Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「アッキード事件」下、「保育園落ちた。日本死ね」は、もはや一般語。

2017-03-03 | Weblog
安倍晋三首相の安倍昭恵夫人は国有地払い下げ問題で揺れる学校法人「森友学園」との関わりが指摘されているが、「アッキード事件」として国会でも取り沙汰されているらしい。テレビを観ないのでよくわからないが。
昭恵氏が「公人」か「私人」かという話題はナンセンスだ。5人の公務員をスタッフとして付け、交通費を支出しているなら、「私人」のはずはない。
とにかく事件が解明されるべきだ。そして「新共謀罪」を急ごうとする国会をストップさせるべきだろう。
正直うんざりする事件だが、何より私は昭恵氏が森友学園が運営する幼稚園を訪れて、幼稚園児たちに「日本国、日本国のために活躍されている安倍晋三内閣総理大臣を、一生懸命支えていらっしゃる昭恵夫人、本当にありがとうございます。ぼくたち・わたしたちも頑張りますので、昭恵夫人も頑張ってください」と「唱和」させたという事実に、呆れかえると共に怒り心頭である。
我が劇団の清水弥生の長男が保育園に落ちて、複数の人に「ああ、「日本死ね」ですね」と言われたりしているらしい。宮古島で市会議員となった石嶺香織も、やはり長女の保育園問題に直面し、議会での託児について、無理解な市側とたたかっている。

厚生労働省は保育所の運営指針について、2018年度からの改定案を公表し、3歳以上の幼児を対象に、国旗と国歌に「親しむ」と初めて明記した。
文部科学省が同日公表した幼稚園の教育要領見直し案にも同様の趣旨が盛り込まれた。
保育所は学校教育法に基づく施設ではなく、保護者から幼児を預かる福祉施設である。そもそも運営指針に踏み込むことじたいが異常である。

今のこの国が、子供たちの置かれた状況に対して鈍感なのは確かだ。

2014年4月には、昭恵氏と森友学園の籠池泰典理事長が児童らを前に以下のような会話をしたという。

籠池理事長「(園児に)中国から、何? 言って」
園児「中国から鉄砲とかくるけど、ぜったい日本を守ろう」
籠池理事長「安倍総理大臣を応援してあげてくださいよ!」
園児「はい!」
昭恵夫人「ありがとう。おうちに帰って安倍総理大臣に伝えます。みんなを守りますように、みんながそう言っていたことを伝えます」
籠池理事長「うれしいですか?」
園児「はい!」
籠池理事長「『日本を守ってください、お願いします』と、昭恵夫人にきちんと伝えてください」
園児「日本を守ってくださいね」
昭恵夫人「ちゃんと伝えます。ありがとう」

本気なのか。
大人相手でさえ、総理夫人が「中国の脅威」を言い立てることが適切であるはずがない。
しかもそれを、幼稚園児を洗脳するかのように誘導している。

これだけで大問題である。
こうした事実を海外の人たちが聞いてどう思うかということにもまったく考えが至らないのであろう。
大人たちも「中国の脅威」を大前提のように語るようになっているこの国だが、中国の人たちを前に「あなた方の国が脅威です」と言っているに等しいことを理解できているのだろうか。
そして、「絶対日本を守ろう」と子供たちに唱和させることが何かの役に立つだろうか。安倍悲願の「戦争のできる普通の国」に向かうために、子供たちを利用しようとしているだけである。
日本を守りたいなら、まず、きちんとした外交政策をとるべきである。その努力もしないで何をしているのか。

とにかく、昭恵氏を国会に参考人招致できないとしたらそれはおかしい。
できない理由があるなら教えていただきたい。
三宅洋平と高江に来たりとかのスタンドプレイにもうんざりだが、今回はそれとは違って、明確に公的責任が問われている。
そして安倍首相は、自分が口にしたことなのだから、この疑惑を晴らせない以上、辞任すべきである。

それにしても、「保育園落ちた。日本死ね」が流行語というより一般語になってしまう保育状況と、愛国心を煽る「唱和」の横行が同時代に起きている現実は、実に寒々しい。

写真は与那国、日本最西端の日没。本文とは何の関係もありませんが、今週は久しぶりに「よなこく」の猪俣哲さんと会えた。
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