺雅人 尾野真千子 高嶋政宏 山崎努
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16 コメント

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暑かった夏でした (mariyon)
2008-07-17 08:47:16
仕事してました。
ペーペーだったし、デザイン会社ってのはお休みもモロお盆だけでしたので、帰省の飛行機を取るのが大変でした。帰省があれだけ怖かったのは初めてでした。

つい、この前のように感じるし、世の中そう変わってない気もしますが。。。。
通信手段。。。。飛躍的にかわりましたよね。
まあ、こうしてブログを書いたりするのも、あの頃じゃ考えられなかった。。

でも、人の本質はそこまで変わらないですから、こういう映画を観ると、いろいろ感じます。

ただ、途中の現代の部分は無くても良かったかな??
>mariyonさま (sakurai)
2008-07-18 08:20:49
暑かったですよね。
男女雇用機会均等法なんてのが出たけど、恩恵はほとんどこうむることがなかったし、まだ飛行機に乗ったこともなかったかも。
飛行機乗るのも、ビビる空気でしたもんね。

やはりこの20年間で一番変わったのは、この機械群でしょうね。FAXだって、普通にはなかっただろうし・・・。
自分の記事は自分の足で!みたいな気概を感じました。

そそ、あの現代の部分は、本を読んでても邪魔だったんですよ。そして、挫折。この夏休みに挑戦してみます。
読んでない本、腐るほどありますわ・・・。
8月12日・・・ (圭一朗)
2008-07-19 01:47:19
 また8月12日がやって来ます。
今でも あの時のことは鮮明に覚えていて 胸が痛みます。

 あの後に、遺族の手記「あかねぐも」というのが出て涙を誘いました。

初めての一人旅で甲子園に野球を見に行った4年生の“ケンちゃん”、搭乗口で不安そうな目をお母さんに向けて、とうとう帰ってきませんでした。
そんな壮絶なドラマがいっぱいで、何度も泣いたものです。

 「本」は、「映画」と少し違ってもちろん良かったのですが、この「映画」も 僕は良かったと思います。
(良かったと言う表現はいいのかどうか・・・?)

 テンポもよく 男たちのドラマには目が離せませんでした。
あの事故を追った地元の新聞社の男たちのドラマで、殴りあうくらい真剣に仕事に取り組む姿は、これぞ「男」の仕事と感動ものでした。
果たして自分はこんなに真面目に真剣に夢中で仕事に取り組んでいるだろうか・・・?と 反省させられました。

 三丁目のおじさんは、ハマってましたが、亡くなった家定が好い仕事してましたね。
堺雅人、こういう役もしっかりできて、今後益々注目です。

 現代の部分ですが、「本」を読んでいたので 僕は理解できました。
堺雅人 (圭一朗)
2008-07-19 02:03:31
 連続投稿、スミマセン!!

注目の(僕が)堺雅人、来週の月曜日の「笑っていいとも」出演だそうです。

「篤姫」の話題だけでなく、時期的に「クライマーズ・ハイ」の話題も当然でること・・・を期待して、
祝日だから、見られそうです。

関係ない話題で、スミマセン!
>圭一朗さま (sakurai)
2008-07-19 08:58:28
あの時の事件の大きさは、衝撃でしたね。
それまでの事件とは、事件の規模が違う。
9・11級の衝撃だったような気がします。
阪神の球団社長も乗ってたんですよね。

映画は、見せました。
骨太、肉厚、こゆーーい男たちのドラマで、迫ってきて、たっぷり堪能しました。
うますぎたくらい。
今も新聞記者というのは、これくらいの気概を持ってやってるのかなあ、と思うくらいの迫力でした。

堺雅人・・・いいです。
月曜日、見ます。
自分の感想でも (miyu)
2008-07-21 17:23:36
ちょこっと触れましたが、
当時の惨状はナニゲに週刊誌なんかには結構
載っていたと思いますよ。
あたしも記憶があやふやだったんだけど、
大人になってからあの事故の写真は結構物議を醸したと
どこかでも読みましたから。
映画ではそういった描写は結構抑え目でしたが、
あの木にひっかかっていた腕がとても印象的でした。
>miyuさま (sakurai)
2008-07-22 08:31:44
そっか。
あんまり、週刊誌とか読まなかったからな。
落ちる寸前に書いた遺書とか、そんなのをクローズ・アップさせていた記事はよく覚えてます。
遺族の方々の気持ちを考えると、複雑です。
とにかく忘れてはいけない事件だと思いますです。
こんにちは (はらやん)
2008-07-27 10:58:09
sakuraiさん、こんにちは!

大きな事件のことをこういう映画で取り上げると、そのときの自分の状況みたいなものもいっしょに思い出しますよね。

今ではこうやってどこでもネットに繋がる時代ですが、20年前はファックスも家にあったかどうかって時ですよね。
最近はあまりしっかりと取材もせず、ネット検索でシャシャっと記事を書く記者もいると聞きますが、その分記事自体の重みが軽くなっているのかもしれません。
あの時代の記事にかけている記者のプライドというのはもの凄いなと思いました。
>はらやんさま (sakurai)
2008-07-27 15:23:20
この二十年、通信網に関しては、考えられないくらいの進歩を遂げてますが、それを使う人間はどうかと思うと、・・・・なんだかなあです。
記者のプライド!!同感です。
こちらにも・・・ (なな)
2008-07-29 19:58:28
そっか〜,あの年って夏目雅子さんが亡くなった年でもあったのね。
私もその日,たまたま親戚の家に遊びに行ってて
大阪におりましたよ。
就職なんて,まだほど遠い,お気楽な学生でした。

当時のこと,いろいろ思い出しながら観るのは
楽しい・・・というか,感慨深いものがありましたね。
今も昔も,仕事にかける情熱の基本は変わってないのでしょうが
23年前のオトコたちは,明らかに現代より気合も筋の通り方もケタ違いだったと思います・・・。
>ななさま (sakurai)
2008-07-30 11:18:45
いろんなことがありすぎて、本当に昨日のことのように覚えてます。
そのことが、どんどんと思い出されていく、手品の帽子から、旗が次から次へと引っ張り出されていくように思い出されました。
この映画で一番感じたのは、記事に対する熱意、自信、責任みたいなもの。
見ごたえありました。
私も (メル)
2009-01-02 22:08:56
当時のこと、そして事故のあった日、その次の日のことを鮮明に思い出せますし、この映画を見て余計にいろいろ思い出しました。
sakuraiさん職探しの最中・・(^_^;)
私も(?といっても実は主人のお供だったんですが)翌日の生存者救出のテレビニュースを職安のテレビで見たんですよ〜(^_^;)
そんなこんな、いろいろ思い出しましたです。

映画も良くできてるなぁって思いました。
新聞社のこと、記者のこと、それぞれすごい
緊迫感と共にこちらに伝わって来ました。
願わくば安西と悠木のこと、二人の息子たちのことをもうちょっと描いて欲しかったけど
そんなことしてたら時間的にも無理があっただろうし、焦点がぼけたかなと思ったり。
やはり原作本にはしっかり書いてあるんですね。
これ、とても興味深く見れたので是非原作も・・と思っています。
書き忘れ(^_^;) (メル)
2009-01-02 22:11:19
sakuraiさんにアフタースクールの時に
教えていただいていたように、本当に
今回の堺雅人くん、また違った良さが出ていて
と〜〜〜〜〜っても良かったです♪♪♪
堤真一も良かったけど、誰よりも堺雅人くんでしたわ(^^)v
>メルさま (sakurai)
2009-01-04 13:58:39
まじに昨日のことのように思い出せます。
衝撃でしたね。
家事手伝いなんてしようもないことをしていて、あのニュースを見ながら、おやじと語り合ったのを覚えてますだ。

あの監督は見せる映画を作るのは、本当にうまいです。
そこが今回はいい方に働いたと思います。
あの緊迫感と迫力は真に迫ってましたね。
マチャト君もいい味出してたし、よかった、よかった。
原作、今度ちゃんと読みます。
・・・その前に山のようにつまってる本を何とかしないと・・・・。
コメントおーきに (YOSHIYU機)
2009-06-04 06:57:55
46歳なんですね(笑)

面白かったのに、原田眞人だと褒めれないって
過去に一体、どんな因縁があったんですか?(笑)
現在のパートは、無くても良いって感じですよね。

ハイテクになったから覇気がなくなるという考えは
エンケン演じる恐竜と同じで、過去の遺物
だと思いますけどね(笑)
>YOSHIYU機さま (sakurai)
2009-06-04 17:02:53
浪人してるんで、もうちっと上です。
年女ですよ!
えーー、原田眞人との因縁は・・・って、何もないです。まあ、上手すぎるんで、僻みです。
日本の作り方じゃなく、修行してきたアメリカの作風なんすよね。
なんか、その上手すぎが鼻につく。
ものすごく勝手です。

事件が事件ですので、描き方が特異でしたが、自分の記事に対する強すぎる思い入れが伝わってきましたね。
舞台が今で、こういった記者ものを作れるか・・というと、難しいかもです。

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