迷宮映画館

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ヘンダーソン夫人の贈り物

2007年05月07日 | は行 外国映画
2005年の作品。「クィーン」でネームバリューが上がってから日本の配給会社が買ったのかなあ、などとつい邪推をしてしまった。派手ではないが、きゅんとしたものが詰まった小品。

大戦前夜の1937年。富豪の夫を亡くし、しばらくは悲哀の未亡人を演じていたヘンダーソン夫人だったが、未亡人らしく刺繍や、ボランティアなどやろうとしてもどうも性に合わない。そんなときに見つけたつぶれた劇場。よし、この劇場を買って、ミュージカルのプロデュースでもするぞ!

舞台監督として雇ったのはユダヤ人のヴァンダム氏。腕はいいが、かなりのくせもの。でもくせものじゃなきゃこういう仕事は勤まらないでしょう。次々と繰り出されるミュージカルは、拍手喝采、多くのお客を動員するが、すぐさま他の劇場に真似られて、閑古鳥が鳴いてしまう。

そうだ!裸を見せよう。ええええ!・・・それは面白い。頑固で、厳格で、Hにうるさいイギリス官僚のお許しを得ることができるか?そして、戦争が始まってしまう・・・。

結果がすべて。始まりは金持ち有閑マダムの暇つぶしからのようなもんだが、いいものをつくりたい。一流の舞台にしたい。裸だろうとなんだろうと、お客を沸かせたい・・。そんな思いが戦争という背景とあいまって、どんどんと強固なものになっていく。

ボブ・ホプキンス氏の体当たり演技(?)も拝見。裸になろうとする女性の羞恥心と勇気の描き方もうんまい。目くじら立てたくなるような題材なのだが、その勇気たるや、敵をもくじく。いい映画だった。

◎◎◎○

『ヘンダーソン夫人の贈り物』

監督 スティーヴン・フリアーズ
出演 ジュディ・デンチ ボブ・ホスキンス ウィル・ヤング クリストファー・ゲスト ケリー・ライリー セルマ・バーロウ


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