Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

与那国島の「馬テロ」!?

2016-10-08 | Weblog
日本最西端・与那国島。北東約150キロに尖閣諸島。台湾まで111キロ。この「国境の島」に、島しょ防衛を目的にした陸上自衛隊の配備計画が持ち上がり、誘致話が本格化したのは2008年頃。与那国町長選では賛成派の現職が続いて当選。一昨年の選挙では、反対派候補との差はわずか47票。そこからは止められない勢いで、事態が進行していた。
今年3月28日、工事未完成でも「年度内」に強行することに意味があったらしく、ぎりぎりのタイミングで「陸上自衛隊与那国沿岸監視部隊」の「発足」となった。
沿岸監視レーダーを備え、沿岸監視部隊など隊員約160人が与那国島へ配備された。約25ヘクタールの用地に庁舎、体育館などを備える。
隊員と家族は祖納地区の官舎や民家、独身・単身の隊員は駐屯地の仮宿舎に入居。町人口は2月末現在の1490人から1600人以上に増えた。
島の経済は厳しい。
戦後の台湾との交易が盛んな時期は一万人、1950年代にも5千人超だったという人口の下降に、推進派は自衛隊を入れることで人口流失に歯止めをかけたかったのだろう。
サトウキビ栽培や漁業が盛んとはいえ、高校もなく、過疎化が進む。
沖縄随一のカジキの水揚げがある久部良漁港は、基地のすぐそば。「最西端の碑」が立つ西崎灯台も、そのちょっと先だ。
島外への行き来の運賃は高い。燃料代も高い。補助金があっても高い。農・漁業は採算がとりにくい。
自衛隊が来れば島での消費が見込める。外間町長は「自衛隊は一つの産業」と言い、誘致に伴う国の振興策に期待する声も大きい。だがそうした特別補助には、三年で打ち切られるものもある。

もともと島には警察官が2人。「ピストル二丁で国境を守っている」とも言われていた。
だが、自衛隊が武力事態の際、島民を守るというのは幻想だ。そもそもこの部隊はそういう目的で設置されていない。
有事となれば自衛隊は任務に追われ、住民保護は二の次であろう。
武力事態における住民を保護する「与那国町国民保護計画」じたい、いまだに示されていない状態なのだ。
有事の際、部隊がある場所が狙われるのは当然だ。沖縄戦の時もそうだった。

「米軍でなく自衛隊なら来てもいい」という声も聞くが、全国でも沖縄でも自衛隊と米軍の一体化は進んでいる。
沖縄本島のキャンプ・ハンセンで、陸自が米軍と共同使用する延べ日数は2008年当時は15日だったのが、現在は毎年百日を越えている。
オスプレイの導入計画もあるという噂に対して外間町長が「オスプレイには反対。米軍は体を張って止める」と言っても、全国各地でそんな抵抗は口先だけで終わってしまうことは実証されてしまっている。

町有地でもある南牧場の大半が駐屯地になった。
山側に威圧するように自衛隊の構造物が並ぶ。
昔は柵もなかったというもともと牧場の中の車道は、ヨナグニウマや牛が放し飼いにされていて、実にマイペースに過ごしている。
小西誠さんによると、「与那国馬(よなぐにうま)は、与那国島(沖縄県八重山郡与那国町)で飼育されてきた日本在来種の馬。1969年3月25日に与那国町の天然記念物に指定されている」ということです。

さて。
テレビドラマ「Dr.コトー診療所」というのは、ちゃんと見たことないのだが、タイトルバックとか主人公が自転車に乗って走るシーンが、この基地となった牧場内で撮影されていたという。
路上に、動物たちの落とし物が、とても多い。
「馬テロ」という言葉が思い浮かんだ。実質的には「糞テロ」なのだが。
無差別脱糞実行者たちがどういう意志を持っているかは定かではないが、基地に出て行ってほしいと思っていても不思議はない。戦争になれば彼らも被害者になる。
コメント
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