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2011年06月19日 | ま行 日本映画
見てからだいぶ経ってしまったので、新鮮な気分はちょっとうすれてしまい、おまけに細かいところを失念。
いろいろと忙しい時に、やたら映画は見るもんではない!と自戒をしたのだが、そうも言ってられない貧乏事情。
一言評で。

映画や書評などで有名な川本三郎が、若きジャーナリスト時代に体験した学生運動の明と暗みたいなもんか。70年代っていうのは、60年代の最後運動が最高潮に盛り上がり、その後取り締まりが厳しくなり、運動家たちの活動がかなり制限されてきたころ。

それに加え、こういう動きをみると、つい宗教的な匂いを感じるのだが、人々が多数加わり、枝葉が大きくなり、どんどんと収拾がつかなくなっていく。葉っぱの先っちょで、何が起きてるのか根っこでは分からなくなっていくように見える。でも、その葉っぱの一枚から大木が崩壊することはない。木さえしっかりしてれば。。。

学生運動華やかなりしころ、自分は小学生。一体、この世界で何が起きてるのかさっぱり分からないのだが、なにかざわざわしたものを感じた。何かが胎動している。うごめいている。そのことを自分はさっぱり理解できないのが悔しい。今起きてることがわかりたい!そんな野望を抱いていたころだ。

さまざまな運動家が現れ、どれも素晴らしい理想論をぶちかまし、だれもが自分が正しいと信じていた時代。何が偽物で、何が本物だったのかなんてくくりがあるのだろうか。客観的に言わせてもらえば、どれも偽物だったのではないか。でも、当の本人たちだけは、本物であると信じれた。それは時代がさせたものだろう。

ここは松ケン演じる偽物梅山の偽具合がいい。さすがマッちゃん!主役のお二人はほんとに上手で、間違いがない。実際に、赤衛軍(映画では赤邦軍になっていた)となのった集団による、事件を追った若きジャーナリストの焦りが産んだ若干お粗末な顛末だが、こんなことは腐るほどあっただろうなあ・・と思わせた。でも、やけにブッキーがいい人で、いい人で・・・。かなり川本さんのナルが入ってたなあと感じた本だった。

◎◎◎●

「マイ・バック・ページ」

監督 山下敦弘
出演 妻夫木聡 松山ケンイチ 忽那汐里 石橋杏奈 韓英恵 中村蒼 長塚圭史 山内圭哉 古館寛治 あがた森魚 三浦友和

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10 コメント

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Unknown (KLY)
2011-06-20 23:42:26
監督同様私は全くこの時代は知らない世代なんですが、それでも監督が理解し表現したかったであろうこの時代の息吹のようなものは感じられました。
きっと実際に経験した人はいろんなことを思うんでしょうね。偽者だって思うかも知れないし、案外的を射ていると思うかもしれないし。
そうした意見はそれはそれで興味深いです。
Unknown (圭一朗)
2011-06-21 03:08:21
 あの頃の少し下の世代ですが、「安田講堂」をテレビでドキドキしながら見てました。
大学受験のときは、まだ立看板が見られましたが、「浅間山荘」以来段々と下り坂になっていったような・・・。

 真剣にはもう取り組めない世代でしたが、理解はできます。(と、言っておきたい)

だから 居酒屋でのあの涙は分かります。
あの頃を通り過ぎた人たちは、それぞれいろんな意味で、あの涙は分かるんじゃないかなぁ。

 「映画」ですが、妻夫木聡 上手くなりましたねぇ。

 今 「本」読んでますが 「本」の方がもちろん面白いです。
>KLYさま (sakurai)
2011-06-21 21:51:52
わたしは経験者どころか、毎日ニュースをわけもわからず見ていた小学生だったのですが、あの頃の日常って、こうなんだって思ってました。
毎日、何かしら事件が起こって、人が乱暴に扱われ、デモが起こり、わけもわかないけど「アンポ反対!」と言う。
どうしてこんなことが起こるのか、なぜ毎日のように事件が起こるのか・・・。そのことが理解したくて、わかりたくて、ものすごく焦ってる小学生でした。
時代の息吹と匂いは十分感じました。
何かを求め、行き先の見えない未来でも、何か成し遂げたい!と願った若者は腐るほどいたと思います。それは決して、偽物なんかじゃない。そこもよーくわかる。
でも、決してよき時代だったとは言えないような気がします。若き可能性をどんどんと摘んで行った大人。あの団塊の人たちが今何をしているか。いろいろと考えちゃいます。
そっか、そう言うきっかけになったのだから、やっぱこれは大いに価値があります。
>圭一朗さま (sakurai)
2011-06-21 22:04:48
「安田講堂」はさすがに覚えてないですが、その後の一連の事項はみな感慨深く覚えてます。
大学入ったときにヘルメットかぶってた人は数人いましたが、我らは冷めてましたね。

理解はできます。
あの思いや行動は、特殊に見えて、実は普遍的なものだと思いますわ。

派手な「あさま山荘事件」などは扱いやすいですが、こういう切り口も興味深いものがありました。
Unknown (mariyon)
2011-06-25 17:52:41
そう、ブッキー記者いい人でしたよね。もっともっとぎらぎらしてたんじゃないかと・・・。
そのぶん、マツケンのような男は、いたような気がしました。
あの頃のことは知らないんですが、同年代の東大生でも学生運動の名残みたいなものは、大学で目撃したと言ってましたよ。
>mariyonさま (sakurai)
2011-06-28 20:14:37
つい、川本さん本人を思い浮かべてしまうので、ぎらぎらしてたかは不明ですが、妙なエネルギーを感じました。
アタシが入った地方大学では、1年の時、5人くらいまだいました。ヘルメットかぶってた人。
もうちょっと… (mariyon)
2011-06-28 23:21:33
地方の大学紛争は遅れてやってきたような気がします。
ちなみに、地元の島大は、たぶん、安田講堂から5~6年後に大学生がヘルメットかぶってどうのこうの…なんて話があったのを記憶しています。
梅山みたいなのが、中央ではじかれて地方の大学生をあおったのかもしれませんね。

東大の知人の話ってのは、内部抗争かなにかの流血騒ぎで、遠巻きに見たそうです。いずれにせよ、血のにじむような努力をして大学に入り、学生運動で命を落とすような現場を目撃するような当時の大学は、今の社会とはかけ離れすぎています。

まあ、いまの学生には、また別の就活闘争大変ですが・・・。
>mariyonさま (sakurai)
2011-06-30 20:51:49
70年の初めころまでは、結構激しかったようです。
うちの学校の先輩先生にも、なうての活動家がちらほら・・。
武勇伝もいくらでも出てく人がうじゃうじゃいますわ。
それに影響されて、高校もかなり激しかったみたいですわ。

そんだけの勉強をした!私たちは最高学府の人間なんだという矜持もはんぱなくあったんでしょうね。
時代のなせる業ですが、今の大学生には絶対にあり得ない世界でしょう。
世代の問題も…… (hori109)
2011-07-03 11:32:09
あれで川本三郎にナル入ってる、とされると団塊の世代は
たまらんでしょう(笑)
彼らは常に自分たちの歌しか歌わないので。

わたしが学生だったころも(白いヘルと青いヘルが)いろいろともめていて
死者が出たりしていました。70年代末も
いろいろあったっす。
>hori109さま (sakurai)
2011-07-04 13:59:06
すいません!!
その下の年代は、さめてるのが欠点というか、長所というか・・・。
あの世代の妙に燃えてる風が、可愛く見えたりして!
ナル度がなきゃ、燃えられないでしょう。
そこはよーくわかるつもりです。

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