迷宮映画館

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第9地区

2010年04月26日 | た行 外国映画
結構前から予告を見せられて、エイリアンものだということはわかっていた。ドキュメンタリータッチの市民が次々と何かに対して、恐怖やら、無関心やら、あきれ果ててる様子をカメラに向かって話す。

ヨハネスブルグの上空に突然やってきたUFO。すわ、宇宙人の襲来だああ!と、びびるのが普通なのだが、ちょっと勝手が違ってた。でかい母船の中にいたのは、弱り果てたエイリアンたち。

腹をすかして、息も絶え絶え。このままでは、やばい・・・ということで、地上に降りてきて、難民となる。そう、形や言葉は違えど、中身に関しては人と人とのかかわりと、ほとんど同じだ。

最初は謙虚におとなしくしていたエイリアンたちだが、徐々に地上での生活になじんでくると、エイリアンぶりを発揮する。あくまでも人間の範疇での規範だが、なかなかの傍若無人ぶりを見せる。

このままでは共存は出来ない・・ということで、完全なる隔離地域を提供することになったのだが、その移住プログラムの責任者に任命されたのが、この映画の主人公のヴィカス。ごく普通のおっさん。うざいくらいの普通さで、いかにも小市民。華のなさは、見事なくらいだ。

エイリアンのすんでいる第9地区に行って、一軒一軒回って、移住のための書類にサインをもらう。相手はエイリアンだから、予期せぬアクシデントはいくらでも起こる。怒ったエイリアンに腕をもぎ取られたり、暴れだしたエイリアンを撃ち殺すのは見慣れた情景。

やけにおとなしい物分りのいいエイリアン宅にいくと、何か隠し事がありそう・・・。家の中は、禁制品の機械の部品があふれている。これは????何か怪しげなものを隠そうしているが、それを押収すると、そこから妙な液体が!!

小市民からエイリアン移動の功労者に昇格しようとしているのに、失敗は許されない。怪しげな霧を浴びたことも隠して、なんとか仕事を続けるが、体がおかしくなっていく。霧を浴びたのが原因なのか、その後、エイリアンに襲われて、傷を受けたことが原因なのか、どちらかはわからないが、とにかく体に変調をきたす。

なんと、傷を受けたヴィカスの腕は、あの醜いエイリアンの腕に変わっていた。人間でありながら、エイリアンのDNAを取り込んでしまった男。

別にそれだけなら検査の対象として、調べればすむことなのだが、彼にはものすごい使い道があった。それは強力な破壊力を持つエイリアンの武器をつかうことができる。

強大な破壊力を持った武器は、人間にとって垂涎のものだったが、それを操作できるのは、エイリアンのDNAを持たないと動かない・・・。ヴィカスさえいればどんな武器でも使い放題。彼の腕さえあればいい。

小市民で、ただの有名人になりたかった男の人生は一変する。利用などされてなるものか。ひたすら逃げる。彼の周りの人間は、彼を利用することしか考えていない。彼の真の味方になるのは・・・・。

ということで、面白かった!!素直に、とっても。
意外な展開にわくわくしながら、人間の弱みも、強さも納得の行く形に描かれている。見てると、エビと呼ばれるエイリアンたちが、愛嬌ある顔に見えてくるから面白い。あえて強く何かの寓意だ!というわけではないのだろうが、人間社会の縮図を見ているみたいで、痛し痒しだ。

さっぱり印象の弱かった主人公が、だんだん存在感のあるインパクトあるターミネーターっぽくなっていくところも自然でいい。こういう映画も作れるんだ!と、思えたのがこの映画の一番の価値かも知れない。

◎◎◎◎○

「第9地区」

監督 ニール・ブロムカンプ
出演 シャールト・カプレイ デヴィッド・ジェームズ ジェイソン・コープ ヴァネッサ・ハイウッド
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14 コメント

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こういう映画を観ると… (KLY)
2010-04-27 00:18:31
映画ってやっぱり知恵を絞ってなんぼだなぁと思います。もちろんお金掛かってるのが悪いわけじゃないし、お金も知恵もかけてる映画も沢山ありますけど、逆もまた沢山ある訳で。
そんな訳で私はとにかくアイディアの秀逸さに惹かれました。
あの手のいわゆるエイリアンに立ち退き同意書を求めるなんて、B級テイストなことしながら、それがちっともB級じゃない。エイリアンは確かにグロテスクだけども、でも実は彼らは人間だった。もっと言えば黒人よりしたの人間という立場だった…。上手い表現の仕方があったものだとホント感心します。
衝撃的でした…。 (mori2)
2010-04-29 20:38:58
TBいただきました。
或る意味、今年一番の問題作だと思います。
とにかく途中までの展開と、あの切なくも
哀しいラストにやられました。
果たして3年後、ヴィカスは元に戻れるのか?
それとも、完全にエイリアンと化してしまうのか?
続編できるかな?
広告、、、、。 (mezzotint)
2010-05-01 10:36:17
あのシールを貼られたのですか!
それは弟君、お気の毒、、、。

面白かったですね。でも内容は結構
辛いもんもありましたが。
妻に贈った手作りの花が何とも言えなくて
悲しかったです。
>KLYさま (sakurai)
2010-05-01 22:28:37
うまい本でしたね。
南アで生まれ育ったというのが、どっかにあるとは思いますが、普遍的なものも感じるし、奇抜なとこもあるし・・。
それがうまくマッチしてました。
欲出すな!っていう方が無理でしょうが、次の作品が大事かもですね。
>mori2さま (sakurai)
2010-05-01 23:03:13
ほかにも写真あったのですが、この最後のヴィカスの表情が一番印象的でしたもんね。
最初のころのいかにも小市民的なキャラが、変わっていくのも見事だった。
なかなかの役者さんでしたね。
>mezzotintさま (sakurai)
2010-05-01 23:14:34
弟は何も気にしてませんがね。なはは。

そうですね。
とってもよくできた面白い話でしたが、なかなかつらいものがありましたね。
奥さんの家族がまたいい塩梅にやーらしくて、いらいらさせられました。そしてほろり・・と。
こんにちは (はらやん)
2010-05-02 06:08:28
sakuraiさん、こんにちは!

そうですね、ただの小市民であって、その社会的価値観になんら疑問を持っていなかった彼が、あの事件によって主体者となり、差別される側に回るというのはなかなかの発想でした。
とはいいながらもエンタメとしてもしっかりと見せてくれるので、それもすばらしい。
初監督作品とは思えないですよね。
>はらやんさま (sakurai)
2010-05-03 16:08:43
ヴィカスの初めの頃と行ったら、ほんとに超情けなさ系の、へっぽこおっさんでしたもんね。
自分の本質は何も変わってないはずなのに、どんどんと変わって行く様子が、面白かった!
次回も楽しみですが、妙にハリウッドっぽくならないで欲しいです。
南アフリカってのがうまい! (mariyon)
2010-05-11 10:46:15
NYでもLAでもなく、南アってのが座布団1枚って気分でした。
えぐいシーンもあったけど、これは観て良かったです。宇宙人を武器の実験で撃つシーンは、かなり辛かったですね・・・(-_-;)

近場でやってなかったんで、DVDでもいいかなんて・・・大間違い。良かったです!
>mariyonさま (sakurai)
2010-05-11 20:31:43
なぜに南ア?なんですが、深いですよね。
少々自虐的な意味も含んでそうですが。
どぴゃああ~んと、木っ端微塵になるようすは、ある意味気持ちがよかったかも。
こんなこと言ったら、不謹慎か。
映画館で見られて、重畳です。
この最後のヴィカスの表情が印象的でした。
こんにちはー (たお)
2010-09-07 14:48:29
面白かったですねぇ、これ。
「もし○○だったら・・・」ってSFの基本に忠実に、そっから盛り込みまくった脚本が見事!
>たおさま (sakurai)
2010-09-07 20:39:25
面白かったです!!
脚本おもしれーーと、スマートに面白いのが出来るんすよね。
こんときカプレイって名前だったんすね。今コプリーになってる。
おじゃまします (ピロEK)
2011-01-26 23:17:54
おじゃまします。こちらの記事も年越しの反応となってしまい申し訳ありません
これは色々な方向から評価の高い映画ですね。ブロガーの皆さんいろいろな事を言ってるのに総じて褒めている感じで。
見所の多い映画だったんでしょうね。
では、また来させていただきます。今後とも宜しくお願いいたします。
>ピロEKさま (sakurai)
2011-01-27 12:27:33
こうきたか・・!という気持ちを存分に味あわせてもらいましたね。
面白かったです。
アイデアも出尽くしてる昨今ですが、まだまだ映画も工夫次第で、いけそうです。
そういう可能性を見せてもらった映画だったと思いますわ。

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