Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

憲法無効化を図るクーデターの動き

2017-05-05 | Weblog
海上自衛隊は1日、ヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を、房総半島沖で米軍の補給艦と合流させ、並走して任務を始めた。訓練をしながら、警護に当たる。四国沖まで2日間程度の実施という。
自衛隊が平時から米軍の艦船などを守る「武器等防護(米艦防護)」を初めて実施した。
そう。初めてだ。
安倍政権が成立を強行し、昨年三月に施行された安全保障関連法に基づく新しい任務だ。自衛隊が「日本の防衛に資する活動」をしている米軍など他国軍の弾薬や艦船、航空機を守る任務に従事できるようになってしまっている。他国軍から要請があった場合に、防衛相が主体的に実施するか判断する。最初は国家安全保障会議(NSC)で審議するそうだ。まあ、なんでもアメリカの真似だが、NSCもそうだ。
この「武器等防護」の実施は、米艦防護活動中、偶発的に攻撃を受けるなどした場合、必要最小限の武器使用も認められる、ということになってしまっている。自衛隊が紛争の引き金を引くことになりかねない。それ以前に、北朝鮮を攻撃するため移動する米艦を自衛隊が防護していたとなれば、攻撃を受ける北朝鮮にとっては、日本も攻撃に参加していることになる。
昨年十一~十二月、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸自部隊に「駆け付け警護」が付与されたのに続く、実任務である。
「武器等防護」については将来的に政府は豪州も対象に想定しているという。何を根拠に?

東京湾南の太平洋から四国沖まで一緒に航行するのが、どれだけのことなのか。この補給艦は原子力空母カール・ビンソンらが展開する朝鮮半島沖へ向かったようで、弾道ミサイル発射に備える米軍の艦船に補給をしたのだろう。太平洋側で北朝鮮が襲ってくることはまず考えられない。「補給艦の防護は米軍側のニーズが高い」というのは眉唾である。背景としては、多くの報道が言うように、「北朝鮮情勢の緊迫化を背景に日米同盟を誇示するとともに、米軍との連携を深める狙いがある」。

報道では「政府関係者が明らかにした」だったり、安倍総理が「可能な限り国民に説明していくと約束した」というが、やはり「違うんじゃないのか」と思う。約束も何も、国民の知る権利の及ばないところで勝手に他国間の戦闘に関与などしていいはずがない。
「政府関係者が言わなきゃ秘密のまま」「ほんとは必要ないのに説明してやっているんだとオープンであるようなふりをする総理大臣の言動」という現実は、ひどくはないか。
これだって安全保障関連法に織り込み済みだ。一昨年、束のようにあった安全保障関連法案を通した中に、あれやこれや「新任務」「新規定」が含まれていた。私たちがその成立に反対の声を上げたとき、自民党の改憲法案との関連に言及したとき、「自民党批判は避けるべきだ」とか言ってブレーキをかけた人たち。今からでも遅くはないので、自民党の改憲法案をしっかり見直して是非を判断していただきたい。

そもそも必要性に乏しい米艦防護に踏み切った背景には、憲法学者ら多くの専門家が憲法違反と断じた安保法を既成事実化し、自衛隊と米軍との軍事的一体化を加速する狙いがある。
アメリカは、日本の憲法とは相容れないやり方で問題を解決しようとしている。これに追随しては、「武力の威嚇による紛争解決」を永久に放棄しているはずの憲法9条が、無効化したことになってしまう。

多くの人が言うように、そもそも総理大臣に憲法改正を言い出す権利などない。
日本国憲法第九十九条には、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とある。
だが安倍首相は、この憲法記念日に、東京都内で開かれた新しい憲法の制定を目指す大会で、「目標に向かって必ずや歴史的な一歩を踏みだす」と宣言、「かつては憲法に指一本触れてはならないという議論すらあったが、もはや憲法を『不磨の大典』と考える国民は非常に少数になってきた」「いよいよ機は熟してきた」「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と決めつけた。
機は熟してなんかいない。安倍政権が、憲法に違反しながら乱暴にことを進めてきただけだ。
彼は改正項目として9条を挙げて「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」との考えを示したらしい。
9条にはこうある。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」
以上の内容と矛盾する現実について、「実態が既にそうなってしまったから」として、憲法9条の有名無実化を許してしまえば、その時には安倍政権の憲法に対する「クーデター」は、成功を収めるという次第だ。
じっさい、これはクーデターではないかという声が幾つか上がっているようだが、本当にそうなのだ。

憲法を守ろうとする人たちを「テロ」呼ばわりし、取り締まるために作られようとしているのが、「共謀罪」である。
戦争に反対する言説を抑えこむ「モノ言えない社会」にさせないために、その成立を阻まなければならない。
いろいろな国々で、クーデターと共に起きていることがどういうことなのか、過去の例が実証している。
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