筑紫漢方つれづれ日記

福岡県の中西部 筑紫野市と小郡市の境にある漢方薬と自然派化粧品の専門店 漢方四季彩堂のブログです。

生命の息吹

2012年04月23日 | 野草
けやきの新緑が増してきました。
今月初旬、芽吹きのころはまだほんのり赤みを帯びていて
恥じらう幼子のように感じましたが、
今はすっかり黄緑色の葉に覆われ、青年の様相です。

アカメガシワも今の時季は芽がこんな感じです。

この赤い幼葉を顕微鏡で、あるいは双眼鏡を逆さにして覗いてみると
ものすごく美しい結晶が見られます。
成長するとこの赤みはすっかりなくなります。

昔はこの葉に食べ物をのせて神前にお供えしたり
だんごを包んで蒸したりして、柏の葉と同じように利用したので
「赤芽柏」の名がついたのだそうです。

昔から民間薬として胃潰瘍や十二指腸潰瘍に利用されてきました。
生薬名は野梧桐(ヤゴトウ)。


これはムベの葉。下の隅のほうにヤツデの葉も見えています。

これから美しい花を咲かせ、いい香りを漂わせます。
そして秋にはアケビに似た実をつけます。 
アケビの実は熟すと割れるので「開け実」から名付けられたのですが
ムベの実は割れません。

生薬名は野木瓜(ヤモッカ)。
蔓はアケビ(木通)の蔓と同じように利尿作用があります。
痛みを止める作用もあるようですよ。

ヤツデの葉はまさしく天狗のうちわですね。

ヤツデは「八手」。別名はテングノハウチワ。
これから果実が黒く熟すところです。
ヤツデには毒があると、以前なにかで読んだ記憶があります。

こちらはミツバアケビの花です。

アケビの葉は通常5枚で、もう少し厚みがありますが
ミツバアケビのほうは葉が3枚で、黄緑色のやさしい色調です。
花は上の大きいほうが雌花で、
その下に小さなぶどうの房のようにぶらさがっているのが雄花。
自家受粉を避ける仕組みですね。

ルリタテハが道案内をしてくれるかのように
あぜ道を歩く私に付かず離れず飛んでは止まり
陽だまりでしばし日向ぼっこ。


そのそばにはトキワハゼが咲いていました。

ほぼ一年中花が見られるのと、実がはぜるから「常盤はぜ」なのだそうです。

花はトキワハゼに似ているけど全く別の科のカキドオシ。

トキワハゼはゴマノハグサ科で、カキドオシはシソ科です。
垣根を通り越してその先までつるがのびていくから「垣通し」と呼ばれます。
葉の形が銭を連ねているように見えるからと
連銭草(レンセンソウ)や金銭草(キンセンソウ)の名もあります。
利尿作用があり、民間薬として糖尿病や腎臓結石に用いられます。

溝に群生していた…タガラシ?キツネノボタンかも…。

どちらにしろキンポウゲ科の有毒植物です。
ウマノアシガタも同じ仲間ですね。

林縁の木陰の足元にはネコノメソウ。

自然観察会の仲間に生えている場所を教えてもらいました。
花の中心部分の楕円形のところが
ネコが目を半分閉じているようにみえるから
この名前がついたのだそうです。

私には一見トウダイグサのように見えて
同じ仲間かと思っていたら、ネコノメソウはユキノシタ科だとのこと。
植物の分類は奥が深い。
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自然観察会

2012年04月16日 | 野草
今月も恒例の自然観察会に参加しました。
一応私はレギュラーメンバーなので
毎月参加する義務があると自分で勝手に決め込んでいます(笑)

というのも、観察記録をまとめた会報の薬草コーナーを担当しているからです。

取り上げる薬草(野草、ときに昆虫や野鳥も)は
観察会で話題になったものや
参加者の印象に残ったものなどについて
少し詳しく掲載するようにしています。

今回の会報はスミレを取り上げますが
ここではごく簡単にご紹介します。

これはノジスミレ。

紫色の花びらがとても高貴な印象です。
生薬名を地丁(ジチョウ)とか紫花地丁(シカジチョウ)といい
清熱・解毒・腫れを消す働きがあります。

山と渓谷社の図鑑によれば、スミレは世界中に広く分布していて
その数なんと400種類ほどあるそうです。

日本にはおよそ50種、変種も含めるとおよそ100種類もあるとのこと。
それらを見分けることなど私には到底できないと
最初から覚える気はありませんが…。

これはタチツボスミレかな?

わりと普通にどこにでも生えています。

マルバスミレだと思います。

去年のちょうど今ごろ、近くの田んぼのあぜ道で見つけました。
すごい数の白い花がみな同じ方向をむいて咲いていて、それは見事でした。

今年もっとも感動したのがこのスミレ。

シハイスミレです。
花がピンボケですみません。
葉の裏側が紫色をしているから「紫背菫」なのだそうです。
なるほど!

スミレはどれも食べられると、食べられる野草ばかりを集めた本に記されていました。
サラダの色どり、汁の具、和え物、天ぷらなどなど。

夏になると花を咲かせることなく蕾のままで自家受粉して
種子をつくるので、花ごと楽しむのは今のうち。

あ〜、やっぱり食い意地が先行してしまいます(苦笑)

では最後は万葉集に詠われた有名な菫の歌をご紹介して格調高く締めくくりましょう。

  春の野にすみれ摘みにと来しわれぞ
      野をなつかしみ一夜寝にける
                     山部赤人
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待ちわびた春 2

2012年04月13日 | 野草
調子にのって昨日の続きです。
開けた丘にオオイヌノフグリが一面に花を咲かせていました。

もともとユーラシア・アフリカ原産の植物で
明治時代に渡来したのだそうです。
可憐な花なのに気の毒な名前。
果実の形に由来しているとか。
生薬名は腎子草(ジンシソウ)といい
腰痛・リウマチの痛みにいいそうですよ。

少し歩くと日当たりのいい丘の斜面にキランソウが。

深い紫色がとてもきれいです。
別名ジゴクノカマノフタとかイシャゴロシとか呼ばれます。
筋骨草(キンコツソウ)の名もあります。
解熱・咳止め・健胃・下痢止め…etc.
病人を地獄から救うほどの効能があると伝えられ
昔から民間薬として親しまれてきたのでしょう。

丘を下ると林縁にムラサキケマンを見つけました。

ケマンは仏殿の欄間を飾る仏具のことのようです。
ケシ科の植物で、生薬名は紫花魚灯草(シカギョトウソウ)。
強い殺菌解毒作用があるようなのですが有毒植物です。ご注意を。

同じケシ科の植物でも、日本には生育していない延胡索(エンゴサク)は
安中散(アンチュウサン)という漢方の胃薬に配合されています。
○○漢方胃腸薬のテレビCMでおなじみ。

花もいいけどダンゴはもっと好きってことで
締めくくりはやっぱり食べ物で(笑)

左はセリのゴマ和え、右はワラビとツクシの煮びたしです。
どちらも春ならではの味覚。
野の幸 山の幸に感謝。
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待ちわびた春

2012年04月12日 | 野草
しばらくブログ更新をさぼって冬眠していました(笑)

虫や鳥たちの活動が盛んになってきたので私も活動開始!!
レンギョウの開花は例年より遅かったようです。

生薬名もそのまま連翹(レンギョウ)。
果実にすぐれた抗菌消炎解毒作用があります。
雌雄異株なので、両方をくっつけて植えると結実するそうです。

キマダラカメムシかな? 遊びにきました。
体長2センチはありそうです。

カメムシの仲間には、生薬名を九香虫(キュウコウチュウ)という種類がいます。
胸腹の痛みを鎮めたり元気を回復させる働きがあるようですが
想像しただけで臭いが漂ってきそうですね。


野に出てみました。
少し前、強風が吹き荒れた日に見た植物たちをどうぞ。
日本のチューリップといわれるアマナの葉です。
右側にヨモギの若葉も見えます。

生薬名は光慈姑(コウジコ)。
咽喉の腫れや痛みを鎮める働きがあります。
花が咲くのが楽しみ。

アマナの近くに咲いていたヒメウズ。

白くて小さな花がヒメの名にふさわしい可憐な花です。
漢字で表わすと「姫烏頭」で、「烏頭」とはあの猛毒トリカブトのこと。

先日、北海道でトリカブトの若葉をニリンソウと間違えて食べた人が
亡くなるという悲しい事故がありました。
ゲンノショウコの若葉もトリカブトと似ているので
注意しなければいけませんね。

ヒメウズはトリカブトと同じキンポウゲ科の野草ですが強い毒はありません。
生薬名は天葵子(テンキシ)。
清熱・解毒・腫れを消す・利尿するなどの働きがあります。

ヒメウズの群生するなかに一本だけ咲いていたオドリコソウ。

この花は春というより初夏に咲くイメージが強いです。
こんなに風が強くて肌寒いのに、けなげな姿。

えーっと、生薬名を調べてみると…あったあった!
野芝麻(ヤシマ)というらしいです。
月経不順・打撲傷・結核による咳血に効くと記されていました。

そばの水路にはオランダガラシ(クレソン)とオオフサモ。

オランダガラシはきれいな水が流れるところにしか生えません。
サラダで食すと独特の香りが広がります。
生薬名、これも調べてみると…ありました。
西洋菜乾(セイヨウサイカン)といって
肺病および肺熱燥咳(空咳のこと)を治すそうです。

オオフサモは特定外来生物に指定されている侵略的外来種だそうです。


ふと見上げると畑の端にハクモクレンが満開でした。

遠目で分かりにくいですがコブシより花が大きいです。

こちらはコブシのアップ。

生薬名は辛夷(シンイ)。
開花前のつぼみはとてもさわやかな香りがして
鼻の通りをよくするので、蓄膿症や慢性鼻炎の薬に配合されています。
もともと辛夷は中国原産のモクレンのことですが
江戸時代の本草学者、貝原益軒が『大和本草』を著す際に
日本のコブシを辛夷にあてたのだそうです。

「ふうーっ もうお腹いっぱい」というほど野草談義を連ねてみました(笑)
次回も続きますよー。
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筋力

2012年02月17日 | 健康
今日は太極拳教室の日でした。
準備運動をしながら、口のほうの準備運動も盛ん。

で、歳をとると筋力が衰えるという話から
洋式トイレと和式トイレの違い…後はご想像にお任せします。

そして、最終的には
1.口からものを食べられる
2.自分の足で目的地まで歩いて行ける
このごく当たり前のことを当たり前にできることが喜びだよねと
互いに頷き合いました。

思い起こせば晩年の父は自らの足で歩くことができなくなっていただけでなく
食事の際に、母が緑茶をマグカップに入れて出したとき
「これじゃ、都合が悪いから普通の湯呑みに替えて」と言っていました。

母は熱い湯呑みは持ちにくいだろうと考えて
わざわざマグカップに入れて気を利かせたつもりだったのでしょうが
考えてみれば湯呑みのほうが筋力を必要としないのですね。

以前、老齢のお客様が駐車場の車止めブロックにつまずいて
そのままアスファルトの上に倒れてしまわれたことがあります。

驚いて起こそうとしたのですが、私の筋力では到底無理でした。
そのときは、そばを通りかかった男性が助け起こしてくださって事なきを得ましたが、
ご自身も掴めるものがなかったので起き上がれなかったとおっしゃっていました。

自分が後期高齢者になり、段差に気づかず運悪く転んでしまったときに
そばに手すりなどの掴めるものがあったとしても
私の腕に自分の体重を支えられるだけの筋力がなければ
自力で起き上がることはできないわけです。

昨年は東日本大震災で、当たり前の生活を一瞬にして奪われた方々を目の当たりにして
わが身の日常のありがたさを思い知らされました。

そして今日は、自分の筋力は、この先努力を続けなければ
維持できないのだということを改めて実感しました。

効果的に筋力を維持するには、激しい運動で筋肉を鍛えるのではなく
太極拳のようにゆっくりとした動きで筋肉に負荷をかけることと
筋肉の弾力性のもととなるコラーゲンを摂るといいですよ。

コラーゲンを多く含む食品はというと
カメ(亀板)・スッポン(鼈甲)・フカヒレといった高級食材が多いですが
もっと身近で安価な食材「粉末ゼラチン」で代用できます。

今日の話、みなさんのお役に立ったでしょうか?

さて、私は今夜もゼラチンを食べて、柔軟体操をしてから寝ることにします。
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