コツコツ一直線

好きな作品をアニメ・ジャイキリ・牙狼<GARO>中心に感想レビューしています。

狼と香辛料 第6話 「狼と無言の別れ」 感想

2008-02-13 23:57:59 | 狼と香辛料(2008冬)

 今回ホロ、ロレンスがメディオ商会に追い込まれ窮地に陥る話。ここでようやく原作1巻分の話が終了になります。窮地に陥ったホロの行動、去っていくホロを前にしてのロレンスの発言に注目です。


 ミローネ商会の取引の時間を稼ぐため、囮をかって出たロレンス。ロレンスは捕らえられていたホロと合流して地下道に再び潜り、メディオ商会から逃げ切ろうとしていました。始めはホロの咆哮で犬をビビらせたりと上手く逃げますが、そう簡単に逃げ切ることはできず、2人は徐々に大勢の人数で追いかけてくるメディオ商会の者達によって追い詰められていきます。
 そしてそんな中、ロレンスは不意打ちをくらい左手を負傷してしまいます・・・。それによりロレンスの意識は混濁していき次第に意識を失っていきます。そしてしばらくした頃ホロに「ロレンス」と名前で呼びかけられます。ここまでなかったホロの名前呼び・・・ちょっと萌えてしまいました。そして

「ロレンス大丈夫かや?」

 の一言でロレンスは目を覚まし、我に返ります。それから

「・・・大丈夫だ。ちょっと眠かっただけだ」

 と受け答えしてから、ホロがいう光の匂いがする地点へ向かうことになります。でもロレンスの調子は何だかマズいようで心配です。

 出口を目指し進む2人。そうしてそこに辿り着きますが、なんと残酷なことにそれは井戸。ロープも梯子も持っていない2人にはその穴を上ることはまず無理です。ホロは穴を見上げ「そん、な・・・」とショックを隠しきれない様子。そして追い討ちをかけるようにそこにメディオ商会の手の者が迫ってきていました・・・。ロレンスは絶望しつつも短剣を持ちそれに立ち向かっていこうとします。
 が、そんな状況の中、ロレンスの前にクロエが姿を現します。クロエはロレンスにホロを渡せ、そしてホロを教会に差し出して古い時代と決別すると言います。そのクロエの言葉を聞いたホロはロレンスの服をつかみ怯えます。その後もクロエのロレンスへの誘惑は続きます。そこにはおいしい商売の話が。でもロレンスは「損得勘定ぐらいできる」と答え、

「しかし、契約を守ることこそ、良き商人の第一条件だ」

「ロレンス?」

「何の因果か拾ってしまった変な娘は北に帰りたいと御所望だ。
 俺はその旅に同伴する契約を結んじまったからな。
 クロエ、契約を反故することは俺にはできない」

 と言い放ち、誘いを断ります!!ここのロレンスはカッコ良いです~。よく言った!という感じが。ホロもこの言葉には驚きつつ、安心したようです。でもこの言葉にクロエはがっかりして、ロレンスは殺してもいい、ホロだけ捕らえろと命令して後ろに下がっていきます。代わりに向かってくるのはメディオ商会の者。ロレンスは再び短剣を構え戦おうとします。でもそれをホロが止め、

「少し痛いかもしらんが、我慢してくりゃれ」

 と言い、ロレンスの傷口に口をつけ血を吸います。ホロが元に戻るのに必要なのは多少の麦か血。ホロは元の狼の姿に戻るためにロレンスの血を吸いました。これに動揺するロレンス。ホロは

「わっちを選んでくれたことはよく覚えておく」

「ぬしよ」

「もう、見ないでくりゃれ」

 とロレンスに言った後、狼の姿に変化します。ロレンスに借りて着ていた服もその変化で破けちりホロは大きな狼に!!ここは原作でもインパクトのあったシーンでしたが、アニメでもやっぱり迫力がありました。ホロの存在感が~。この獣の姿にメディオ商会の者、クロエは恐れを抱きます。あまりの恐怖に耐え切れずメディオ商会の者達はホロに武器を取り立ち向かっていきますが、ホロを前にしてなすすべなく、

『ぬしら、生きて帰れると思うなよ』

 と本気で怒ったホロによって壁に叩きつけられ、やられてしまいます。そしてクロエもホロを前にして動けずロレンスの「やめろホロ!!」という声のおかげで殺されはしなかったものの、あまりの恐怖で気絶してしまいます。

 そうして残されたのは狼の姿のホロとロレンス。ロレンスは1回見たというのにまたホロの獣の姿を見てすっかり怯えてしました。・・・情けなさ過ぎる・・・。ちょっと前はカッコ良かったのにこの差は何でしょうか。
 そんな自分の姿を見て怯えるロレンスを見てホロはショックを受けたのか、ロレンスに麦を取るように言い、

『それが答えじゃ。麦を』

 とロレンスの前から姿を消そうとします。ロレンスはそんなホロに何も言うことができず絶望します。そしてそれを受け取った後、

『世話になったの』

 と、ホロはその場から去っていきます。ロレンスはそのホロの去り行く姿を見て思わず「ま、待て!」とホロを呼び止めようとします。それからロレンスはホロを引き止めたい一心でホロの姿を怖いと思いつつ、こう叫びます。

「お前が・・・破いた服、幾らすると思っているんだ。
 神だろうがなんだろうが・・・・・・弁償してもらうぞ。
 お前が稼いだ銀貨50枚。
 あんなのじゃ全然足りないんだ!!」

 と出たのは商人らしい怒りの叫び。商人の金に対する恨みは怖いです・・・。ロレンスは行かないでくれと思いをこめ、ホロをひとりでいかせないようにするためにはと憎悪をこめてそう叫びます。そして押しの一言。

「俺が何年かけて稼いだ金で・・・買い揃えたと思っているんだ。
 追いかけてやる・・・・・・北の森まで追いかけてやる!!」

 ロレンスの心からの叫び。これでホロの心も動くかと思いましたが、ホロはためらいながらも歩き去っていってしまいます。そんなホロの姿を見るうちにロレンスの意識も遠のいていきます―。
 ここはロレンス演じる福山さんの演技が良い感じだったので嬉しかったです。気持ちが入っていて良~。微妙に原作とセリフが違うのにも注目です。
 でもここ一連のシーンはやっぱり原作の方が悲壮感はあったような気がしました。まあそれを言い出したらキリがない+アニメはアニメで良いと思いますが。原作ではこの叫ぶシーンでのロレンスの心境が深く書かれていて、読んでいるこっちがホロ行かないで~と思ってしまいました。アニメも好きです。


 意識を失ったロレンス。次起きたところは白いベッドの上。手当てをされたせいか上半身が裸です。原作では特に何も書いていなかったので気になりませんでしたが、なんだか気になりました。この先の話の流れ的にも・・・。
 どうしたことかと戸惑うロレンスに部屋にいたマールハイトがロレンスが意識を失った後、事の顛末について話します。やはりミローネ商会はロレンス達を裏切らず、その後ちゃんとロレンスを助けてくれていたようです。そしてミローネ商会がちゃんとロレンスの身の安全を保障するまで、ホロがずっとついていてくれたとのこと。わざわざ戻って守っていたというのがまた泣かせます。ホロはロレンスのことがやっぱり大切だったんですね・・・。
 でもロレンスはその後ホロが旅の準備をしに市場の方に行ったと聞きホロを呼び止められなかったとショックを受けます。それからロレンスはマールハイトから今回の商売の成果について話をされます。しかし王が手回ししたため、ミローネ商会は運搬料等で損をしてしまい結局利益を上げることはできずロレンスの取り分は5分の銀貨120枚だけ。ロレンスはこれを聞いてショックを隠せない様子。まあそう上手くはいきませんよね…。
 でもミローネ商会はメディオ商会との取引でかなり利益を得ることが出来、特別利益としてロレンスに銀貨1000枚を渡すことを約束します。どうやらマールハイトはこれからもロレンスと取引をしたいと思ったようです。とりあえず成果があったようで良かったです。
 それからマールハイトは銀貨はかさばる為、何かの物に変えるかと聞いてきます。それにロレンスは
かさばらなくもうけになる胡椒に変えて欲しいと言います。それを聞いたマールハイトは思わず笑みを浮かべます。それにいぶかしむロレンス。マールハイトはロレンスにある戯曲の話をします。

 それは大金持ちの商人の前に現れた悪魔との話。悪魔はここで最も上手い人間を連れてきて食わせろと商人に命令します。商人は何人もの人間を連れてきますが、悪魔は納得しません。そんな中、修道院の少年を連れてきたとき、その少年は悪魔にこう言います。自分はこの世で一番上手い人間ではない、この世で一番美味い人間は目の前にいる、肥え太った魂にたっぷりと香辛料のうまみを効かせたその商人だと。つまりここの話に出てきた商人をマールハイトはロレンスに例えたのでした。ロレンスにとって最高の褒め言葉ですね。
 この例えはアニメだけじゃはっきりとは分かりづらいかもしれませんが、原作にはちゃんと書いており、タイトルの「狼と香辛料」というのは「ホロとロレンス」ということになり、つまりタイトルはこの2人ということになります。よくよく思えば分かりやすいタイトルかも。まあこの2人あってのこの物語であるのは確かです。
 この褒め言葉にロレンスは光栄だと言うようにこう言います。

「早く香辛料の効いた体になりたいものです」
「期待しております。
 今後とも当教会をよろしくお願いしますよ、ロレンスさん」

 そんなやりとりの後、そこに使いがやってきてロレンスに請求書を渡します。見に覚えのない請求書でしたが、その項目を見ていくうちにロレンスはそれがホロの買い物だと確信し、急いで部屋を飛び出し荷揚げ場へと駆けていきます!…上半身裸のままで。
 そうしてロレンスが荷揚げ場に行くとそこには旅支度をしたホロが。ホロはロレンスを待っていたようです…!でもホロのしっぽが丸出しだったのがとても気がかりでした・・・。まあそこにいた人が大体ミローネ商会の人だったから気にしなくても良かったのかも。ちょっと不安になった瞬間でした。
 ホロは自分の元に駆けつけてきたロレンスのことに気づきつつも、ロレンスの方を向かずにこう言います。

「北の森まで金の取り立てに来られてはかなわぬからな」

 ホロにもあの時のロレンスのその奥にこめていた想いはちゃんと伝わったようです。良かった、良かった・・・。ロレンスはこの言葉に思わず笑みを浮かべます。何だか見ているとニヤニヤしてしまいます・・・。ロレンスはそんなホロの言葉を聞いて手を差し伸べます。

「帰るのは借りを返してからじゃ」
「当たり前だ」

 そう言葉を交わしてからホロはロレンスの手を握り返します。この瞬間はただ嬉しさがこみ上げてきました。原作でここを始めて読んだときは何とも言えない爽快感を感じたのをよく覚えています。良い締め方でした。
 2人の旅はまだまだこれからのようです。


 次回は「狼と正しき天秤」原作2巻に入っていきます。第7話をやらずに第8話を放送するということで、繋ぎが大丈夫なのか心配です。とりあえず話が分からなくならないようならいいのですが。あとクロエの出番はここで終わりなのかも気になるところ。まだ出そうと思えば出せそうですけど。
 次の話からはOPにも出ている金髪の羊飼いの少女ノーラが出てきたり、ロレンスが商人生活最大の危機をむかえる等見逃せない展開になっていきます。ロレンスがどん底まで落ちる姿はあんまり見たくないような・・・。でもそんな中でのホロとロレンスのやり取りがやっぱり好きなので頑張ってみていこうと思います。