
舞台はスペイン。第二次世界大戦前に起こったスペイン内戦の後。フランコ将軍率いる反乱軍が勝利して、独裁政権といわれていたころのこと。
将軍派のビダル大尉と再婚することになった母とともに、大尉のところにやってきたオフェリア。でも、どうしても大尉のことを好きになれない。大尉は、弱った臨月の母よりも、子供のことの方が気になるようだ。
おとぎ話の好きなオフェリアのところに妖精がやってきた。「妖精はこんな形よ」と絵を見せると、その形になるのがお茶目だ。妖精に導かれてラビリンスにやってきたオフェリアは、牧神・パンに、自分は魔法の国の王女の生まれ変わりだと告げられる。でも、パンは昔から、いたずら好きで、人を惑わせることが得意だ。
魔法の国で待つ父王のところに行くためには、3つの試練を超えなければならない。その試練に立ち向かう少女の姿と、ゲリラ掃討に苦慮する大尉と、ゲリラのスパイとして大尉のもとで働くメルセデスが絡む。
躊躇なく農夫を打ちのめす大尉の冷酷ぶりは、フランコ将軍の独裁制下の状況を表したかったのかもしれない。間違って子供は見には来ないとは思うが、かなりの悲惨さだ。ゲリラをとらえたときに、拷問をしようとする姿のなんと悪魔チックなことか。
その悪魔は、容赦なく自分と敵対するものを駆逐していく。その悪魔に対するは、わずか10歳くらいの無垢なる少女。泥に立ち向かってきれいなおべべをよごし、食うなと言われると、つい・・・・の試練も乗り越え、最後に究極の試練を突きつけられる。そして、彼女が選んだ道は・・・・。
ここは言っていいのか、どうなのか。いわゆるネタばれになるので、読みたくない人は飛ばしてください。
それは自己犠牲。少女にそれだけの覚悟をしいる物語のすごさよ。そしてそれはまぎれもなくイエスの自己犠牲だ。じっくり考えると、いろんなものが見えてくるのだが、ビダルという象徴的な悪を倒すために必要なものは、崇高なものの究極の選択なのだ、ということになる。
見て気持ちのいいものでもないし、少女をこんな目に遭わせなければ、真の世界にいけないのか、と憤りすら感じてしまった。魔法の国の父には会いたいだろうし、そのために試練を受けるのだが、じゃあ、その時こっちの世界にいた瀕死の母は一体?みたいな釈然としない謎も残った。どう分類したらいのか分からず、非常に戸惑いを感じた作りだった。素晴らしいにはちがいないし、さまざまな状況をうまく組み合わせた傑作には違いないが、好き嫌いで言うと、あまり好きな方向ではないかったなあ。
フランコ将軍というと、つい独裁者、ファシズム、とくくってしまいたくなるが、一口では表現できないくらいに複雑だ。ゲリラ側も一枚岩ではなく、かなり分離し、内紛がおこり、まとまらない状況になっていたころだ。その辺の複雑に入り組んだ状況と、一向に前に進まない国の姿勢あたりのジレンマも表わされていたように見える。私的にはそれをファンタジーと結び付けず、ストレートに困難な国の様子がみたかったかなと。
◎◎◎○
『パンズ・ラビリンス』
監督 ギレルモ・デル・トロ
出演 イバナ・バケロ ダグ・ジョーンズ セルジ・ロペス アリアドナ・ヒル
将軍派のビダル大尉と再婚することになった母とともに、大尉のところにやってきたオフェリア。でも、どうしても大尉のことを好きになれない。大尉は、弱った臨月の母よりも、子供のことの方が気になるようだ。
おとぎ話の好きなオフェリアのところに妖精がやってきた。「妖精はこんな形よ」と絵を見せると、その形になるのがお茶目だ。妖精に導かれてラビリンスにやってきたオフェリアは、牧神・パンに、自分は魔法の国の王女の生まれ変わりだと告げられる。でも、パンは昔から、いたずら好きで、人を惑わせることが得意だ。
魔法の国で待つ父王のところに行くためには、3つの試練を超えなければならない。その試練に立ち向かう少女の姿と、ゲリラ掃討に苦慮する大尉と、ゲリラのスパイとして大尉のもとで働くメルセデスが絡む。
躊躇なく農夫を打ちのめす大尉の冷酷ぶりは、フランコ将軍の独裁制下の状況を表したかったのかもしれない。間違って子供は見には来ないとは思うが、かなりの悲惨さだ。ゲリラをとらえたときに、拷問をしようとする姿のなんと悪魔チックなことか。
その悪魔は、容赦なく自分と敵対するものを駆逐していく。その悪魔に対するは、わずか10歳くらいの無垢なる少女。泥に立ち向かってきれいなおべべをよごし、食うなと言われると、つい・・・・の試練も乗り越え、最後に究極の試練を突きつけられる。そして、彼女が選んだ道は・・・・。
ここは言っていいのか、どうなのか。いわゆるネタばれになるので、読みたくない人は飛ばしてください。
それは自己犠牲。少女にそれだけの覚悟をしいる物語のすごさよ。そしてそれはまぎれもなくイエスの自己犠牲だ。じっくり考えると、いろんなものが見えてくるのだが、ビダルという象徴的な悪を倒すために必要なものは、崇高なものの究極の選択なのだ、ということになる。
見て気持ちのいいものでもないし、少女をこんな目に遭わせなければ、真の世界にいけないのか、と憤りすら感じてしまった。魔法の国の父には会いたいだろうし、そのために試練を受けるのだが、じゃあ、その時こっちの世界にいた瀕死の母は一体?みたいな釈然としない謎も残った。どう分類したらいのか分からず、非常に戸惑いを感じた作りだった。素晴らしいにはちがいないし、さまざまな状況をうまく組み合わせた傑作には違いないが、好き嫌いで言うと、あまり好きな方向ではないかったなあ。
フランコ将軍というと、つい独裁者、ファシズム、とくくってしまいたくなるが、一口では表現できないくらいに複雑だ。ゲリラ側も一枚岩ではなく、かなり分離し、内紛がおこり、まとまらない状況になっていたころだ。その辺の複雑に入り組んだ状況と、一向に前に進まない国の姿勢あたりのジレンマも表わされていたように見える。私的にはそれをファンタジーと結び付けず、ストレートに困難な国の様子がみたかったかなと。
◎◎◎○
『パンズ・ラビリンス』
監督 ギレルモ・デル・トロ
出演 イバナ・バケロ ダグ・ジョーンズ セルジ・ロペス アリアドナ・ヒル













好きって人も多い。
けど、あたしもどうも好きになれなかった作品です。
だけど、sakuraiさんと違ってコレって理由が
うまく表現出来ないの〜(^-^;
本当傑作には間違いないんだろうけどね。
で、どうしてだろうとつらつら考えてるのですが、答えはちゃんと見つかってません。
話は本当によくできてるんですがねぇ。
少女に自己犠牲という重い使命と、現実の厳しさと、ダークといえどもファンタジーと銘打った中身のきつさが辛かったのかもです。
僕には、オフェリアの試練は、イエスの受苦ともみえるけど、ある意味でアダムとイブの誘惑との戦いのようにも見えました。
最初の人間の苦悩と、誘惑。
人間が一番はじめに出会う困難を表していたのかもです。
スペインなので、カトリックの精神が根底にあると感じました。
今後ともよろしくお願いします!
さて、年明けてからの鑑賞になっちゃいましたが、この作品・・・予想通りダークで、予想以上にグロ過ぎて、正直キツかったです。
結構評判はいいみたいですが・・・。
今年もどうぞよろしく。
さてさて、年明けそうそう、なかなかの始まりですね。
なんだか、一気に暗くなりそうですが。
テーマ性の素晴らしさはすごいと素直に思いましたが、そこまでグロくしなくても・・と、つい母の視点から見てたような気がします。
母にはきつい映画かもしれません。
またお邪魔しました。
私もやっと観たので今夜はこの作品をTBさせてください。
私は虫が大の苦手なので、ななふしのようなあの大きすぎる昆虫にまず、ぞぞーっとなりましたが、この映画の気味悪さはそれどころではありませんでした(笑)
なんともおぞましく美しく過激な映画でしたね。
>崇高なものの究極の選択
私もそう思いました。崇高な選択なんだと。
スペイン内戦と言えば『蝶の舌』という作品も思い出されます。
どうもです。
私も、さまざまな方のご意見を読んで、素晴らしい評価してるなあと。
すごいっちゃ、すごいのですが、好みから言うと、あんまり好きくないです。
そして、あの選択は、イエスのそれだな、と感じ入りました。そう感じられた方はあまりいなかったようですが。どうなんでしょうねえ。
『蝶の舌』もきつい話でしたねえ。あれにも究極の選択がありましたかね。
スペイン内戦と
この映画、絶賛の嵐ですが・・と言う否定的ご意見に賛同する一人です。いくら沢山受賞していても、好きになれない、むしろこれを好きだと言う感性が、ちと狂っているんじゃないでしょうか。
映画って感性ですから、好き嫌いという感情は大事ですよね。
映画見て、素直にいいと感じた、いやだめだった、という気持ちも大きいと思います。
あの不思議な映像は素晴らしかったと思いますが、また見ようとは思わないです。
今回はいつもに増して反応が遅くなってしまいましたスイマセン。
この話は辛かったです。あの魔法の世界が虚構なのか現実なのか(?)どっちつかずな終わり方だと私は思ったのですが、とにかく辛かったです。ラストをハッピーエンドと受け取るのはそれこそ現実逃避なんですかねぇ(?)
では、また来させていただきます(レスポンスは悪いですけど)。今後ともよろしくお願いいたします。
ここは母の視点かも。
ぜひ、またTB待ってます。