ベストセラー小説、『嫌われ松子の一生』が映画になった!福岡で生まれた川尻松子。歌が好きで、勉強もできたどこにでもいそうな普通の女の子。親の望むまま、中学校の先生になり、順風満帆の未来が見えてたはずだった。のだが・・・。
お金を盗んだ、盗まないのいざこざから始まって、教師を断念。家を飛び出す。トルコ嬢になったあたりから、男の影がちらちら。しょうもない男にとっ捕まってというか、離れられないというか、どんどんと身を持ち崩していく。
今、トルコといってはいけないのかもしれないが、昭和40年代でソープと表現するのは変だ。あえてトルコという。かつて日本に来た外国人の男の憧れはターキッシュ・バスに行くことといわれたもんだ。きっとそこにいるのは男から見て、完璧な女性像、意のままになる女性、夢の世界なのかもしれない。そういう道を生きていかなければならない女性もいる。それを否定はしない。またそれを必要とする男もいる。
人間、やれないことはない。能力のある若い女性の選んだ道がトルコだったが、松子はその仕事に誇りを持った。自暴自棄なんではなく、堂々と仕事をした。えらい女性のように見える。自分を見失っていない女性のように見える。しかし、本当にそうか?私にはどうにもトルコ嬢にしてしまった作者の贖罪のように思えるのだ。『えらいトルコ嬢』。当然ありえる存在だ。でも、そこんところが女の目から見ると、どうしても引っかかってしようがない。しかし、こんな最初の方で引っかかってばかりはいられないので、先に進む。
いろいろな男を渡り歩き、捨てられたり、殺したり、信頼されたり、いろいろと大忙しの人生を送っていく。いつのときでも松子の愛は一生懸命だ。人を愛することこそが自分の証のようにひたむきに人を愛する。その相手がどんなしょうもない男でもかまわない。愛する事こそが自分の生き様なのだ。
最期は哀れだ。何度も立ち直ろうとしたが、時既に遅し。物事には全てその『時』というのものがある。そんな松子の人生だが、捨てたもんじゃない。彼女の人生を振り返ることが出来たから。彼女の生き様を見てくれた人がいたから。哀れで悲惨で家族にも見放され、世捨て人のように朽ち果てながらも懸命に生きた人生があった。
という本当にさくさく読める小説を、『下妻物語』で、見るものの度肝を抜いた中島哲也監督が、【総天然色!映画】とでも名づけたくなる色使いで、セピア色になりがちなちょっと昔の世の中を描いた。その色の潔さが非常に心地いい。
切るとこをすぱっと切って、ざっと50年近くに渡る人生を、とんとんと時代に合わせ、駆け足で歩んでいく。その独特のスピード感もうまい。中谷美紀をはじめ、役者が皆はまってる。(伊勢谷友介がベリグでした。)先に本を読んでしまっていたのだが、そのはまり具合があまりにぴったりで、きっと監督は読者として本を楽しんだのではないかと想像してしまった。
よく出来てる。うまい流れだ。トルコのシーンなぞは、どう描くのだろうと思っていたのだが、そこは見てのお楽しみ。万人にお勧めしていいのかどうか、ちょっとだけ疑問が残るが(高校生に薦めていいのか・・・?)映画としてよく出来てる。本のコンセプトを損なわず。監督のカラーもしっかり出ている。少々、冗長だったかな・・・の気がしないでもないが。
こういう女を好きか嫌いかは別にして、映画として楽しんでいただきたい。公開までもうちっと。先に皆様に伝えるために試写を見たものとして、お伝えする。
『嫌われ松子の一生』
監督 中島 哲也
出演 中谷 美紀 伊勢谷 友介
お金を盗んだ、盗まないのいざこざから始まって、教師を断念。家を飛び出す。トルコ嬢になったあたりから、男の影がちらちら。しょうもない男にとっ捕まってというか、離れられないというか、どんどんと身を持ち崩していく。
今、トルコといってはいけないのかもしれないが、昭和40年代でソープと表現するのは変だ。あえてトルコという。かつて日本に来た外国人の男の憧れはターキッシュ・バスに行くことといわれたもんだ。きっとそこにいるのは男から見て、完璧な女性像、意のままになる女性、夢の世界なのかもしれない。そういう道を生きていかなければならない女性もいる。それを否定はしない。またそれを必要とする男もいる。
人間、やれないことはない。能力のある若い女性の選んだ道がトルコだったが、松子はその仕事に誇りを持った。自暴自棄なんではなく、堂々と仕事をした。えらい女性のように見える。自分を見失っていない女性のように見える。しかし、本当にそうか?私にはどうにもトルコ嬢にしてしまった作者の贖罪のように思えるのだ。『えらいトルコ嬢』。当然ありえる存在だ。でも、そこんところが女の目から見ると、どうしても引っかかってしようがない。しかし、こんな最初の方で引っかかってばかりはいられないので、先に進む。
いろいろな男を渡り歩き、捨てられたり、殺したり、信頼されたり、いろいろと大忙しの人生を送っていく。いつのときでも松子の愛は一生懸命だ。人を愛することこそが自分の証のようにひたむきに人を愛する。その相手がどんなしょうもない男でもかまわない。愛する事こそが自分の生き様なのだ。
最期は哀れだ。何度も立ち直ろうとしたが、時既に遅し。物事には全てその『時』というのものがある。そんな松子の人生だが、捨てたもんじゃない。彼女の人生を振り返ることが出来たから。彼女の生き様を見てくれた人がいたから。哀れで悲惨で家族にも見放され、世捨て人のように朽ち果てながらも懸命に生きた人生があった。
という本当にさくさく読める小説を、『下妻物語』で、見るものの度肝を抜いた中島哲也監督が、【総天然色!映画】とでも名づけたくなる色使いで、セピア色になりがちなちょっと昔の世の中を描いた。その色の潔さが非常に心地いい。
切るとこをすぱっと切って、ざっと50年近くに渡る人生を、とんとんと時代に合わせ、駆け足で歩んでいく。その独特のスピード感もうまい。中谷美紀をはじめ、役者が皆はまってる。(伊勢谷友介がベリグでした。)先に本を読んでしまっていたのだが、そのはまり具合があまりにぴったりで、きっと監督は読者として本を楽しんだのではないかと想像してしまった。
よく出来てる。うまい流れだ。トルコのシーンなぞは、どう描くのだろうと思っていたのだが、そこは見てのお楽しみ。万人にお勧めしていいのかどうか、ちょっとだけ疑問が残るが(高校生に薦めていいのか・・・?)映画としてよく出来てる。本のコンセプトを損なわず。監督のカラーもしっかり出ている。少々、冗長だったかな・・・の気がしないでもないが。
こういう女を好きか嫌いかは別にして、映画として楽しんでいただきたい。公開までもうちっと。先に皆様に伝えるために試写を見たものとして、お伝えする。
『嫌われ松子の一生』
監督 中島 哲也
出演 中谷 美紀 伊勢谷 友介
中学生にはちょっと見せたくない・・・
中学生だと、受け取り方が違うでしょうね~あのラストは。
やはり見せたくない。
本はもっとえぐいです。
アンディの日記シネマ版のこーいちと言います。
TBを間違ってしまいました。
失礼しました。削除してくださいm(__)m
嫌われ松子のTBしようとしたのですが、
反映されないみたいですので
また後ほどさせていただきます。
あんまり皆にオススメできません
とんとんと読めますが、言われたとおり万人に薦められる本ではないですね。
その本を映画にするというんで少々ビックリしましたが、「こういう作り方か~」とそっちも唖然とさせられました。
コメントありがとうございます。
この映画を劇場で観る機会を失い、DVD化されてもレンタル中
でなかなか観ることが出来ませんでした。
今頃になって、レビューを書くのも時代遅れで恥ずかしいのですが、
とても面白く魔可不思議な作品だったので書かずにいられませんでした。
なんとなく「下妻」に感じが似ていると思ったら、同じ監督なんですね。
映像の迫力はすごかったなあと思い出してます。
でもきちんと中身を考えると凄いかなと。