読みました

本を読むのが好きです。
忘れないように感想等を書いています。
その他、ねこのひとり言…。

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砂丘の迷路

2006-07-28 11:26:21 | 読書
 
 数十年前に読んで、未だに強烈な印象を残している作品はわずかですがその中の1冊です

「砂の女」安部公房
 一人の若い男性が昆虫採集に海辺に出かけた。しかし3日の予定で出かけたのに、それきり妻にも連絡がない。
一方男は虫を追いかけてたどり着いた部落で宿を借りる。一晩だけのつもりで、案内され入りこんだ洞穴の砂だらけの家で、砂を掘り出す一人の女との奇妙な生活を強いられる。
 砂の中の生活に取り込まれそうになりながら幾度か逃亡を企ててみるが・・・。

 流動する砂の重みや匂い、ざらざらとした砂がこちらまで溢れてきそうな表現力。全編に描写された砂に埋もれた生活と異形の世界。
 あるはずが無いと思いながらついひきこまれてしまう別世界の圧倒的な存在感は実にみごとです
 読んだ頃は難しくてストーリーを追うだけでしたが、再読してあらためてすごい!と思いました
 すこしずつ男の思想をも変えていく恐さがジワジワとこちらにも伝わります。
 最後のページの文書が男の行く末を暗示しています。
 今の若い人にもぜひ読んでほしい名作です
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不器用な人達・・・?

2006-07-24 12:25:56 | 読書
 先日受けた面接の結果が今日電話がくれば採用だったのですが、時間を過ぎてもかかってきません 気長に探そうと思います・・・

 今日の1冊「対岸の彼女」角田光代。昨年芥川賞を受賞。
 結婚五年目の小夜子は三才の娘、あかりとの公園デビューにも失敗し、人に溶け込みにくい娘の性格が自分と重なり苛立っている
何とか生活を変えたいと仕事の面接も受けるが、なかなか決まらない。

 そんなある日小さな会社の面接に行くと、同じ時に同じ大学にいたという女性の社長、楢橋葵がいて二人は大学の話で盛り上がり採用も決まる。
 やがて会社は忙しくなっていくが・・・。

 大雑把で猛進するタイプの葵と慎重で几帳面な小夜子。生活も環境も全く違う二人でしたが、目指す方向はいつか同じになっていく。
 
 少し不器用で傷つきやすい彼女達が最後に出した結論に共感できて、涙ぐんでしまいました
 
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以前読んだ小説(1)

2006-07-20 12:21:23 | 読書
 このブログを始める直前にも読んだ本がたくさんあるので、少しずつ紹介しようと思います。
 
石原 慎太郎「太陽の季節」
 高校でバスケ部に籍を置く津川竜哉は、拳闘部の小柄で喧嘩の強い佐原を見てから拳闘にのめりこむようになる。3年の春の試合の日、知り合ったばかりの英子から花束が届く

 竜哉も英子も戯れに遊ぶ相手に不自由はしていなかったが、いつしかお互い強く引かれ合う。
 恵まれた家庭に育ち、奔放な生活を送る二人の恋愛は、やがて思いがけない結果に・・・。

 クラブやキャバレーで戯れ、ヨットや車を乗り回す等、その頃の庶民には珍しい時代だったでしょう。
 風呂上りの竜哉が英子に声をかける場面、最後に竜哉が通夜で香炉を掴む所等も、小説が芥川賞をとり映画化された当時から話題となったようです

 お金に不自由していない英子が抱える心の渇きと、ボクシングに熱中しながら家族に遊びにも覚めた目をも持つ竜哉は似た者同士のように思えました。
 意外にも短い小説でしたが、氏はこの小説を2日で書き上げ、3日の校正で完成させたそうです

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タイムスリップ!

2006-07-16 12:58:35 | 読書
 ときどき歴史、時代小説が読みたくなります
  
平岩弓枝「御宿かわせみ~」の人情捕物のシリーズもいいですが、この冬読んだ山本一力「損料屋喜八郎控え」も今まで知らなかった、札差の仕事が詳しく書かれ、悪を懲らしめるというところもあってとても面白かったです。

 あまり小説の世界にのめり込みすぎて、読んだ後も頭の中が江戸時代が残る位、着物でも着ようかしら、と思うくらい面白いのがいいです。そのうち、さっきまで江戸に行ってきました、なんていう時代が来たら面白いですね、宇宙旅行みたいに

 そんなとき隣町の図書館に寄ったら思わず手が伸びてしまいました
澤田ふじ子「比丘尼(びくに)茶碗」ー公事宿事件書留帳
   
 今は隠居の身の二人、元奉行所同心田村次右衛門とその庵に向かう右腕だった宗琳。
無類の茶碗好きの次右衛門のために、宗琳が土産に持っていった黒塗りの茶碗は名器といわれる楽茶碗にうり二つ。
  
 実は宗琳の隣に最近越してきた尼さんが焼いた物だった。そして尼さんの住まいの近辺をうろつくあやしい武士達・・・。

 表題作を含む六篇。殺伐とした今の時代に疲れた人、寝る前に少し本を読みたい人にお勧めです、 
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猫の気持ち・・・。

2006-07-10 21:45:39 | 読書
 私は小さな時から猫好きで(猫と話が出来たらいいな)とか、不思議な表情をする時(何を考えているんだろう)と思う人、いるんじゃないかな?と考えていました。

 今、我が家では飼えないけれど、近所に仲の良い(?)猫がいて、名前を呼ぶと「ニャー!」と返事してくれ、人間の言葉が分かるのかしらと時々思うのです

 「運命の猫」を書いたアニー・デュプレも猫と心を通わせて育ったのでした。
ただ彼女は8才の時、両親を不慮の事故で失うというショックのあまりそれから20年以上も記憶を失ってしまうのです。

 そんな内面を抱えて大人になり、運命のように出合った猫達に心を癒され、彼らがどんなに賢く美しかったかという思い出を、彼女がたびたび休暇を過ごしたフランスの田舎の豊かな自然とともに語ったエッセイでした

 猫好きの人なら、「分かるなあ」と思う部分がどこかに有るはず…
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読んでます#

2006-07-06 22:57:05 | 読書
 三年前に初めて小説を書き始めた時、「記憶喪失」について書いた本を探していた時に知った本ですが、読む時間がなくてそのまま返却してしまいました
 
 この時書いた私の小説は「新風舎」からペンネーム、北村雪(せつ)で『霧の記憶』として出版されています。良かったら取り寄せて読んでみてください
 
 ところで、今読んでいるのは「運命の猫」アニー・デュペレという8歳で記憶を失くし、女優さんになった人が書いたエッセーのような物語です。文面が硬いので少し時間がかかりそうです
 
 少し涼しい今のうちに本もたくさん読みたいし、出来れば中断している小説の続きも書きたいし、と欲張ってはみるものの、進むのは昼寝と間食というお気楽な毎日を過ごしています(^^;)
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なんとか復活!

2006-07-02 17:34:14 | 読書
 旅から帰って1週間、時差というのがこんなにきついとは・・・
朝も昼もよく眠れること。不眠症の人にこの眠気を分けてあげたいと思うくらい
そのかわり夜は布団で2時間ほど寝返りをうっていました

 図書館で2ヶ月前「ナイロビの蜂」上・下巻が目につき、随分迷って諦めたら次回以降はもうありませんでした。本との出合いも「一期一会」かな?と時々思います
 
 やっと昨日「包帯クラブ」天童荒太著を読みました。「永遠の仔」を借りたかったのに、何度行っても最初の第1巻だけが貸し出し中。単行本を探していたら目にとまり後悔しないよう即借りました
 
 16歳の笑美子(ワラ)は最近男くさくなった2歳下の弟と仕事に疲れた母の三人で団地に住んでいる。部活もやめ、彼氏とも別れて高校二年になり、進路に迷い不安を抱えている。

 学校をサボった木曜の午後、高いところで自分の居場所を確かめたくて病院の屋上に登り、井出埜辰耶(ディノ)に出合う。周囲から変わり者と見られる彼の言動には真面目な理由があった・・・。

 人が受けた傷を認め、「痛いでしょ」と包帯を巻くことでいたわりを伝えることは出来るかもしれない(本文から)傷ついた時の場所に包帯を置くことで人は癒され立ち上がれるかもしれない、とメンバーは考えた。

「包帯クラブ」が結成され街中に包帯の巻かれた風景が広がって行く・・・。
 他人から見れば些細と思われることも、個々の人にとって傷の深さはそれぞれ違うとワラは思う。

 人は些細な事に傷つき、些細な事で癒されていく。
表面的な「やさしさごっこ」と取られかねない話だけど、ストレスの多いこの時代に、包帯を巻くだけで立ち直れるなら有りかな?と思わせてしまうところが作者の腕でしょうか 
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