Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『くじらと見た夢』上演中です。

2017-11-24 | Weblog
たまにはバカ二人の写真。

大西孝洋と。

撮影・大島葉子。


昨夜打ち合わせというか次なる企画へのハードな話が遅くまでになり、それでも早起きしたがいろいろ間に合わず、トラプル多々の中、とにかく欠席を避け、案件複数を諦め。午前からの会議に遅れて出席。

もろもろスケジュール消化し、上演中の劇場になんとか前半中に駆けつけ、座高円寺『くじらと見た夢』。終演後、郡山からブラザー茂が来てくれていて、鎌倉の秋山文豪と、生きる伝説・萩原朔美マイスター、円城寺あや、THE映画女優大島葉子、素敵で不可思議な顔ぶれと、心温まるひととき。わしらバカ二人はおまけであった。 


『くじらと見た夢』上演中です。

24日(金)は、石川創(下関海洋科学アカデミー 鯨類研究室 室長)を招いたアフタートークがあります。

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新作『くじらと見た夢』、以下、パンフレットに掲載したご挨拶文です。


沖縄でのイルカ(ヒートゥー、ピトゥ)漁は、伝統的なものとして知られているが、戦後の一時期、名護西岸で本格的な捕鯨をしていたことを、最近になって本格的に調べた。十五年近くにわたって、年間数十頭のザトウクジラを捕っていたのだ。昭和二十六年、「戦後初めての捕鯨」と思しき漁にも参加した、八三歳で現役を誇るイルカ撃ち漁師の一家にも、詳しく話を聞いた。

名護東岸、島の反対側に位置する海では、米軍基地キャンプ・シュワブに、普天間基地代替施設としての空港建設が強行されようとしている。この劇の上演が始まる週、大浦湾を埋め立てる石材の、海上輸送による大量投入が始まった。

イルカ漁の豊かな歴史を抱く平和な名護漁港と、米軍基地に占拠された辺野古。同じ名護市なのに、海の風景は、西岸と東岸で、まったく違うのだ。

昨冬、かつて『くじらの墓標』を書くため訪れた捕鯨村・鮎川を、震災後には初めて、再訪した。津波の猛威を受けた町並みはすっかりなくなってしまったが、捕鯨は変わらず続けられていた。

『南洋くじら部隊』の舞台、レンバダ島の捕鯨村ラマレラを、久しぶりに訪れた。電気も電話も貨幣経済もなかった暮らしは近代化の洗礼を浴び、変わってしまった。それでも漁師たちはクジラを捕り続けている。

そして、映画『ザ・コーブ』等によってイルカ漁が国際的な非難を浴びた和歌山・太地に、初めて行った。捕鯨反対運動は沈静化していたが、それとは無関係に、人々は未来を見つめていた。午後から夕方にかけて漁協の退職者たちが集う溜まり場で、九〇歳の元クジラ捕りに話を聞いた。かくしゃくとして、見たところ七十過ぎにしか見えない元気な人で、全世界を股にかけた捕鯨最盛期の話は、圧巻だった。

名護の八三歳、太地の九〇歳との出会いは、収穫だった。

まだだ。
まだ間に合う。
戦争・戦後の時代と、今を生きる人たちを繋ぐ、海の物語を描くことができる。そう思った。捕鯨に携わる家族たちの「伝承」と「共存」の物語が、くっきりと浮上してきた。

これほどさまざまな場所を取材し、あらゆる人々に会ったことはない。四半世紀のあいだ抱えてきた「クジラ」というテーマと、逃れようもなく関わってきた沖縄のことが、このように出会う、宿命。

おそらく今までで一番多く溢れる情報を相手に、井上ひさしさんがよく言っておられた「小説はどんなに長く書いても許されるが、戯曲はどうしても二時間半に収めなければならない」という困難が、立ち塞がった。

しんどい作業に共に立ち向かう仲間たちに、支えられた。そのありがたさ、豊かさに、これほど感謝し、教わった現場も、ない。

クジラを捕ることと演劇を作るという営為は、やはりどこか似ている。

(『くじらと見た夢』当日パンフレットより)

(クジラの写真は、小島曠太郎氏による。今年、インドネシアのラマレラにて。)


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燐光群創立35周年記念公演 VOL.1

くじらと見た夢

作・演出 坂手洋二


ふたつの海。
クジラのいる海、いない海。

でも忘れちゃいけない。
海はひとつ。
必ずどこかで繋がってる。


佐々木梅治 Benjamin Beardsley 円城寺あや 南谷朝子
中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋
杉山英之 東谷英人 武山尚史 山村秀勝 樋尾麻衣子
宗像祥子 田中結佳 秋定史枝 橘 麦 中瀬良衣


打ち上げられたクジラたちは、夢を見ているのか。
それとも抗いようのない現実に、耐えているのか。

『くじらの墓標』『南洋くじら部隊』に続いて、捕鯨と人間社会の葛藤を描く、壮大なる叙事詩。


11月17日(金)~ 26日(日) 座・高円寺1

文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業) 
秋の劇場21 日本劇作家協会プログラム

坂手洋二と次のゲストによるアフタートークあり。
本公演のチケットをお持ちの方、ご予約の方はご入場頂けます。
17日(金)松尾貴史(俳優)
18日(土)小島曠太郎(文筆家・ラマレラ捕鯨文化研究者)
18日(土)江上幹幸(元沖縄国際大学教授)
24日(金)石川創(下関海洋科学アカデミー 鯨類研究室 室長)

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦 藤村謡子
美術◯加藤ちか じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子 
協力○劇団民藝 浅井企画 青年座映画放送株式会社 DULL-COLORED POP e-factory
Company Staff○桐畑理佳 鈴木菜子 鈴木陽介 番匠郁 福田陽子 西川大輔 宮島千栄 橋本浩明 内海常葉 秋葉ヨリエ 脇園ひろ美
主催○有限会社グッドフェローズ
後援○杉並区
提携○NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

【全席指定】 
◇一般 4,200円(なみちけ使用可)
◆劇団特別割引(劇団予約・燐光群オンラインチケット扱いのみ) 
■一般 3,700円  ペア 6,800円 
■U-25(25歳以下)/大学・専門学校生2,500円 高校生以下1,500円 ※U-25/学生券は前日迄にご予約の上、当日受付にて要証明書提示。 
<なみちけ>
座・高円寺の劇場回数券「なみちけ」もご利用いただけます。
「なみちけ」とは、4枚綴りのチケット引換回数券です。座・高円寺で上演する主催・提携公演であれば、お一人1枚1ステージにご利用になれます。ひとつの公演に何回足を運んでも、お友達と一緒に使ってもOK。
一般用12,000円(1シート3,000円×4枚)、学生及びシルバー用10,000円(1シート2,500円×4枚)です。詳細は座・高円寺チケットボックスまで。
【前売扱所】
◆座・高円寺チケットボックス(月曜定休) 
■03-3223-7300(10:00〜18:00)  窓口(10:00〜19:00)■オンライン予約 http://za-koenji.jp/
◆燐光群オンラインチケット(U-25/ 学生券を除く) http://rinkogun.com 
■トップページのメニューよりお進み下さい。ご予約の上、セブンイレブンでチケットをお受け取り下さい。
■お支払いは現金(セブンイレブン)、またはクレジットカードとなります(手数料はお客様負担)。
■※会員登録(無料)が必要です。

受付開始○開演の40分前 開場○開演の30分前

前売開始○10月8日(日)
◆ご予約・お問合せ■燐光群/(有)グッドフェローズ
■03-3426-6294
■ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp
■https://www.quartet-online.net/ticket/kujira-tokyo
■①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
■②当日、開演の10分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットをお渡しします。
■ この時間を過ぎますと、あらかじめご用意しておりましたお席にご案内できない場合がございます。
■ ※ご予約頂いた順に、お席をご用意いたします。
■ ※キャンセル・日時変更はできません。 
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

◎以下のサービスは劇場で承ります 
お申込・お問合せは座・高円寺チケットボックス 03-3223-7300まで
*車椅子スペースをご利用の方は、前日までにお申し込みください(定員あり) *障がい者手帳をお持ちの方は、座・高円寺チケットボックスでのご予約に限り1割引きになります。 
*託児サービス(11月18日・20日・22日・25日 各14時公演/定員あり・対象年齢1歳~未就学児・1週間前までに要予約)料金:1,000円

*座・高円寺1
〒166-0002 杉並区高円寺北2-1-2 03-3223-7500
JR中央線「高円寺」駅 北口徒歩5分
※土・休日の中央線快速は高円寺駅に停車しませんのでご注意ください。
※駐車場はございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。


【国内ツアー】 詳細についてはもう少しお待ち下さい。

[名古屋]12月12日(火)・13日(水)愛知県芸術劇場 
[伊丹]12月15日(金)〜17日(日)AI・HALL
[岡山]12月19日(火)市民文化ホール



http://rinkogun.com/kujira_to_mita_2.html
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