やれ急げ一丁だけの1bit

唐揚げ部長:キム君、これ、先方からのCTPデータ。開いて見せて。6丁付で集版
         （一つの製品データを六つ付け合わせて一枚の紙で印刷）するから、確認したいねん。

キム:はい。このROMですね。

唐揚げ部長:そうそう。頼んだ。あれ？　PANさんどうしたの？　エラいしょんぼりして。

PAN:はい。先方支給のデータがあったんですが、時間が無かったんで、社内で
          確認せずに、外回りから直接外注の刷版屋さんで焼いて貰おうとし
          たんですね。そうしたらデータが壊れてて、結局、急いでいるのに
          印刷予定に間に合わなかったんです。

唐揚げ部長:ああ、CTP（Computer To Plate）の場合、フィルムと違って、
           直接アルミ版に焼き付けるから、内容が確認できない。
           当然、受け取った段階でデータの形式が何か、illustratorの場合は
           バージョンが何か、確認しておくべきだったね。

PAN:はい。次回は気をつけます。

唐揚げ部長:僕なんか一番気をつけてるから、打ち合わせ段階でいつもクリアしてるけどな。

キム:唐揚げ部長さん、さっき頂いたデータ、まずいですね。

唐揚げ部長:え？　どうして？　ちゃんと1bitデータ（版に焼き付けるための最終的なデータの形式）
           を入れたって、貰ってるんやけど。

キム:もちろん、1bitなんですが、一丁だけなんです。
               あとは焼き付けるだけの形式ですから、6丁に集版できませんよ。

唐揚げ部長:やってもた！PANさん、先方さんに電話して、データもう一回貰いに
           いけるか、聞いてみて。

PAN:はい。あれ？　唐揚げ部長さん？

唐揚げ部長:何？

PAN:先方さん、もう帰られたんじゃないですか？　電話つながりませんよ？

唐揚げ部長:ガビーン！　明日の朝から印刷なのにぃ！

1bit貰う前に配慮をもうちょっと。唐揚げ部長