午前の相談者は、東京都北区在住のKさん(56歳 無職)です。ちなみに、負債総額は約3600万円(内住宅ローン3000万円)、滞納している税金が約90万円です。
相談内容は、現在失業中ではあるが、自宅を持っていることもあって、何とか自宅を失わずに済む方向(正確に言えば、生活環境さえ変わらずに済めば、持家か賃貸かは問題ではない)で債務整理をしたいが、何か手立てはあるかというものでした。Kさんとしては、収入が無い状態で、返済することを前提とする任意整理や個人再生はできないと思っているようでした。
そこで、債権者と相対ではさすがに話は進まないでしょうが、間に弁護士や司法書士を入れることで、債権者の納得のいく時間稼ぎは問題なくできるとお伝えしました。
ただ、そうは言っても、住宅を維持するための個人再生で解決するためには20万円近くの金額は返済等のために必要となり、他に生活費等を考慮すると最低でも30数万円もの手取り額が必要となる。これだけの給与がもらえる就職先をこの年齢で見つけるのはまず不可能といってよいでしょう。この点は、Kさんも話しているうちに気がついたようで、この先の人生を考えた場合には破産のほうが自分には向いていると考え始めたようでした。
もちろん、セル&リースバックという手法もありますが、利回りを考えると住宅ローンの金額よりも多くなってしまうので選択肢からは外しました。
ところで、今回のご相談に関しては、Kさんが独身であり、ご家族がいないこともあって、Kさんお1人だけの判断で比較的柔軟に対応していけそうなのがプラスの材料だったと思っています。しがらみが多いことで決断が遅くなり、より大きな苦労をすることが多々あるからです。
それにしても、これだけの話をするのに2時間を要しました。無料とするには、ちょっと時間の掛け過ぎだったかもしれません。次回からは相談者の目の前に時計を置きましょうか
さて…
借金等で悩んでいらっしゃる方の精神的経済的な負担を軽くするための相談を主としていますが、そこには不動産や会社の登記も関連してくることが多いのも事実です。それらを含めたご相談を平成15年から猫研事務所(東京都中野区)でお受けしています。
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